1月17日お迎えの車(詩)
ドイツの大衆車と言われている
その車は
私の若い頃からの憧れだった
夏の暑い日
緑色のワンピースを着て
私は迎えを待っていた
アーケードの片隅で
初めて彼はその車で迎えに来た
いつもは社用車だったから
乗っている車が変わると
なんだか全ての雰囲気をも変える
不思議な気持ちがした
2度目にその車に乗り
まだ雪の降らない
鴎の飛ぶ船に乗り
ただ純粋に
その時を緩やかに味わった
…
複雑な心の中は
冷静沈着な様を作り
1人の部屋の中で
ストーブの音と
パソコンを叩く音と
私の独り言と
窓の外の吹雪と
共に世界が進み
大きなうねりを持って
見えない波が
大きく押し寄せていることを
その船に乗り
舵を取るものを得て
そして
彼と私は
その船に乗った
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