表面張力欠乏

満たされると面白くなくなる

ゲームのエンディングを迎えたくない

あの時の気持ちに似ている

過程こそが楽しいのだ

あふれるほど満たされると

何も出てこなくなる

詩に魅力がなくなっていく

悲しきモノの言葉は美しい

取捨選択に無駄がない

逆算していきながら選ぶのだ

わざとコップを傾けたい

傷つけて欲しい

自らは怖いから人にやって欲しい

何気ない言葉でさりげなく

うんと懲らしめてくれ

また良い詩を書きたい

マグニチュードで揺らしたい

心の奥底までぐらんぐらん

こちらを向いとくれホトトギス

旅に出かけよう

揺さぶられにいこう

古き都の探索

醜いアナグラを見つけたい

迸る炎に汁を垂らし

浮かび上がる鬼が見たい

退治するために吉備団子を買う

もう一度業火の中へ放り込む

出来立ての芋のように扱う

口元へ運び

かぶりつき

こぼしていく

またこれで良い詩が書ける

常に満たされない人生をしゃぶる

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