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コンパクト五輪? 東京五輪は10競技で会場変更された

2021年に行われるの東京五輪のバレーボール会場は、有明アリーナ。
収容人数は15000人(仮設席を含む)
延床面積は45,600m²
竣工は2019年12月
総工費は339億円となる。

前回1964年の東京五輪と言えば、東洋の魔女の金メダルに全国が沸いたことよく知られている。
では会場はどこだったか?

駒沢オリンピック公園総合運動場体育館と横浜文化体育館である。

当時の駒沢の収容人数は3900人、横浜文化は3800人。
56年前と比較すると、有明アリーナの15000人は余りにも巨大だ。

招致段階で東京のセールスポイントは「世界一コンパクトな五輪」。このセールスポイントはすっかり影を潜めた。

2020年の五輪招致レースに東京が勝利したのは、33競技場中28競技場を中央区晴海の選手村から半径8キロ圏内に集めるという公約が大きかった。

33の競技場のうち10カ所で変更するとは、公約違反と言われてもしょうがない。
競ったマドリードやイスタンブールに何と言い訳すればいいのだろうか。

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では、過去に開催された五輪は、いずれも会場の変更などなかったのだろうか?

2012年に五輪を開催したロンドンには、メインスタジアムを始め、多くの競技場が集まるオリンピックパークと呼ばれていた地区がある。

ロンドンが2012年の五輪招致で、宿敵であるパリに勝って開催を決めたのは2005年7月6日、シンガポールで開かれた第117次IOC総会でのことだ。
このとき、オリンピックパークには4つのアリーナ(室内競技場)を作る計画があり、オリンピックパーク1から4として仮称が付けられ、下記のような競技の会場とされていた。

アリーナ1 バレーボール
アリーナ2 バスケットボール及び近代五種のフェンシング
アリーナ3  ハンドボール
アリーナ4 フェンシング・柔道 

ところが招致決定から1年後の2006年には、マスタープランが発表され、アリーナ1の建設は中止。
バレーボールは既存施設のアールズコート・エキシビジョン・センターで開催することが決まった
さらにアリーナ4の建設も中止となり、フェンシングと柔道は、エクセル展覧会センターで開催することになった。

アリーナ2は、仮設のバスケットボール・アリーナとして建設され、ノース・グリニッジ・アリーナ(通称O2アリーナ)とともにバスケットボールの会場になった。
アリーナ3は、恒久施設のカッパー・ボックスとしてハンドボールの会場になり、近代五種のフェンシングも行われた。なお、ハンドボールの準決勝以降はバスケットボール・アリーナが使われた。

さらに2009年11月には、バドミントン競技や新体操競技についても整備費削減のため、当初の仮設会場であるグリニッジ・アリーナから、既存施設のウェンブリー・アリーナに変更された。

もう一つ言うならば、ロンドンが招致段階で見積もっていた総コストは40億ポンド(現在のレートで約5800億円)。
実際のコストは89億ポンド(約1兆3000億円)かかった。

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