あおいもの and/or まるいもの 球体
完全な球体について
詩うことは難しい
詩をつくる時
傷や揺らぎや柔らかさを足がかりに
対象を登ってゆくのだが
どうも完璧な球体は
ころころと
どこまでも転がっていってしまい
見習いの詩人を寄せ付けない
数式という美しい言葉で語るのは
本意ではないし
心の箱に入れようにも
隙間ができて収まりが悪い
シャボン玉なら かわいげがあろうに
水晶玉なら 使い道もあろうに
この純粋な球体にはほとほと手を焼いてしまう
今日も周りをうろうろしただけで
終わってしまった
『べそっかきとびむしの涙』より一部改変
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