思い出の物質化

写真を撮るのが好き。「目に焼き付ける」、「脳裏に刻む」なんた言葉があるがあいにく僕の目も脳も書き込み上限はとうに超えている。

だからこそ写真を撮る。写真は目の前の景色と共に友達との会話、空気の匂い、周りの音、その瞬間の全てを保存する。思い出の物質化だ。

そして写真は特別な鍵でもある。普段は頭の奥底の鍵のかかった部屋に入れられた思い出。意識しないとあることさえ忘れしてまいそうな部屋。そんな扉の錠前を開けてくれる鍵だ。写真を見ると扉が開く。それと同時に部屋の中の思い出が一気に頭中に飛びまわる。その勢いで隣の部屋まで開けてしまうこともある。

写真をたくさん撮るとその分だけ思い出も増える気がする。だから写真を撮るのが好き。

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