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30年落ちのクルマを今更買うまでの顛末(主に希望条件がどうだったかの話)

ここでは始めまして。たくえぬ(@t_nr_neopower)という人です。
普段はツイでオタクやってますが、140字にするにはあまりにも長い内容とかを書き連ねるためにnoteを始めることにしました。
初回は去年30年落ちのP10プリメーラを買ったという話とそこに至るまでの流れとかそういう話。


買ったクルマについて


𝟏𝟗𝟗𝟑 𝑵𝑰𝑺𝑺𝑨𝑵 𝑯𝑷𝟏𝟎 𝑷𝑹𝑰𝑴𝑬𝑹𝑨 𝟐.𝟎 𝑻𝒆
KL0 シルバーメタリック
・メーカオプション指定なし
・ディーラーオプション3点キット(バイザー/フロアマット/ナンバーフレーム)

ご存知の人も多いかと思いますが知らない人のために簡単に解説。
プリメーラ(初代、P10)は1990年登場の日産FFセダンです。和製BMW、アウトバーンで200キロ巡航を目指して開発され、めちゃめちゃコストかかった足回り(フロントマルチリンク、リアストラット)とシルビアなんかと同じSR20を積み、しかも居住性は大人4人が快適に移動できるくらい広い(でもドリンクホルダーはない)といった、ある意味理想のセダンの体現みたいなクルマです。日産901運動の集大成。

かっこいいやろ。

そんなクルマを去年の晩夏頃にお迎えしました。
マイナーチェンジ後の2型(中期)で、オートマです。

それ以前は3月までこれまた同じころのK11マーチに乗っていましたが、諸事情で売却。

これもいいクルマでした。また乗りたい。

前置きが長くなりましたが、なんで今更プリメーラ買ったのっていうのとかそんな話です。


憧れのクルマだった

その昔、親父がHK11のあとにP10のの1型Te(たしか黒)に乗っていました。その後にER34に乗り換えたので、年数としては10年も乗ってなかったハズですが、息子の私としては幼稚園直前~小学校高学年までのあいだの家の車なのでめちゃくちゃ思い入れが強かった。
クルマのドアが2枚とか5枚とかではなく、4枚あることに固執しているのもだいたいこのせい。

免許を取った直後から、いつかはP10プリメーラほ欲しいし乗りたいなぁと言い続けて丸10年が経過。
中々条件とかタイミングが揃わず…
途中何年かは買うこと自体諦めたりもしましたが、希望条件を変えつつ細々と探してはいました。
5年前にマーチを買ったときも、今更プリメーラ買っても部品集まらないし維持が絶対無理じゃね?ってなってマーチなら維持できるかな~っていってマーチを探し始めた経緯があります。なおマーチの希望条件にリアディスクを入れていましたが、そのリアディスクと31V、そしてトミーカイラの外装のせいで普通に部品がなくて色々詰みかけましたが…。
K11前期の時点で流用できる部品も残ってる部品も少ないので大変かもしれない。

欲しいクルマと乗りたいクルマって別だよね

これは各所で度々言ってる事なんですが、”欲しいクルマ”と”乗りたいクルマ”、”欲しくて乗りたいクルマ”そして”実際に乗れる(買える)クルマ”はそれぞれ別なんですよね。
ちなみにぱっと思いつくところだと、

  • 欲しい :                   R33スカイラインGT-Rオーテックバージョン 40th Anniversary(4ドアのやつ)、ポルシェパナメーラ、エボワゴン、ミゼットⅡ改ベンコラMT2乗仕様、ブレイドマスターG、カローラアクシオ“GT”TRDターボ、他多数

  • 乗りたい:                HP10プリメーラ、涙目GDB、V37の400R、V8シーマほかいっぱい

  • 欲しくて乗りたい: K11マーチ(無事に乗れた)、コルトラリーアートバージョンR、そのほかいくつか

  • 実際に買える:        プレオ(乗ってる)、DEデミオスポルト後期MT(借りたこと何度かあるけどあのクルマは本当に良い出来)

