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WBSの洗い出しにはマトリックスを活用

私のチームでWBSをうまく洗い出せていない人がいたので、その時に話した内容です。

■ 漏れなく洗い出すとは網羅的に洗い出すということ

WBSで大事なことは漏れなく洗い出すことです。「漏れなく」というのは「網羅する」ということです。網羅する際にもっともよく使われる手法が「マトリックス」です。

例えば、あるプロジェクトの製造工程(プログラミング)のWBSを書いてみましょう。マトリックスで表現してみます。

まず、「やるべき作業」を横軸に、「作るべき機能」を縦軸にざっくり書き出してください。「ざっくり」がポイントです。こんな感じです。

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ざっくり作ったら一旦立ち止まって考えてみましょう。

・洗い出した機能に漏れはないか?
・やるべき作業に漏れはないか?

漏れがあったら追加し、漏れがないことが確認できたら、最初より少し細分化しましょう。こんな感じです。

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ここで一旦立ち止まって考えてみましょう。

・洗い出した機能に漏れはないか?
・やるべき作業に漏れはないか?

漏れがないことが確認できたら、もう少し細分化できないか考えましょう。・・・というのを繰り返して、どんどん細分化していきます。ポイントは「漏れがないこと」を確認しながら次の細分化に進むことです。

■ 最初から漏れなく洗い出そうとしない

WBSの洗い出しに失敗している人を見ていると、最初から完璧を目指していることです。まずは大きな単位で洗い出すことで全体を把握し、徐々に細分化していく方がやりやすいです。

また「細分化はどこまでするの?」とよく聞かれるのですが、1つの目安は「進捗管理したい粒度まで」です。例えば、1日単位で進捗管理したいなら1つのタスクの粒度が1日で終わるレベルまで細分化しましょう。

■ 全網羅をしてから不要なタスクを削る

上記の手法を繰り返すとマトリックスができあがります。マトリックスのマス目が「やるべきタスク」の全網羅です。単純に機能とやることの掛け算をしているので不要なタスクがあるかもしれませんが、まずは漏れがないことが重要です。

上記の場合は、マス目の数が42個あるので42タスクです。もし「C-3機能には実はサブタスクが無い」のように、やらなくてよいタスクがあれば削ります。タスクは足すよりも削るほうが簡単です。

最終的にはこんな感じの表に整形します。この右側に開始日と終了日を入れればスケジュールになります。

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最初からこの形で作るよりも、先にマトリックスを書いてから最終版の形に加工する方が漏れはありません。この手法が使えるときと使えないときはありますが、漏れなくタスクを洗い出す考え方の1つとして参考にしてみてください。


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