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「上司は忙しいから結論を先に言いなさい」は違う

新人の頃によく言われませんでしたか?「上司は忙しいから結論から先に言いなさい」って。これは絶対に違います。なぜなら、逆に言えば「暇な人であれば結論は後で良い」ということになるからです。

例えば、仕事以外の日常生活で暇なときに友人から電話がかかってきたとします。友人が用件も言わずに昨日読んだ本のこととか、最近見た映画のこととかを延々と話して来たら「用件は?」って聞きますよね。なぜなら着地点がわからない話を聞き続けていると疲れるからです。

従いまして「結論から言う」というのは、忙しいとか暇だとかは関係ないんです。

■ 話を聞く姿勢になってもらう

結論から先に言う理由は、話の論点(結論)がわからないと、話を聞く姿勢になれないからです。何を言いたいかわからない話を聞くのが苦痛なのは、話を聞きながら論点を模索するために頭がフル回転するからです。

しかし、必ずしも結論を先に言えば良いとは限りません。逆に結論を先に言うとこで話を聞く姿勢になってもらえない場合があります。

ちょっと発想を変えてみます。逆に考えて「結論が後のもの」って何でしょう?「結論を先に言われたくないもの」と言い換えても良いと思います。

例えば、ドラマ、映画、小説、スポーツとかでしょうか。もしこれらを見ようと思った時に結論が先だったらどう思いますか?

このドラマはハッピーエンドです。それでは経緯を見てみましょう!
この試合は0−1で日本代表が負けました。それでは試合を見てみましょう!

「いやいや、ちょっと待て。なぜ結論を先に言った?」って突っ込みますよね。これらは結論を知りたいのではなく、結論に至るまでのストーリを楽しみたいのです。だから結論を先に言われたくありません。

このように、話の結論がわからないことを楽しませる話なのか、そうではない話なのかが、結論を先に言うか後に言うかの、判断分岐条件になると思います。

これを踏まえて、ビジネスではどうでしょう?

あなたが部下から取り引き先との契約交渉の結果報告を受ける場合、契約交渉の結果に至るまでのストーリーを楽しみたいですか?違いますよね。まずは結果ですよね。

このように、ビジネスでは「ストーリーを楽しみたい」わけではないので結論が先になります。これは会話であっても、報告書等のドキュメント、プレゼン資料であっても同じです。


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