86歳 女性(骨)

主訴

「ずっと病院で、骨粗鬆症の注射をしていた。
注射後の吐き気がすごくて、薬を変えてもらった。もはや食事すらとれない状態だった。」


お薬手帳より
「テリボン注」と確認

病態

閉経などの性腺機能低下で骨吸収が亢進
⇒加齢により骨形成が低下することで骨の脆弱性が進行する(易骨折状態をもたらす状態)

リスク因子と診断

骨折リスク

原発性骨粗鬆症の診断

治療方針

骨粗鬆症の治療目的:骨折の予防
*骨折リスク因子の存在があれば、より積極的に治療する

活性型ビタミンD薬は主に併用薬としての位置づけ
○複数の骨吸収抑制薬の併用
○骨形成促進薬と骨吸収抑制薬の併用
は推奨されない

処方解析

今回、ビビアント錠20mgが処方されていることから
既存骨折のない骨粗鬆症に対する薬物治療であると推測できる
既存骨折のない骨粗鬆症に対しては
➀エビスタ錠orビビアント錠
➁エディロールカプセル
➂ボナロン錠
のいずれか

あるいは
➃ワンアルファ錠を➂との併用で用いることが多い

使い分け

上記➀は
閉経後女性に限定される
上記➁は
活性型ビタミンD作用と骨吸収抑制作用を併せ持つ
⇒単独長期処方が可能
上記➂は
骨折抑制効果のエビデンスが豊富である
長期間の使用による顎骨壊死症や非定型骨折のリスクを考慮する必要がある

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