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【新聞記事】「競争・負担・超少子化」の韓国での愛のゆくえ

令和6年はうるう年なので2月29日がありました。
その2月29日(木)の新聞記事から


0.72だそうです

率を発表している国のなかで、たぶん最下位かな。
たしかシンガポールよりも低かったような。
首都ソウルだと0.55で、これはどこの国でもそうなんでしょうけど、大都市は軒並み低いっすね。

なんでそうなっちゃったのか、その背景なんだけど、同日の朝日新聞の1面の記事によよると、主な要因として

  • 長時間労働

  • 子育てと仕事の両立の難しさ

  • 女性への子育ての負担の偏り

だとか。
・・・なるほどですね。

あと、極端な一極集中。
記事によると〈韓国では全人口のほぼ半数がソウル首都圏に暮らす一極集中が続いており住宅価格が高騰〉ということも関係しているみたい。

ちなみに日本もよその国のことは言えず、「首都圏に約4,500万人」だから似たりよったり。とくに東京圏での住宅価格の高騰は壊滅的だ。

また、〈学歴社会と教育熱も、少子化を加速させる大きな要因〉だとか。

「子育てをきちんとできない母親」のレッテル

朝日新聞の記事の続きが3面(総合)にもあって、こちらの記事によりますと。

(学歴社会・競争社会の韓国では)ソウルの有名大を出て大企業に入ることが「成功」だという価値観が根強く残る。その狭き門をめざすプレッシャーは親にものしかかり、「勝ち抜ける」子どもを育てないと「子育てをきちんとできない母親」のレッテルを貼られる〉

令和6年2月29日(木)朝日新聞3面(総合)

有名大学を卒業して、さらに一握りの安定した職(大企業の正社員)に就かなければ負け。
負けたら最後、一生、経済的な不安に怯えて暮らす羽目になる。
もう二度と浮かび上がることはない。

・・・となりゃ、そりゃたいへんだ。

母親も必死だ。
激烈で熾烈、苛烈な戦いに挑み、母も子も勝ち抜かなければならない。
繰り返すが、負けたらたいへんだ。母親は、決して消えることのない母親失格の烙印を一生背負う。

すべての運命は「子どもが有名大学に入れるかどうか」にかかっている。
なので子どもはむちゃくちゃな塾漬けの日々となる。
子どもも必死だ。

この生活パターンだと、めっちゃカネかかりますねきっと。
教育費はいうに及ばず、そんでもって、住宅価格も高い。
教育費にカネがかかり過ぎちゃうから、果たして家を買うことなんてできるのだろうか。
賃貸に住むとしても、きっとそりゃ家賃も高額なんだろうな。

だから関心はおカネだけ。
おカネがほしいの、とにかくおカネ。
カネ、カネ、カネ。

なので母親も必死に働く。
かくして長時間労働。
となると、今度はベビーシッター代(子どもを預ける費用)もかかる。

母親は母親で一時も気を抜けない壮絶な日々を過ごしているわけだが、そんな母親をめぐる軋轢・社会分断もあるようだ。

母親をめぐる軋轢・社会分断

同日の朝日新聞の9面にも続きのインタビュー記事がありまして、一部引用しますと・・・

*以下、あまりにもアレな話が続きますので、その手の話が苦手な方はお読みにならないでください。

子育てをしながら働くと他の誰かに面倒を見てもらうためにお金がかかってしまいます。
(中略)
一度辞めると再就職では待遇が悪くなります。育児休暇がありますが、なかなか元のポジションには戻りにくいです。
(中略)
育休も取れますが、でも妊娠すると突然パワハラのようにミスを指摘され続けたり、契約更新しないといった形で職場を追い出されたりすることがあります。
(中略)
職場は常に人手不足で、時短勤務の人の仕事を他の人でカバーしています。産まない人は、子どもがいる人を常に「理解してあげる」立場を強いられ反発が起きます。
(中略)
「マム虫(マムチュン)」という表現があります。母親(英語でmom)を卑下する言葉で男性も女性もよく使います。子育て中の女性に対し少しでも気に入らないことがあれば「マム虫」と呼ぶのです。
(中略)
「ノーキッズゾーン」という、子どもが入れない店が増え、「ノーシニアゾーン」など特定の人を除外する店舗も増えてきました。

令和6年2月29日(木)朝日新聞9面(国際)

自分が生きるだけで精一杯

幼い子どもを「大企業に就職させるため」の猛烈な日々。
それはなぜかというと、おカネのため。
自分はヘトヘトに疲れても会社を辞めるわけにはいかない。
それはなぜかというと、おカネのため。

ヘトヘトだけど時短勤務なんて夢のまた夢。
育休なんてとったら最後、マム虫呼ばわり。

でもね、産まなきゃ産まないで、きっとまたなんか言われる。

ということで、新聞記事によりますと「根本的な原因は女性差別」だとか。

そこで、「生きづらさ」を感じた夫婦が、ある決断をした。
国外に脱出。

さて、ここで問題です。
読者諸兄姉のみなさん、新聞記事によりますと、このご夫婦はどこの国に脱出したのでそしょうか。

きっとバラ色の国だと思われます。
大都市への人口集中もなく、地方都市との交流も盛んで、食料自給率も高く、再生可能へネルギーを最大限活用し、自然環境も万全。
住宅費も安く、国民が感じる幸福度ランキングも上位。
将来の不安をまったく感じることのない健全で豊かな社会。

答え:日本

それも東京。記事によると〈東京では、過剰な競争の雰囲気もなく、子どもが子どもらしく駆け回れる空間が多いと感じた。「居心地が良い。夫も呼んで定住するつもり」〉とのこと。

以上、今回は令和6年2月29日(木)の新聞記事についてあれこれ記してみました。
最後までおつきあいくださいましてありがとうございます。

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