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Web配信、YouTube収録に最適なマイク3種

急激にユーザー数を伸ばしつつあるWeb配信、そしてYouTube収録。会社で言われて無理やり始めた、という人も多いと思います。会社の公式配信・動画だったりすると、あとで「よく聞こえなかった」「はっきり聞き取れない」と言われるのは致命的。そんな人々のために、自信をもってお勧めするマイク3種。

マイクってカメラについてるじゃん?iPhoneので十分じゃね?

まあそうですね、特にiPhoneの内蔵マイクはその手のものとしては優秀だと思います。ただし!マイク(つまりiPhone本体)に近づいて喋ってる場合に限りますし、声を効果的に収録しようという目的でかなりいろいろ加工して取り込んでいるようなので、よく聞くと不自然なところがあります。

たいていのデジカメやビデオカメラにもマイクはついていますが、デジカメやビデオカメラでの収録だとどうしても話している人からは離れて撮っていますから、声以外に部屋の残響やノイズが入ってしまいます。ほんの数分なら我慢して聞いてもらえるかもですが、長時間となると聴く方が辛い、です。

ポイントは「どう聴こえるか」

そう、大事なポイントは聞く側の気持ちになること。はっきりくっきり聞こえているか。余計なノイズが入っていないか。部屋の響きと紛れていないか。特に人の声に関しては、人間の耳はとても敏感です。注意深く聞き取ろうとしますから、そこに余計な音が紛れていると聴いているうちに疲れてきます。

ここでお勧めするマイク3つは、「一番安い」ものでもなく、かといってプロの業務仕様に耐えるものでもないですが、

「聴きやすく」「使いやすく」「買いやすい」

はずです。それでも、買ってみてから実際に使ってみるまでに試してみてください。カメラやPCにつなげて録ってみて、実際にどう聞こえるかを確認してください。マイクもそれぞれかなり個性があり、音の拾い方にそれぞれ個性があります。状況によって最適なマイクを選んでください。

マイクの種類とつなげる機器

マイクには大きく分けて2種類あります。それは

・電源がいらないマイク(ダイナミックマイク)
・電源が必要なマイク(コンデンサーマイク)

コンデンサーマイクの方が押し並べて「感度が高い = 小さな音でも拾える」です。どちらかというとダイナミックマイクの方が使いこなしが必要です。ここで紹介する3つのマイクもコンデンサーマイクです。

コンデンサーマイクの電源も、大別して次の2種類の供給方法があります。

・電池内蔵
・マイクを繋ぐ機器から供給

2番目の、機器から供給される場合ですが、プロ・業務用はファンタム電源といって48Vという高い電圧で供給されます。デジカメやPCやスマホ(3.5mmマイク端子のついているもの)も実はマイクをつなげる用途で電源が供給されていますが、これは1.5Vから3V、高くても乾電池2本分程度です。当然ながらその二つを混在させることは出来ませんが、コネクタの大きさも形状も違う(プロ用はキャノン/XLR 3pinコネクタ)ので間違って繋ぐことは少ないでしょう。

覚えておいて欲しいのは、「マイク端子には電圧がかかっている」ということです。

さて、ではおすすめ3つのマイクを紹介します。

SONY ECM-PC60

一つ目は、SONYのPC用マイクです。

ちょっと大きさ感が掴めないかもしれませんが、このブームの高さは6 - 7cm というところで、ちっちゃいです。マイク先端部分もとても小さくて直径1cmありません。また先端部分はこのスタンドから取り外して、付属のクリップで胸元に挟むこともできます。

コード長は長くありませんが、延長コードが付属します(このコードはマイク専用でイヤフォンには使いまわせません)。

とても小さくて軽いのですが、音は割としっかりしていて、結構高い音まで拾いますし、感度も使いやすい程度の高さです。スタンドも、机において収録しても振動や机の音を拾いすぎることもないです。

胸元につけた場合は、ウインドスクリーンがないので、息がかからないように注意する必要はあります。

このマイクはPC専用とは書いてありますが、最近のビデオカメラのマイク端子には問題なくつなげられます。また最近話題の映像スイッチャー、 ATEM mini / PROのマイク端子にもそのままつながります。

