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カミングアウトをして世界はどう変わったか

rokkyです
最近ハムスター(キンクマ)を飼うか迷ってます

今日は双極性障害の
カミングアウトについて書きました
気になるとこだけ覗いてみてくださいねっ

■カミングアウトをする前の世界

孤独で、人と関わるのが怖かった。

あんなビックマウス叩いてた奴が
新卒1年目でうつ病?
だっさ。

そう思われる気がして、
病気を発症してから約4年間。
ほぼ誰にもこの事実を伝えずに過ごしていた。

知っているのは
母親、当時の彼女、職場同僚 だけ。

職場の人とは心理的に距離感が難しく
母親とは当時家庭事情でゴタついていた
『病気の辛さ』を本音で話せたのは当時の彼女だけだった。

しかしその彼女ともお別れをし、ついに
『やばい、孤独かも』
となった。

当時の僕は1年以上に渡る休職中で、
毎日心が安定しない日々だった。
働いていないからお金もない。

飲みの誘い
結婚報告
その他連絡の数々・・・

仕事をしてるテイで、
病気や休職がバレないように、
出来る限り返事をしていた

でも、
どこかでバレてしまうんじゃないかと
人と関わる時は常に緊張していた。
怖かった。

■とりあえずSNSに居場所を求めてみた

TwitterなどのSNSに居場所を求めたけど、
まだ病気を受け入れきれていない僕には
ドロドロした本当に暗い感情しか無く
「イイネ」なんて誰からも貰えなかった

『みんな辛いよね。そんな時は○○しようっ!』

みたいな、
ポジティブな誰かのツイートを見ては
”そんな風に出来たら苦労しねえよ”
なんてイライラしていた。

それでも一度、アカウントを作ってみた。
いわゆる【病みアカ】である。
※今は削除済み

『消えたい』
『つらい』
『風呂入れない』
『あれがうざい』
『これもうざい』
『そんな風に思う自分が心底嫌い』
『つまり消えたい』


もちろんここまでネガティブなツイートに
イイネがつくはずもなく、

イイネ0という現状から
結局『孤独感』が増した。

Twitterは1ヶ月ほどでほぼ使わなくなった。

■まずは自分へカミングアウト

一人でこの病気や未来への不安と戦うことに
限界を感じ始めていた。

そこで担当の医師に
『病気とは関係ないのですが....』
と今の辛さを相談してみた。

医師はパソコンを打ちながら
あまりこちらを見ずに
でも、僕のまとまらない長話を聞いてくれた。

僕が話終えると医師はこんなことを言った。

『誰かに言う前に、まずは自分に言ってみたら?』

・・・え?どゆことですか?

どうもね、、、医者の私から
「双極性障害だから休んでね」って言っても
ROKKYさんピンときてないみたいなんだよね。

「わかりました!」って頷くけど、
たぶんピンときてないよね。

こればっかりは、
最後は自分が自分に「病気だから休もうね」って言い聞かせないと、
自分の心と対話できるのは、自分だけなんだよ

なるほど・・・

でも心と対話って具体的にどうしたら、、、?

医師『日記とかオススメ。本音を書きなぐってみるのオススメ。』

帰り道、僕は早速本屋によって
日記を買った。

※ちなみに
ムーミンの絵柄が彫り込んである、
ハードカバーの日記
。かわいい。
今も愛用してます。

毎日ではないが、
記入をするようになった。
日々3行くらいだ。

Twitterではイイネ数に敏感になるが、
日記はそんなこともない。
ムーミンにも癒されるし、
紙にペンで感情を描く作業は、
なんだか心地よかった。

この日記を通じて
次第に、病気やその他の現実(お金とか)を
受け入れられるようになってきた。

「病気を受け入れる」とは
僕の場合は
その事実を前にしても感情が特に動かない
という感覚だった。

悲しむことも
やるせなさに怒ることもない。

同時に
必要以上にポジティブにも感じないし
障害をアイデンティティにしよう!とか、
頑張って乗り越えようと気構えもしない。

ただ『今そういう事実が在るんだなぁ』と考えるようになった。

この日記を初めて、
病気への向き合い方が変わったと思う。

■たった1人へのカミングアウト

この頃から僕は、
『別に病気は恥ずかしくない。誰かに頼りたい...』
と素直に思い始めていた。

(ちょうど軽躁シーズンに突入したこともあり)
行動意欲が増してきた僕は、

思い切って親友だけに病気のことを伝えよう。
そして不安なときは甘えよう!

