湯飲み一杯180mlとしよう

地域差はあれど、日本では本日あたりから盆だろうか。

人間は死んでいった者との記憶に折り合いをつけるために、信仰のレンズを通してそれらの死を物語として捉えてきた。日本の場合、死者は夏になると冥界から足の速いきゅうりの馬に乗ってこの世に帰ってきて、数日間だけ滞在を許される。そして、名残惜しさを抱えたまま、帰りは歩みの遅いなすの牛に乗って、再び冥界へ戻っていく。

盆は、日本人の筆者にとって、なんともノスタルジーをくすぐる、むず痒くなるようなでもそれでいて心地いい行事だ。

しかしところで、盆中に家に来て経をあげて帰るあの和尚。彼は一体、一日に何件の家で経を唱えるのだろう。

ということで、検索をしてみた。
程度の差はあれど、およそ1日に50件ほどだそうだ(Google調べ)。

とすると、気になるのは果たして訪れる家々で毎度のこと麦茶を振舞われているのかということ。

湯飲み一杯180mlとしよう。
9000ml。2Lのペットボトル4本半。

あの分厚い装束を身にまとい、朝から晩まで9000mlの麦茶を飲みながら正座で経を唱え、痺れを切らす様子も見せず、たっぷんたっぷん感もない。

世の和尚たち、

もののけの類いだろうか?

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