ねこ

実力は評価であり、他人からの評価は錯覚である - 人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

人の認知は直感に支配されている。他人からの評価を得るためには実力や運以上に、それらを評価させる能力が必要。それが錯覚資産である。
本書では認知心理学の観点から人間がいかに無意識に認知を歪めているかを説明しながら、錯覚資産の重要性を実例とともに語っている。
本記事では特に気に入った2つ理論について考察とともに記述する。

# ハロー効果

ある人の一つの属性が優れていると、その人自身が優れてしまうと考えてしまうこと。逆に一つの属性が劣っていた場合に、その人自身が劣っていると考えてしまうこと。
例えば、所属社員が技術社員に多く登壇しているIT企業は事業内容に関わらず、「強いエンジニアがたくさんいる企業」と判断してしまうのもハロー効果です。
ビジネスマンはハロー効果をすぐ活用できます。
過去に自分が少しでも関わったプロジェクトの成果をいかにも自分が中心的役割を担ったという風に説明します。 そこに数値や具体的立ち回りの説明が入れば、事実は1人の作業者として参画していただけでも、この話を聞いた人には「○○のプロジェクトに関わったすごい人」と見えるでしょう。
まず他人には自分の評価を下げる発言をするのはやめよう(=逆のハロー効果の防止)、過去の実績をさり気なくアピールして実力以上の評価を得ましょう。

# 認知的不協和

現実において矛盾を感じた場合に、その現実に対する認知を変えることで矛盾を無意識のうちに解消してしまうこと。
例えば、本当は結婚したいのに結婚できないときに、結婚のデメリットをあげて、あえて結婚しないというマインドセットにしてるのは認知的不協和の解消が働いています。
仕事をしていると、本当は今何が自分自身がしたいのか?というのを忘れがちです。本当はお金のために仕事を始めたのに顧客のため、会社のため、同僚のためと目的を置き換えてはないでしょうか?
ストレスを感じたときは大体、認知的不協和に対して脳が戦っているときです。ちょっと悩みがあったらこの言葉を思いだして無意識に支配されないようにしましょう。

実力とは他人からの評価なんだな

「実力はあるのに他人から評価されない」このワードも認知的不協和の解消である。
そもそも実力とは何なのだろうか?と考えたときに、自分自身が技術がある、知識があると考えて満足するのは自由だが、社会生活で捉えた場合に実力は他人が決めることである。
他人からの評価を得るのは難しい。人それぞれの評価軸も異なるし時や場合によって評価を得られる成果は異なる。最終的にはハロー効果を得るのも運によるものが多い。

評価されるチャンスを増やす

本書では運を明らかに向上させる方法として、正しい挑戦をし続けて成功や失敗をできるだけ多く積み上げることと書いている。
正しいというのは闇雲に挑戦するのではなく、自身の価値観に対して相違がなく、目標に対して筋道が通っていることであると解釈した。
成功のための運を掴むために、挑戦のサイクルをなるべく短く小さく回していく必要がある。まさにアジャイルな戦い方である。

まとめ:錯覚すると知っていることが重要

認知心理学の理論を説明していたが、これらを第一に考えて行動を変えていくのはすごく人生がつまらなくなりそうな気がする。少なくとも私は錯覚資産を作るために○○しようなどは思いたくない。
理不尽な人と接した時や、人生の目標に対して絶望を感じたときなど、一度冷静になってハロー効果や認知的不協和の理論を思い浮かべて「ああ、錯覚してるだけか」と納得することができれば楽になると思う。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?