スマホやPCのマイク端子がイヤホン端子と兼用の場合(いわゆる4極プラグ)は、4極をイヤホンとマイクに分離するようなアダプタを挟んでください。こういうやつです。

audio technica AT9904/AT9903

二つ目は、オーディオ テクニカの、胸元につけるマイク、いわゆる「ラベリアマイク」です。

これもかなり小さいですが、息がかかっても大丈夫なように、スポンジのウインドスクリーンがついています。またクリップがしっかりした作りで、マイクの向きも変えられますし、底面にあたるところにクッションがついているので、机の上に置くこともできます。

音も自然で、声をきれいに拾います。机の上に置いたときは流石に机の振動を拾いますが、胸元につけたときはコードの振動を拾いにくい作りになっています。なので、多少動いても雑音は入りにくいです。

これはこのままPCやビデオ・デジタルカメラ、また前述の ATEM mini / PROに直接つなげられますが、もし電源供給がされていない機器につなげるときは、電源アダプターのついた機種も用意されています。こちらです。


audio technica AT9921

3つめは、同じくオーディオ テクニカの、机の上に置いて録るマイク、いわゆる「バウンダリー(エフェクト)マイク」です。

机の上に置いたときに最適な収音ができるように設計されています。また、机の振動などを拾わないように対策されているので、机を挟んだトークなどを一つのマイクで録るのにむいています。

裏側に指向特性の切り替えスイッチがあり、全方位とマイク前方だけとを切り替えることができます。

全方位にしたときは感度も高く、確かに周りの音全部拾いますが、いささか少し感度が高すぎるかもしれません。エアコンなどのノイズも拾ってしまいます。部屋の残響も結構入ります。

前方だけにしたときはグッと感度は控えめになりますし、前方の人の声は自然に聞こえますが、繋ぐ機器がわで少し音量をあげたくなるかもしれません。ただ声の感じは近すぎず遠すぎず、聴き疲れしない音になります。胸元にマイクをつけられない場合(嫌がる方もいます)は、重要な選択肢になると思います。

このマイクには電源ユニットがついてきますが、前述の通り、PCやスマホ、デジカメ、ATEM mini / PROにつなげるときには不要です。つけていても問題ありませんが、電池の減りがわかりにくい構造なので外しておいた方が無難です。

Amazonにもっと安いのいっぱいあるんですが

当然の疑問だと思います。これらのマイクは、会社の備品としてなら決して高くはないと思いますが、個人で買うのは少し高いし、そもそも似たような形の製品で安いマイクは通販サイトに溢れています。

実はその安いマイクも、ここで紹介したマイクと大差ない性能を示します。あからさまに音が悪いものもそうそう見当たりません。ただし!一番違うのは「ケーブルの質」です。これが安いものだと、たとえば

断線しやすい

ヨレがでやすい

触ったときにマイクにノイズが入る

最近試したマイクの中で、音はでているので断線はしていないものの、どの機器に繋いでもハム音(ブーンという低い音)が出るものがありました。おそらく、信号線の一部が剥き出しになっているか、そもそも遮蔽(シールド)されていないので周辺の電磁ノイズをひろってしまっていたのかと思います。これもまさにケーブルの品質が悪いと生じる問題です。マイクから出力される電圧は数ミリボルト、つまり乾電池の1000分の1とかなので、きちんと対策されていないと簡単に外部の電磁波の影響を受けてしまいます。

またマイクならではの問題として、3番目のものは、ケーブルの品質が「硬すぎる」ために起きることが多いです。この辺は、上の2社3種のマイクは、流石に老舗マイクメーカーらしく対策されており、ケーブルはヨレにくくしなやかでかつマイク取り付け部も本体からちゃんとゴムブッシュなどで分離されている作りになっています。

コストってそういうところで出やすいんだと思います。特に会社の仕事で使う場合は、そういったメーカーの製品を強くお勧めします。





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