72歳 男性(動悸 心電図)

主訴

「急に咳が止まらなくなった。
血圧も高くて、心臓もまだ落ち着いていない。
血圧は150/100です。」


テルミサルタン錠20mg(新規)
アムロジピンOD錠2.5mg(新規)
イミダプリル塩酸塩錠5mg(削除)

ポイント

今回の主訴からは、咳の自覚症状が見られている。
さらには血圧コントロールも不安定である。

➀「空咳」の副作用

アンギオテンシン変換酵素阻害薬により
気管支収縮作用をもつ「ブラジキニン」の分解を行うための、「キニナーゼⅡ」が抑制されてしまう

           ▼

従って、ブラジキニン濃度が高まり、「空咳」が起こってしまう

対策
アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)

           ▼

アンギオテンシンAT1受容体拮抗薬(ARB)
へ変更することで、副作用改善を目指す

➁血圧コントロール

基本的には、心血管病抑制効果が証明されている

積極適応(合併症・併存症)がない場合は
○Ca拮抗薬
○ARB
○ACE阻害薬
○少量利尿薬

かつ

○β遮断薬

を主要な降圧薬として捉える

降圧薬開始基準と薬剤選択について

患者さんへのフォロー

単純に血圧を低下させることが目的なのではなく
その式にある臓器霜害の発症進展を抑制して、脳血管疾患の一次予防・二次予防を通じて予後の改善を目指す。

薬剤情報

Ca拮抗薬による頭痛やほてりは、継続服用で解消されることも少なくない
→不安解消へ繋がる

利尿薬は塩分摂取が多い場合やRA系阻害薬服用中では効果が強く出る可能性がある
→少量開始であることを確認する

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?