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ぼんやりカード考察《進化した潜伏工作員》

はじめに

1枚のカードについて、深く掘り下げる機会を得たくなりました。
そうすることで、そのカードを自分がどう扱うか、相手に使われたらどう返すか、といった理屈を自分の中に作りたいのです。

カードゲームというのは大して考えなくても遊べるものです。
しかし、それだけだと後が苦しい。
相手の出すカードに対して適切なプレイで返さなければ、どんどん敗北に近づいてしまうでしょう。負けて楽しいわけがない。

このカードにはこれとこれが対策として使える。
環境にこのカードがあるということは自分のデッキのこれを対策として充てよう。適切な対策がないようならデッキに組み込もう。
そういった、ぴしりとした理論構築からデッキやプレイを選択する基盤が欲しい……。

なので考察をするのです。
まあしかし、私はカードゲームのプロというわけでもなし。
あくまで、考えを吐き出して理論構築の材料を揃える程度でよろしい。
よしんば理論が揃わなくても、今の考えが出せればよし。

はい、というわけで。
カードの考察をします。
まあ適当なので気楽に見ていってください。

※執筆時点のスタンダード
「イニストラード:真夜中の狩り」〜「団結のドミナリア」(5セット)

《進化した潜伏工作員》

《運命の大立者》の系譜に連なるカード。
マナを注ぐことでサイズアップ・クリーチャータイプ・能力・ドローを得る。

類似カードの中でも各マナコストを低く抑えられており、非常にプレイアブル(実用的)なカードに見える。
細かくマナを使えるので、余分にマナを余らせるという損失を減らせる見込みが高い。
また、特筆すべきは3マナ起動のドロー効果。
マナ効率だけ見ればドローアーティファクトの《ジェイムデー秘本》を上回る。
(召喚1マナ+1番目と2番目の能力起動計3マナ=4マナ。ドロー効果起動が3マナ)
(《ジェイムデー秘本》は古いカードなうえに上位互換がスタンダードにいたことがあるけど知らなーい)
反面、能力語については接死のみと、類似カードに劣る。
加えて成長速度も、高マナコストを払った瞬間跳ね上がる類似カードとは異なり、緩い成長曲線を描く。

このカードについて考えるため、《運命の大立者》系列のカードについて分析してみたい。
彼らは、マナを注ぐことで最終的に1マナとは思えない強力なクリーチャーを作る。
そしてその際にカードの損失はない。
このことから、マナを使う=テンポは損をする、カードを使わない=アドバンテージには優れる、と言えるのではないか。
すなわち、このカード並びに《運命の大立者》系列は、テンポ重視の速いビートダウンよりアドバンテージ重視の遅めのミッドレンジに合致したデザインなのではないだろうか。
特にこのカードはこれまで行われなかった直球のアドバンテージ、つまり単純なドローを能力として得ている。
これらから、本質的にこのカードはアドバンテージ勝負をするカードなのではないだろうか、と推測する。
もちろん、成長するクリーチャーということで戦場の主導権を握る=攻撃に向かわせることも考えられる。

クリーチャー・タイプについては「人間」「クレリック」がサポートを受けやすいだろう。
これは下環境で使いやすいクリーチャー・タイプだ。
クリーチャー・タイプの獲得についても起動マナコストの低さが安定性をもたらすと考えられる。

MtGはカードプールの中でプレイアブルなマナ域が狭いことも多い。
その中で1マナ召喚、起動マナコストが1マナ・2マナ・3マナと細かく刻んでいる点から、使用マナの総計より軽いカードのような使用感を得るかもしれない。
テンポ良くプレイできれば実質的なマナコストは2.5程度(2マナ域より重く3マナ域より軽い)の3/3接死と見た。
(土地が2枚で止まっても3/3にはなれる。しかし土地が3枚ないと他の行動が取れない。といった塩梅か)
(あるいは1ターン目に召喚、2ターン目は他のことをして3ターン目に一気に3/3に、とすると他の行動を取るマナが残らないから)

