20191207茨城大学D-project前半-1

どうしてSTEMじゃなくてSTEAMなの?

Art(芸術)?

画像1

「STEAMやってます」と言うと,「Aどうしてます?」と訊かれます。「A」は「Art(芸術)」で,授業にどう取り入れるのか確かに悩みました。そもそもその要素が必要なのかも含めて。それでもあえて「A」にこだわって2年ちょっとやってきて,「あ,そういうことなのかな」と思えてきたので忘れないうちに書いておきます。

はじめは

はじめは,「せっかく良いアイディアがあっても,それを上手く伝えられなければ意味がなくなってしまう。だから伝えるためのデザインは必要だし,Artは必要なのです。」と説明していました。

テキストがダーっと並んだパワポ画面見ていると,せっかく良いこと言ってるのにもったいないなあと思うことがあります。得てしてそういうプレゼンは中身も良くなかったりなんかもしますけど,中にはこれでもっと資料が見やすければ印象が違うのになあと残念なものも。

だからちゃんとデザインも考えようと「A」を入れてました。本校は恵まれていて,高校2年のSTEAMの授業には美術の教員に入ってもらえています。その教員のアイディアや指導にかなり助けられているのを実感しています。自分だけだとかなり感覚的なところに頼ってしまいますが,ちゃんと理論もあり,実践もされている方に加わってもらっていることは大きな力です。

続けてみて

画像2

なんか説明がしっくりこないまま続けてきて,ここしばらく「Create(創造)」にこだわって授業を作ってきました。そこで気づいたのは,今までの「課題」とはちょっと変わってきているなということです。

今までの授業の「課題」は,先生にやれと言われたのでこなして提出するものがほとんどでした。そもそもの課題設定も拙かったのでしょう。対象もあくまで先生で,決められた条件を最低限満たしたもの。

ICTが導入され,課題を提出するメディアも画像や動画,プレゼンテーションなど多様になってきました。iPadだけでなくiPhoneを使うような一人複数台環境も可能になり,アプリも課題によっては特に制限なしにできるようになりました。さらに教員に提出もしますが,提出すると同時に共有フォルダに入るのでお互いに課題を見ることができます。対象が教員だけでなく,同じクラスの仲間にもなってい流のです。なんなら自分でYouTubeなどに公開もできてしまう。

課題から作品へ

こなすためにやっていた「課題」が,どうやら課題を通して自分の創造を表現した「作品」に移行してきたように感じています。まだまだすべてが「作品」とは呼べないとは思います。そこはこちらの設計に改善の余地がたくさんあります。

とはいえ,決められた条件を満たすなんていうツマラナイものではなく,そんなことをヒョイっと飛び越えて,こちらの想像を遥かに超える「作品」に出会うことが増えました。

生徒が作品を創造するからArt

画像3

ようやく何となくわかってきたのは,Artを教えることが目的ではなくて,生徒が活動を通して自己表現としての作品を作るからこそSTEAMなのかなということ。いくらデザインを教えても,デザインに拘れと伝えても,それはSTEAMではなくて,生徒のアウトプットが作品(Art)になってないと意味がないのでしょう。これから私たちが目指すところが見えてきました。

STEM? STEAM?

じゃあSTEMはダメでSTEAMがいいの? そんなことはないし,正直どっちでもいいし,言葉や定義にこだわってるのは教えている方だけなのですよね。私たちが取り組んでいることをSTEMと言われてもいいし,STEAMでもいいし,いやどちらでもないでもいいと思ってます。ただ,アウトプットを単なる課題ではなくて作品にできるように,そこは追求します。



もしサポートいただければ,STEAM教育開発のために大切に使わせていただきます!