と決めてみた、。

最初は1人に直接カミングアウトしてみた。

特に何の資料を用意したわけでもなく、
ただ、カフェでふいに今の病名や症状、
実は1年近く休職していることを伝えた。

その友人はかなり驚きつつも、最後まで話を聞いてくれた。

そうだったんだね
これからはいつでも可能な限り話聴くから、
不安なときは言ってね

そう返事をしてくれた。

そう返事をしてくれると正直思っていたし、
引いたりしないと分かっていたけど

それでも
カミングアウトする時の、
僕の手や声は
震えていた。

そのくらい
何か得体の知れない勇気を使った。

話し終えてみると、
なんだか重たーーい肩の荷が下りた気がして、

ゆっくりと安堵の気持ちで満たされていくのが分かった。
ようやく「孤独感」から開放された瞬間だったかもしれない。

■友人らへのカミングアウト


その後はその友人に、
弱音を聞いてもらったり、
不安な時に電話をしたりと
本当に本当に助けられていた。

しかし、たった1人で僕の弱音をすべて聞いてくれていたため、
相手にとっても負担だろうな・・・

と、僕も申し訳無さを感じていた。

できればもう少し頼れる人を増やしたい・・・

そこである日、
親友らへカミングアウトしよう、と決めた。

本来良くないのだけど
軽躁症状も出ていたので勢いに任せて
カミングアウト動画を作成し
親友らへ出来る限りポップにカミングアウトした。

※僕は映像編集が趣味です

・真剣に受け止めてくれる人
・大げさにすることなく、OK~と受け止めてくれる人
・こんな時はどうしたらいい?等と病気について質問してくれる人
・うまく笑い話に昇華してくれる人
などなど・・・

みんな
各々の受け止め方をしてくれた。

偏見なく受け入れてもらえたことが、
本当に本当に嬉しくて
僕にもし、もし、天賦の才能があるのだとしたら、
それは間違いなく
”友人に恵まれる才能”だと、
この時に冗談抜きで確信した

その後は体調的に危なかったり、
心が弱っているときには頼れる人がとても増えたし、

僕自身も、
『人を頼って良いんだ』
と素直に思えるようになっていった。

後に判明することになるが、
自分の体調変化や病気特に合わせて、
生きていきやすい対人関係を作ることを、
【対人関係療法】と呼ぶらしく、

私のカミングアウトによる対人関係の変化は
まさに、この一部分ともなっていました。

実際、
対人関係からのストレスからも開放されたばかりか、
沢山の居場所が出来たことで心も安定しました。

■カミングアウトによるストレス

一方で、
やはり良いことばかりではなく、
カミングアウトによる想定外のストレスも発生しました。

誤解を恐れず言うならば
誤解を恐れず言うならば!

『ありがた迷惑』というストレスです。
※ちゃんと解説するので最後まで出来れば読んでくださいねっ

・自己流のアドバイスを押し付けられる
 →薬は使わないほうが良いよ!とか
・謎のポジティブ精神論を言われる
 →「ある意味稀有な経験だし羨ましいよ」とか
・なんで今まで黙ってたの!?と言われる
 →カミングアウト本当に勇気がいるんだよなぁ
・想像以上に心配される
 →その後も何かと大丈夫???と心配される

精神疾患への偏見的な言葉であれば、
私も強気に『ふざけんな!』と反論できますが、

そうではなく「私を思っての言葉」であるため、
いわゆる『ありがた迷惑』というストレスなのです

※ほんと偉そうにこんな記事書いてすいません・・・

これは”どちらが悪い”とかではなく、
両者の考え方や感じ方の ”ズレ”
によるストレスです

このズレを感じるたびに、
がんばって修正を行ってきました。

・気持ちは本当に嬉しい(嘘じゃない)、
・でもこの表現はストレスを感じてしまう、
・だから出来たらこうしてほしい

こうしたズレの修正はなかなか労力を必要としました。


LINEなどの文面でこの繊細な感覚を伝えるのは難しく、
時には電話をしてでも相手と
「どんなコミュニケーションが互いに良いのか」
を議論しました。

これがほんっとうに疲れた・・・・笑

でも必要なことだったと感じます。

なぜなら、
このコミュニケーション修正術は、
「感じ方のズレ」が生じやすい僕(精神疾患者)にとって、
今後一生重要となるであろうスキルだと思うからです。

いろいろ言いましたが、
カミングアウトによって「ありがた迷惑ストレス」が生じたことは、
僕にとって想定外のストレスでした。

でも、今後も必要ですし、
乗り越えるべきストレスだったとも今は思っています。

※何度も言いますが、
相手の方のお心遣いには本当に感謝しています。

■家族(不仲)へのカミングアウト

僕の場合、なんと最後にやってきたのがこの項目。

そもそも僕の双極性障害の発症原因は、
『家庭での過度なストレス』ではないか、
臨床心理士より指摘されています。

要は、
家族(母)と僕は昔から仲が良くないんですね。

ただ、休職中でお金無さすぎ・・・
という理由から、
僕は実家で母と二人暮らしし、
1年半以上の療養生活を過ごしていました。

結論から言いますと、
今は、母へのきちんとしたカミングアウトにより
関係性も徐々に良好となり、
家でも「ようやくリラックスできる」環境が整いました。

闘病初期、
母は病気への理解があまり無く、
※恐らくですが「薬飲んでりゃ治るんでしょ」程度の理解・・・

ゆえに実家では、

・「休んでいるんだからもっと家事を手伝え」
・「あなたが来て電気代が○○円増えた」
・「光熱費を下げるために外に出ていてほしい」
・「仕事に戻ったら家賃(ローン代)を出せ」
・「人生の夏休み中なんだから」

