茶子とペンケース
12色の仲良し
ぼくの役割は白
一番出番が少ない
茶子はぼくだけを呼ぶ
画用紙に写らないモノを描く
躊躇もなく殴る
一筆書きというらしい
順番にいなくなる仲間
いつもぼくだけが残る
茶子はよく笑う
あの雲のように形のないものが好き
汗がしたたる指でぼくを運ぶ
今日も出番だと
一流ホストのように彼女の元へ
他の人たちが嫉妬するなか
ぼくを使ってくれる
たまにはいいじゃないか
ぼくだって役に立ちたい
茶子はよくたべる
感情を暴飲暴食する
茶子はクラスの人気者だ
「咀嚼しないとダメだよ」
注意しても聞きやしない
茶子は今はいない
新しい街へ旅立った
ぼくも今日で役割は終わり
えらばれないといみないんだ
おとなになるってそういうこと
こどものままでいてほしい
さびしいけど
つぎのまちであおう
12しょくのぼくたちは
いつでもまってる
こどものままのきみたちを
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