「小説感想」 #塚森裕太がログアウトしたら
私がなんとなく手に取ったこの本を読もうと思った理由は、物語のプロローグ部分での比喩が非常にわかりやすく、心に刺さったからです。この物語は塚森裕太という人物の述懐から始まります。同性愛者である塚森裕太は、周囲が受け入れてくれるだろうことを半ば確信しつつ高校三年生まで自身の価値観をだれにも明かすことなく過ごしていました。彼はそれを、ガスマスクを着けているとか、宇宙ステーションにたどり着くも宇宙服を脱げない状態とか、塚森裕太というアカウントにログインしていると表現していました。ここ