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プロジェクトでは計画外を計画する

プロジェクトが計画通りに進まない

そんな経験はありますよね。そもそも「プロジェクトは計画通りに進まない」のです。みなさんは経験済みだと思いますが、計画通りにいくと思うことがそもそも間違いなのです。

■ どんなプロジェクトも計画通りには進んでいない

冷静に考えてみましょう。こんなプロジェクトはありますか?

・プロマネの見積通りにメンバーが動く 
・トラブルに見舞われない

・全てが私の思った通り

絶対にそんなことないですよね。

・お客様からの要件提示が遅れる
・体調不良で休む人が出てくる
・担当者の生産性が思ったより低い
・意図と違う成果物が出てくる
・他プロジェクトが炎上して人が取られる

書き続けたらキリがありませんが、こんなことが日常茶飯事でしょう。でもプロマネがそこをうまくコントロールするんですよね。だから第三者が見た時には何も起きていないように見えるのです。

「見た目は平穏、内情カオス」

これが現実です。

■ 計画外を計画する

プロマネは一体どんなテクニックを使って何も起きていないように見せているのでしょう?端的に言ってしまうとリスクマネジメントをしなさいということになります。

ただ、ちょっと堅苦しくなるので、誰でも簡単に今すぐ出来るテクニックをご紹介します。以下、2パターンのWBSを作成してください。

(a) 遅延しないことを前提とした計画
(b) 遅延することを前提とした計画

(a)は普通に作ってもらえればOKです。難しいのは(b)ですね。これは「過去のデータ」から作ります。

・類似のプロジェクトの過去データ
・同規模のプロジェクトの過去データ
・同メンバーが実施したプロジェクトの過去データ

これらのデータから「今回のプロジェクトで起こりうること」を推測します。例えば「同規模で類似のプロジェクトが予定より10%遅延していたら、今回も10%遅延するだろう」という推測のもとで計画を作成します。

なお、過去のデータを見る際には以下も確認してください。

計画通りに行かなかった要因

今回も同じ要因で遅延することが推測できますので、事前にリスク潰し混むタスクを計画に含めておきましょう。

■ 2つの計画を使ってプロジェクト管理をする

プロジェクト管理で使うのは(a)の計画です。ただし、実績は(b)の計画に近付いていくハズです。つまり計画外のことが起こります。そうなった時には以下を実施しましょう。

・もう一度「過去のデータ」に立ち戻る
・過去のプロジェクトでも同じことが起きていたハズ
・そのプロジェクトがどう対応したかを確認する
・同じ対策が効果的かを確認し対策する
・なぜこの遅延が起こることに気付けなかったのかを振り返る
・気付けなかった原因を水平展開し再発を防止する

これを延々と繰り返していくことで炎上は避けられると思います。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

・「過去のデータ」を見ることを習慣化する
・予実差を分析するスキルを身に着ける
・「過去のデータ」から「未来」を推測する癖をつける
・振り返ることを習慣化する

プロジェクト管理は「未来予想」です。未来を予想する唯一の方法は「過去を見る」ことです。

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