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【本レビュー】貴族とは何か―ノブレス・オブリージュの光と影―

貴族とは何か。特権を持ち、人々から搾取して生きる者たちのイメージだろうか。
視界、本来貴族とは社会全体に対して果たさなければならない責務が伴う存在である。軍務や人々の生活を豊かにする責務があった。
本書では西ヨーロッパの貴族を中心に世界の貴族の変遷を扱う。
といっても、中国や日本でも貴族がいたが、中世には衰退しており、インド、アフリカ、アメリカでも貴族はそれほど台頭しなかったので西ヨーロッパの解説がメインである。

フランスとドイツ

フランスやドイツでは革命の影響で市民層が成長し、貴族たちの力が削がれた。さらに第一次世界大戦ではもはや貴族による少数の軍では戦力にならず、総力戦の時代になり、国を守るという責務は貴族のものではなく、国民全体の責務となった。こうした流れがあり、大戦後は貴族たちの姿は消えた。

イギリス

ヨーロッパの貴族が姿を消したが、イギリスだけは違った。第二次世界大戦後も生き残り、世界で唯一現存する貴族院を維持している。貴族院の改革の動きはあるが実行されていない。

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