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【0037】 癒しと救い

『ゲド戦記』という物語がある。

随分と前に、ある人から読んでみるといいと勧められた。

買って、読んでみたが、そのときはどうにも読み進まなかったので、途中で読むのをやめてしまっていた。

最近、その方が発行しておられるメルマガで、再び『ゲド戦記』が勧められていた。

そこには、

「人間はどうしても救いを求める。自然や動物の仕草に救われているように見えるが、それは違う。それは癒しであって、救いとは違う。感情の通じる人間がそこにいることで、私たちは救われるのだ。人間は人間によってしか救われない。また、人間は自分の醜さを認めない限り、人間にはなれない。ゲド戦記はそれを伝える物語だ」

という趣旨のことが書いてあった。

自分が人間になるために、改めて読んでみようと思ったのはもちろんのことだが、「癒しと救いは違う」というフレーズが妙に気になった。

「癒し」そのものが悪い訳ではないと思うが、「救い」を求めているときに、「癒し」で浅はかに終わらせてしまうことのないようにしたいと思った。

人間の根源の部分を、すり抜けで誤魔化すような行為に思うからだ。



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