バーティカルなスモビジからはじめるスタートアップのススメ
こんにちは！最近若手の方中心のイベントによく顔出してます。
そこで会う起業志望者の方に下記の2パターンの方が多いなと感じました。
シンプルに「やれる領域がない…」と悩んでいる方
僕から見て「これは難易度高すぎるんじゃ…」と思うような事業内容をやろうとしている方
SNSに露出あるスタートアップの9割はキラキラした事業内容に見えるこの世の中。こうなるのも分かります。
その中の選択肢としてダサく見えてもあえて、
バーティカルなスモールビジネス(スモビジ)からスタートアップ起業をはじめてみるのも悪くないんじゃない？
と常日頃思っているので、今日はこのテーマについて書いてみます。
バーティカルなスモビジってなに？
簡単にいうと、バーティカルなスモビジ↓
ある領域/業界特化(=バーティカル)で、
多くの人がやっていて手法が確立されている労働集約系の事業(=スモビジ) 位に思ってもらえたらと思います。
具体的には、コンサル、営業代理店、人材紹介、広告運用、イベント、開発受託等などがスモビジにあたりますね。
特徴としては、初期からマネタイズしやすい、初期資本そこまで不要、一方それだけでは指数関数的に成長が難しい、あたりです。
ここではそれを領域特化でやることをバーティカルなスモビジと指すことにします。なので、「不動産会社向けのコンサル」、「林業特化の人材紹介」、「美容系特化の広告運用」等が例になります。
最近スタートアップの中でもより「稼ぐ力」が重視され、調達の時も売上、利益が最低限ないと厳しいという声が聞こえてくる事も増えました。
その中でスモビジ再評価の流れも感じますが、他にもバーティカルなスモビジをやると良い大事な理由があるので書いてみます。
バーティカルスモビジからはじめるといい理由
いくつもありますが、この2つが圧倒的に大きいです。
リアルな業界構造、業界知識、顧客の声を得る事ができる。
顧客基盤、取引先基盤を中心に「アセット」を作る事ができる。
業界構造や主要プレイヤーが誰でみたいな話は、本を読んだり業界人に何人か会えば取得できます。
一方、各社のリアルなパワーバランス、人材レベル、会社間の癒着レベル、業界内からの評判、業界の潮目の変化。
こういった情報は自分達で事業をやって、そこに腰を据えないと中々取得できません。
あらゆるビジネスで大事なのは「金脈」を見つける事。事業のネタ探しレベルの情報収集では金脈を見つける事は相当難しいです。そのレベルで見つかるならみんなもうやっている事が多いです。
深い一次情報を得る手段としてバーティカルなスモビジは有用です。
次に顧客基盤、取引先基盤の話。
前提としてスタートアップ的なビジネスの多くはとても作るのが難しいです。例えばBtoCのプラットフォームを作るとします。
そこに必要なのは資金調達、システム開発、キャッシュポイントの明確化、C側の初期ユーザー集客、継続率の担保、初期のB側獲得、使用頻度を保つ仕組み、バイラルの仕掛け、CS、そして自社人員の採用…
考えなければいけない事、やらなければいけない事が無限にあり、これをある程度同時並行で進めなければいけません。
これを0から作る、普通に考えて滅茶苦茶に難易度が高いです。
それが同領域でバーティカルなスモビジをやっている場合、この内のいくつかをスキップないし軽減する事ができます。
スモビジで集めた取引先に対し新規に作ったスタートアップ的プロダクトを売り込む、スモビジで集客したユーザーDBの中でプロダクトの初期ユーザーを探す。既に業界知識を得たメンバーでプロダクト開発する。など。
0からはじめるのに比べ難易度を下げる事ができます。
実はやってる人多いです。
僕の周りでも最初スモビジからはじめてる人はめちゃくちゃ多いです。
工場向けのコンサルから事業をはじめて、工場向けのSaaSに移行したり。
有名なところだとラクスルも今の印刷ECプラットフォームになる前は印刷比較サイトから事業をはじめています。
創業翌年の2010年4月、ラクスルは印刷通販の価格比較サービスサイト「印刷比較.com」を立ち上げた。当時は現在のEコマースモデルではなく、シンプルな価格比較サイトからのスタートだ。
これだけは気をつけましょう。
書いたように、キラキラしたものが目に入りがちなスタートアップ業界ですが、実はスタートアップとして爆速成長してる会社も意外とスモビジやってます。
なので、もっと堂々とスモビジやる会社が増えてもいいんじゃないかなと思って今回noteを書いてみました。
注意点としては、何も考えずにスモビジはじめるとエクイティでの資金調達は結構難しいです。
「将来こうしたいんですよね」、「こうなったら面白いと思うんですよね」、「なので今これやってます」的な事は考えておいた方が無難です。
というわけで以上、バーティカルなスモビジからはじめるスタートアップのススメでした！
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？