研究発表が終わったので、まとめ

無事に研究発表が終わりましたので
まとめがてら、日本仏教の面白さを書きたいと思います!

まず、現在の日本仏教って、歴史の時間にも習いますけど鎌倉新仏教が中心ですよね。
浄土宗、禅宗、日蓮宗とか

でも、それ以前、中世の時代には顕教(学問仏教)と密教が融合した仏教が主流だったんです。
こうした仏教を顕密仏教と呼びます。

それってどんなの?
というと、源氏物語や平家物語なんかを見ていただきますと、大きな国の行事で僧侶が法要を営んだり、病気や子授けでご祈祷を行ったりするシーンがありますが、ああいったイメージを想像していただけると良いです。

一番有名なのは、比叡山延暦寺さまでしょう。
延暦寺の僧侶は天台宗も密教も学ばれる事は、ご存知の方も多いと思います
円仁、円珍、安然という天才が現れ、天台密教を確立しました

他には、例えば明恵上人が有名なのではないでしょうか?
こちらは華厳と密教を学ばれ、厳密の祖と言われています

で、我らが真言宗なのですが
実は、弘法大師の時代から東大寺とつながりが深いのです

特に、弘法大師の孫弟子に当たります聖宝(理源大師)は三論宗(空思想を研究する学派です)の本拠地になる東大寺東南院を創建しました
以来、三論宗の僧侶が真言宗を兼ねる事も多くなりました

でも、当時の三論宗僧侶がどんな事を学んでいたのか?
真言宗と兼学していたというのは、実際どんな内容だったのか?

寺院の古文書調査が進み、徐々に研究されていますが、詳細はまだまだわかっていないんです
そのため今回は、東大寺東南院の僧侶で、真言宗の醍醐寺でも学頭職など勤めた学僧・珍海の著作を研究することにしました

珍海は、密教で大切な教義、例えば「法身説法」を三論宗の理論で説明しようとしました。
これが、さきほどの顕密仏教の具体的な中身という事になるわけですけど

それまで、三論宗に存在しなかった理論を、どう説明しようとするのか?
そんな事に珍海は挑戦している訳です!

ものすごく興味深くないですか?
本当に、日本仏教面白いですよ!
しかも、資料が豊富なので、いくらでも研究するテーマがありますし

身近なテーマですので、ぜひぜひ学んで楽しんでいただけると幸いです!
求む、同好の士!

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