こんな感じでした。見ての通り最初ほど憧れ度が高くて、最後は現実的なところということです。
欲しいクルマというのは憧れとはいっても、値段的に手が出ないとかだけじゃなくて、冷静に考えるとこのクルマいらんけどほしいな、、、というのも含まれるわけです。ミゼットⅡとかまさにそう。プリメーラは乗りたいクルマの位置付けでした。

前のマーチも手放したくなかった

3月にマーチを諸事情で手放すことになったときは結構悩みました。本当は手放さなくてもなんとかなるかもしれないけどちょっと厳しい、その諸事情が大半解決したところで趣味のクルマをもう一度探そうと思い立ち、最初にマーチを買い戻そうとしたくらいには。
でもせっかくなら他の乗りたいクルマにも手をだそうとなるわけです。内燃機関のクルマにいつまでのれるかわかりませんからね。

そこで、せっかくなら第一候補をプリメーラで、そのほか”乗りたい””に含まれるクルマも候補にいれつつ中古車サイトを漂うことおよそ一ヶ月半、本当に希望通りの個体が出現してしまったというわけ。

なお、プリメーラを契約した直後もマーチも買い戻し、プレオとあわせて3台持ちというのも出来る状況にはあったんですが、駐車場問題が解決しなかったのと、これ以上クルマ増やすなと怒られました…w
K11には諸々落ち着いたらいつかもう一度乗りたいと本気で思ってるので、組まずに終わったマニ他いくつかの部品は残してあります。次は後期のリッターMTとかボレロのリッターMTとかがいいな。後期のK11ならまだ5~6年後くらいでも余裕で乗り出せそうな気がする。
でもその前に、今はもっと安くてシバき倒して遊べるMTの軽が1台欲しい。


銀色は夜に映えるんですよね。

P10プリメーラを探したときの希望条件

探し始めた当初は一番新しければ20年落ち手前くらいでしたが、今となってはどうあがいても30年落ちです。となると妥協したクルマ探しは出来ません。
特に整備士でもなんでもなく、知識はあっても実経験がまるでないドシロートがこれから乗るには、部品も出てこなくなりつつあるベース車買ってレストアなんて簡単に言う事できませんので、必然的に条件は厳しくなっていきます。

グレードは2LのTeであること

別に2L車ならよかったんだけど、今更Teの外装を集めるのはまあしんどいし、マーチのときにアウトストラーダorG# を妥協してしまったのでトップグレードが欲しかった。2型を指定する時点でオーテックバージョンも選択肢から外れます。
1.8L車はリアがドラムブレーキになるので除外。わざわざ1.8L車にメーカーOPでABSつけてリアディスクにした変態仕様がないわけではないですが当然除外です。
5年前に探してたときは後輪も駆動してほしくてT4をメイン狙いで探していたんですが、その頃にU14ブルーバードのSSSアテーサ(P11プリメーラT4とガワ以外全く同じ、構造はP10時代と変わらず)に乗ってた知り合いがクラッチ交換するのに部品がどうやっても干渉してミッションが下ろせず、エンジンごと上抜きでおろしてからミッションと分離する必要があったとか、アクスルがそもそも右にズレてる仕様とかただでさえあまりよくない燃費がさらに悪いとかで次第に選択肢から外れていきました。
そのSSSアテーサとかP11ワゴンのG4なんかも乗らせてもらったことあって、ちゃんと4駆の挙動してめちゃめちゃ面白かったんですけどね。

マイナーチェンジ後の2型であること。(1型と3型は候補外)

ここにはちゃんと理由があって、1型だとリアシート倒せないしトランクスルーできないし助手席にPWスイッチついていないので不便。3型は3型では諸々のコストカットでちょっと残念なので。特に純正ステンマニとナトリウム封入エキゾーストバルブがコストカットで削減されたのが悲しい。後ほど調べたら、AT車はどうやら2型の後半の段階でバルブは真っ先にコストカットされたみたいですね…(2型前半を買ってるので結果的に良かった)
純正ステンマニに拘るのは社外と違って割れにくいのと遮熱板取り付けられるからです。