マナコスト自体は低いが黒マナばかりを要求するため色拘束がやや重いこともあるか。
多色デッキでは思い通りに動いてくれないかもしれない。
黒単が最適なのは間違いないだろう。
他の色と組んだ際にどこまで邪魔しあわずにいられるかは未知。

元は1マナでありながらドローエンジンにまでなれるのは驚嘆。
システムクリーチャーであるため相手に除去を強いている。
しかし、このカード自身は元は1マナのクリーチャーに過ぎないため、下手な除去を使われても損をさせやすいのではないだろうか。
戦闘による破壊も、対応してのサイズアップと接死カウンターで損を押しつけやすくなるようにデザインされている。
ここでもアドバンテージ系のカードであることを感じる、すなわち相手に損を押しつけやすい。

考えをまとめる
・マナコストの軽さから間隙で使いやすい
・ドローエンジン
・1マナのカードだがシステムクリーチャーであるため相手に除去を強いる
・相手に損な交換をさせやすい
・色拘束は重め
・サイズアップはするがクリーチャーとしての性能はそこそこ止まり

グルールはどうするべきか

私はグルールをよく使うので、相対的な考察はグルールで使うものとして取り組むようにしています。

損が大きいので相手をしない、と言いたいが……。
《絞殺》かな……、プレインズウォーカーにも睨みをきかせられるし。
3/3以降のサイズアップは3マナ必要なのでやや重い、その分対応されづらいのでタフネス3を狩れるカードから考えたいところ。
マナ消費とのトレードを考えると、3/3になったこのカードは4マナを使っているので、1マナとマナコストの低い《絞殺》などはテンポ得に繋がるかもしれない。
除去はしたい、カードは使いたくないが状況によっては仕方ない。

グルールは、基本的には直線的にライフを狙うテンポ寄りのビートダウンだ。
それが除去=アドバンテージ的な行動をする際には、それすなわち勝負どころと言ってもいいだろう。
……1マナのクリーチャーに除去1枚使いたくね〜。
でもグルールはほとんど地上しか走れないから接死でキャッチ&道連れされちゃうんだよなー。
サイズアップもシンプルにこのカードによって止められるクリーチャーが増える点が痛い。
まさに「損なトレード」を強制されやすいところが難点になっている。

カードを使っていいならいくらでも対処できるが、1マナクリーチャーとのトレードというのが嫌な選択。
マナも使うから時にテンポ損すらしてしまう。
可能なら何かのおまけで処理したいところ。
先制攻撃で一方的な戦闘を押しつけて殴り続けられるなら気にならないだろうが、そのプレイアブルな先制攻撃というものはグルールにあまり配られない、《結ばれた者、ハラナとアレイナ」は素のパワーが2で耐えられやすい……(そして接死で返り討ち)。
《巨竜戦争》は全体2点火力であり設置ついでに除去ができて要件を満たすようだが、起動マナコスト2マナで3/3にサイズアップして躱される。
確実性高いのは《食肉鉤虐殺事件》X=3だろうけど、グルールに黒ダブルシンボルは入らないな……。
チャンプブロックしてきたところを《タミヨウの保管》で破壊不能を付与すれば相討ちを免れるが、アドバンテージ的には貴重な手札のインスタント使った分ほぼ1枚損みたいなものかな……。
カード使いたくないけどカード使わない処理ルートがないか。
厳しい……。
サイズアップに時間はかかるからその間にライフを削って相手ライフにプレッシャーをかけるのが無難な選択かもしれない。

おわりに

以上。
たこめがねの考察でございました。

このたび考察を深めようとしたのは「除去できるから不利ではない」「弱そうだから無視していい」といった根拠薄弱な対策をしてしまわないように、理屈という背骨を作りたかったからです。
対策とは、まず理屈ありき。

「団結のドミナリア」からカードアドバンテージで黒が少し抜け出した感じがありますね。
しばらく黒のカードについて考えることになるかな。

今回の記事はここまで。
こういった雑多な考察は今後も上げるかもしれません。
次がありましたら、その時もどうぞよろしく。
お読みいただきありがとうございました。


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