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授業づくりの苦しみからタッキー先生を救った、先輩の言葉



苦しみの日々


今でこそ、

本を出版したり
講演をしたり
飛び込みで授業をしたり と、

多くの先生方に向けて 授業づくりについて発信している
タッキー先生ですが、

実は、若い頃には 「どうやっても授業が上手くいかない!」 という
苦しい日々があったんです。

教員5年目、5年生の担任

朝は毎日、3時半起き
起きたらまず その日の算数の板書案づくり
学校に着いたら 一度板書する

でも、いざ授業が始まると
だんだんと子どもの表情は曇り
中には、ボーとし始める子も

結局、授業が終わる頃には
私も子どももヘトヘト

力を入れて算数の授業をすればするほど、
なぜか、私も子どもも 算数を嫌いになっていきました。

いったい、何がよくないのだろう
どうすれば、もっと、子どもが楽しくなる
算数の授業ができるのだろうか

そんな苦しい日々は、
まるで外に出られない、真っ暗なトンネル
入ったような毎日でした



光が差し込んだ 先輩の言葉


そんなある日、
日々の自身の苦しい胸の内を
ある先輩に漏らしました

「子どもが学びを自分たちでつくっていけるように

 毎日、朝早くから教材研究して、
 授業中は私があまり口を出しすぎないように
 気を付けてやっているんですけど、

 なかなか、子どもが自分たちで学びを深めていくような授業が
 できないんですよね…。

 かと言って、私が出しゃばって
 子どもを誘導して納得させるような授業はしたくないですし…。」

私の この言葉に、
その先輩は はっきりと こう 告げました。

「何か、勘違いしてない?
 経った5年目で偉そうなことを言っちゃあだめだよ。

 ”誘導して納得させたくない”だって??
 やれるもんなら、やってみなよ。

 子どもなんて、こっちが本気でやったって
そう簡単に誘導して納得なんてさせられるもんじゃない。

 めいいっぱい出しゃばって、
 思い切り誘導して、
 それでちゃんと納得させることができてから、
 その先のことを考えてみたら?」

この言葉を聞いたとき、まさに、頭をガンッと
殴られたような衝撃がありました。

私は、自分にはまだ技術も何もなく
未熟であるにもかかわらず、

「子どもが自分たちで学びをつくっていく授業」
「教師がいなくても、子どもが自ら学びを深めていくような授業」

そんな理想ばかりを抱き、
結局は、授業中に何もしないで、
子どもに丸投げしていたということに気付いたのです。



変わり始めた授業


そこからでした。
見る見るうちに、自分の授業が変わっていったのは。

私はまず、全力で子ども同士の話し合いに
教師が入るようにしていきました。

やってみると、確かに、先輩の言う通り、
子どもを誘導することなんて
そう簡単にはできませんでした。

ところが、
何度も何度も
手を変え品を変えやっているうちに、

「こうすると、子どもはこうやって動くんだな」

そういう手応えを感じ始めたのです。

そこで分かったことは、
子どもは直接的な指示では動かないということ。

結局、
「やりたい」
「考えたい」

と思ったことにしか、
子どもは本気で動き出さないということでした。

先輩が私に伝えたかったこと

それは、きっと
子どもを動かすには
教師の確かな技術が必要だということ

そして、それは
子どもの心を動かす技術だということ


ICTがどんなに進化しようとも
学びの形態が変化しようとも
教師には、子どもの心を動かす技術が必要です

それは、授業だけではなく
学校教育のあらゆる文脈で必要になるもの

それを身に付ける努力もせず、
自己投資もせずに

環境だけ整えればいい
よい教材を与えればいい
子どもに任せればいい

それは、教育のプロとして
自分の仕事を放棄したも同じなのかもしれません

だからこそ、私たち教師は
今日も学び続ける必要がある

今の自分に満足せず、
常に自分を更新し続けられるように


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