色は銀か深緑。

これは単純に好きな色が銀色だからですね。銀は汚れが目立ちにくいという点もあります。
P10の2型は銀がKL0シルバーメタリック、緑がDL0グレイッシュグリーングラファイトパールです。
KL0は例えばR32とR33前期、Z32ほか大体どこでも使われている色ですが、プラチナシルバーメタリックだったりスパークシルバーメタリックと車種によって名称が異なりますね。後の日産に多いKR4ソニックシルバーよりもかなり明るめの銀色になっています。(KR4はねずみ色に近い銀)
DL0は2型だけの採用で、3型へのマイチェン時にDJ2の普通のダークグリーンパールになっています。。
1型は深緑も銀もないけどイエロイッシュホワイトパールとかラベンダーメタリックがある。ラベンダーメタリックのP10とか現存してなさそう…

オートマ車であること

ドリ車の箱替えベースを探すときの考え方と同じで、綺麗な箱の個体を探しやすくするためにATで探していました。同じ程度の中古車でもこういう趣味性の高い乗り物はMTよりATのほうが安いことが多いです。
あとマーチ乗ったあとからの心情変化ですが、コンパクトより上のセグメントではマわざわざMTに拘る必要ないし、もはやオートマのほうがいいいじゃんなーていう。楽にクルージングしたいじゃんね。
あと自分の乗り方的に頻繁に変速自体しないので、MTである意味もないし面倒。クラッチペダル踏んでシフトレバーガチャチャやるのは楽しいけど渋滞にハマった瞬間ペダル一個消えてくれってなる。

当然ATが壊れるリスクは承知の上だけど、どうせある程度整備されてるか低走行車探すので、自分が乗ってる間のうちに爆破する可能性は低いし、最悪P10ならMT載せ替えも視野に入れられます。デフの有無はマーチのVミッションで苦労したのもあって考慮外にしました。結果的にE-ATのAミッションデフなしになったわけですが、これが正解だった事象が納車直後に発生する模様。

箱の状態が良いこと。

これは10年落ちだろうが30年落ちだろうがメインで乗っていくクルマならば絶対条件。プレオ(2/3台)とマーチで箱の悪さで泣きを見てるので…
実際盆栽になって年間数千キロしか乗らないにしても、長く手元に置いとくためには箱のレストアをしなくてもいいような個体、そして環境が必要。

記録簿含めた書類がちゃんと残っているのも大事。今までの整備記録がある程度わかれば扱い方等も自ずとわかります。物によっては過走行でもちゃんと整備されていれば全然良い。なんなら乗らなすぎるのも問題ですし。でも低走行車のほうがやっぱいい

できるだけノーマルっぽい&弄ってない&純正戻しをした感じではないこと。

この辺はまあ記録簿と現車確認でだいたい分かる。
弄ってあった個体なら、中途半端にノーマル戻しせずそのままのほうがどう乗ってたとかだいたい分かるので良い。もともと弄られてるのも多いP10プリメーラなので、ノーマル戻しでなにかを隠蔽とかありえなくはない話ですからね。

禁煙車であること。

わたしは煙より酒派です。ほぼ毎日晩酌を嗜みたいので、なかなか夜ドライブにいけない。

メーカーオプションは特に気にしない

ここは妥協点かつ安牌です。欲をいえば上述のVミッション(純正ビスカスLSDつき)であったりとか、6スピーカーのアクティブサウンドとか、それこそ横浜市民なので?サンルーフがほしいとかあるにはあります。
でも全部保守性を考えるとと現実的じゃないです。
だいたいそんな都合よい個体なんか出ない。10年待ってもいいタイミングでは出会えなかったんだから。
プリメーラはまあもともとメーカーオプションが少なくて最初から標準装備みたいなのが結構多いのでさほど気にならないというのもあります。でもP10はドリンクホルダーがそもそもついてないのだけは欠陥だと思う

できればドアバイザーはついていてほしい。

バイザーはあるとなにかと便利です。
付属品込みであとからバイザー探すのは意外と大変だし。
他のディーラーオプションだと、ピュアトロンとキーイルミは欲しいですね。どちらも他車種流用が効くので、そのうち探して組みたいところです。