などなど、
とんでもなく傷つく言葉を沢山投げかけられました。

もちろん実家に住まわせて頂いてるのですから、
家賃も、生活費も、一部出してもらって
本当に感謝はしています。

ただ、

ただ、、、

家事は手伝いたくても
それすらも出来ない日のほうが多いんです
(鬱期は入浴すら出来ない日だってある)

お金のことは今僕が最も気にしていることであり
そして今最も解決困難な事項。
今言われても謝るしか無い

人生の夏休み?
僕は休みたくて休んでるんじゃない。

母には感謝しなくては・・・
でも確実に母に傷つけられている・・・

そんな矛盾が感情がぐるんぐるんめぐり、
僕は実家で常に「ストレス」に晒されていました。

ついには、
母から名前を呼ばれるだけで、
勝手に「身体がビクッ!」と反射的に緊張するようになりました。

さすがに、
この「身体ビクッ」現象には自分でも驚き、
医師に母との関係性を打ち明けました。

ですが、
「家では出来る限りリラックスしたほうが良いんだけど、
 家庭のことは医者ではなんともなぁ・・・」
と言われてしまいました。

結局、ただ耐える日々が過ぎました。

そんな最中、
日記で病気受容、
親友らへのカミングアウトなどが出来、
心も安定感が出始めました。

そこでようやく

母へのカミングアウトをしっかりしよう

と勇気を持てるようになりました。

理解されるかはわからない
寄り添ってもらえるかもわからない

でも事実はしっかり伝えよう
・僕の病気について
・必要な療養生活について
・母との会話で疲弊していることについて

直接話すと相手のペースに呑まれてしまうと考え、
結局LINEで、
淡々と、ただ出来る限り丁寧な、文章を送りました。

これが僕なり精一杯の、母への、
本音のカミングアウトでした。

母は、その日から
僕に少しずつ優しくなってくれました。

そして僕も、その日から
母に少しずつ優しくなれるようになりました。

長い時間がかかりましたが、
ようやく家にも「安心」という空気が流れ始めました。

■結局何が変わったのだろう

自分
友人
家族

へのカミングアウト(病状と本音を伝える)が出来、
いま僕はカミング前よりも・・・

「ほけ~っ」
っと出来る時間が増えました。

いやでも、
本当にこんな感覚なんです!!!!笑

そして、「ほけ~っ」時間が、
なにより心地いいんです。。。。

さらに言えば、
「ほけ~っ」時間は、
躁シーズンでも鬱シーズンでも、
症状緩和に効くんです!!!!

カミングアウト前って、
常にびくびくしてて、
自分一人で怯えてて、

「ほけ~っ」っと出来る時間なんて無かったんです。

それが、
だんだん心の拠り所が増えて、
「怯える必要なんて無いのかもな」
と思え始めて、

結果として、
「ほけ~っ」です。

確かに想定外のストレスもあるけど、
でもでもでもでも
「ほけ~っ」は最強です。

カミングアウトしてよかった。
僕はそう思ってます。

■今後のカミングアウト

これは今まさに僕が少し悩んでいるところです。

つまり

公(Facebook実名)でカミングアウトするべきか否か

です。

これはメリットデメリットなど、
僕もいろいろ考えました。

(イタイやつって思われそうだなぁとかね笑)

でも、そんな有耶無耶した悩みを、
ライターの友人がさらーーっと解消してくれました。

この言葉に励まされ、

僕はいつか、公に実名でカミングアウトをしようって思っています。

ただし!!!
下記条件を満たしてから・・・としました。

・寛解が医師から言い渡され
・復職(フルタイム)して3ヶ月働けたら

カミングアウト後には、
99%「想定外ストレス」が待っています。

心身ともに確実に疲弊すると思ってます。

なので、条件を満たしたら・・・なんです。

とりあえずはそんな感じです。

■まとめ

カミングアウトを・・・

自分自身にしたら
:病気の受容が出来た
親友たちにしたら
:想定外のストレスもあったけど
:心の拠り所が増えた
家族(不仲)にしたら
:お互い少し優しくなれた
カミングアウト前後で一番変わったこと
:「ほけ~っ」っとできる時間が増えた

ということでしたっ

「ほけ~っ」時間の尊さは、
同じ病気の人だったらすこーし伝わるんじゃないかなぁ。

ということで!

皆さんおやすみなさいっ

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