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SF - Sumo Fiction

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2021年1月の記事一覧

『狂気山部屋にて』

『狂気山部屋にて』

「発狂用意」行司の声がそのように聞こえた、と大関・群馬灘は語った。だが、それ以降の記憶が曖昧だという。

「初めは強く当たって――その後のことはよく覚えていません」

取組のVTRを見ると幕内最重量の巨漢大関が小兵・土根性(どこんじょう)に突き当たり、廻しを取った途端に膝をついて敗れている。決まり手は「腰砕け」とされ、幕内下位の土根性が八連勝で勝ち越しを決めた。

今大会の台風の目となった小兵・土

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