10年のうちにちょっとづつ細かいところの条件変わったりはしてますが、大筋の部分はほぼ変わってません。


見つかった(買った)クルマのはこんなの

納車当日の写真。あまりにも綺麗すぎて実質新車

そんな感じでだいぶ拗らせた条件を通過して見つけたクルマ、すぐに現車確認しに中古屋へ飛んでいき、30分で即決。
2型のTe、KL0のATとこの時点でわりと完璧ですが、それ以上にこの個体を買うのに後悔しないだけの理由が以下。

プリメーラの中期にあたる2型は92年9月から94年9月までの2年間が該当しますが、その間の製造時期によってもちょっとづつ差異があり、半年後の93年5月にR134aガス化→同時期か8月頃にサイドシルのブラックアウトが省略される→11月頃にこっそりナトリウム封入EXバルブが使用されなくなり通常のEXバルブになる(カタログから記述が削除、実際はMTだけは2型のうちは使用されているとも聞きますがはたして)、あと途中のどっかで内装のコストダウンが行われ、さらにこの途中に1.8L車や2LのTmに日産60周年記念車も混ざるといった感じで、日産が暗黒期に入り滅亡しそうになっていくに従ってちょっとづつコストダウンが挟まっていきます。そして94年9月のマイナーチェンジで3型になると同時に一気にコストダウンが顕著に。

この個体は2型で93年7月頃の製造、R134aガスになりつつコストダウンが一切されていない(ハズ)の一番お金がかかっている頃の個体です。R12ガスも代替フロンも高いし、かといってレトロフィットでR134ガス化も諸々に負荷かかるらしいしここも好都合。
サイドシルのブラックアウトはされていませんが、Teの場合は純正フルエアロが標準のため、元々サイドシルプロテクターがついていて表面上ほぼ隠れるので別にいいです。

1オーナー車庫保管、抹消記録なし、車検切れてた期間も30年で2ヶ月だけ、雪や潮の被害も少ない静岡県内陸側某所からの出現。
そして総走行距離4万2千キロと超低走行かつ整備記録簿全てあり、なんなら新車保証書やワイパーレバーに下がってるタグとかまで残っていた。
すでにオルタとラジエータ、さらにはデスビキャップも一度交換済み。
ほぼフルノーマルで純正バイザーとリアナンバーフレームがついてて、
禁煙車。内装がめちゃくちゃキレイ。

希望条件通りどころかそれ以上の個体です。正直相場よりも相当高かったですが、現車確認だけなら無料だから…といいつつちゃんと印鑑もって見に行って当然契約。でもこれを買わないという選択肢はありませんでした…
こういうのは本当に運ですね。
私以外にも現車確認しにきた方がいらっしゃったみたいで、その人は金の工面と家族の了解が得られず諦めたとか。

壊れやすいデスビとかラジエータも一度変えてあるし(ラジエータはまた爆発するかもだけど)、30年落ちのクルマを今から乗るなら最善の選択肢だと思ってます。

ほぼフルノーマルというのは、ヘッドライトとナンバー灯だけ社外のLEDが仕込まれてて、そしてなぜか後ろだけロングハブボルトが組んであって8mmのスペーサーがはいってました。わりと謎。

最後に

こういう古い車探しは本当に運と勢いです。私は特に慎重に選んでますが、慎重に探しすぎた結果、いつまでも理想の個体に出会えずずっと買えないまま相場だけがあがっていったり。
逆に勢いだけで選んでも、本当にどうしようもなくボロい個体でレストアを諦めざるをえなかったり。でも一回は乗れたから満足、というパターンもあったり。

私ふくめ20~30代の人達で90年代のクルマが憧れだと、今が乗り始められる本当にギリギリ最後のタイミングだと思います。もう数年したら車両価格も維持費ももう手をだせない世界になってしまう(もうなりつつある)。
本当に強く乗りたいと思うなら、急ぎましょう。
でも、その1台で生きていくのは修理とか維持とか考えて乗れない期間がどうしても長くなったりでめちゃめちゃ厳しいので、そこそこ新しい足車は絶対に持っていたほうがいいです。
=最低限2台持ちできるだけの費用をちゃんと捻出できないのならやめておいたほうがいい。

いつまで乗れるかはわかりませんが、できるだけ長く乗りたいね。

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