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リオ五輪の男子バスケットボール決勝は NBAファイナルの1/3の視聴者しかいなかった

3月4日(日本時間5日)。
NBAワシントン・ウィザーズは敵地モーダ・センターで、ポートランド・トレイルブレイザーズ戦に臨んだ。
八村塁は憧れの選手だというカーメロ・アンソニーとマッチアップをすることになった。

カーメロ・アンソニーは35歳。
20歳のときのアテネ五輪から前回のリオ五輪まで、4大会連続で全米代表に選ばれ、銅、金、金、金と4つのメダルを獲った選手だ。

先日急死したコービー・ブライアントやレブロン・ジェームスもご五輪の金メダルは2個。
3個の金メダルを含む4個のメダルを獲ったバスケット選手は、米国五輪史上男子では、カーメロ・アンソニーが唯一の存在だ。

NBAのドリームチームが五輪に出場するようになって、米国が金メダルを獲れなかったのはアテネ五輪の1回のみ。
さぞかし米国のバスケットファンは、五輪のバスケットを楽しみにしている…と思うだろう。

興味深いデータがある。
2016年の米国で最も視聴者があったバスケットボールの試合ベスト10だ。
キャバリアーズ とウォリアーズによって争われたNBAファイナルが上位に来ているが、キャバリアーズが優勝を決めた7戦目は、なんと3100万人もの米国人が視聴している。

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ベスト10には、NCAA(学生)の試合が2つランクインしているが、五輪の決勝 米国 対 セルビア はそれよりも下10位でしかない。
1170万人が視聴しているが、NBAファイナルの1/3でしかない。

ご存知のようにIOCの最大の収入源はテレビ放映権料だ。
NBCテレビは、2014年ソチ五輪から夏冬10大会の米国向け五輪放映権を計120億ドル(約1兆3000億円)で取得している。
夏冬含めた一大会平均は12億ドル。

では、米国のテレビは、米国内のバスケットボール中継にはいくら支払っているのか。

NBA 27億ドル (ABCテレビ)
NCAA 7.7憶ドル (ターナー)

この金額は1シーズンの全ての試合を含んでいるのだが、NBAの方が、五輪一大会よりもずっと高いのだ。

なぜ、東京五輪が、前回1964年のように10月に開催できないのか、真夏の東京を危惧する声が聞こえるたびに「米国のプロスポーツと日程がぶつかるから」とその理由が言われてきた。
正確には「米国のプロスポーツと日程がぶつかり、そちらの方が放映権も高額で、多くの視聴者が見込めるから」となる。

もっとも、地球には中国という国があって、彼らはバスケットボールが大好きで、米国よりもはるかに多くの人が、NBAも五輪のバスケットも見ている。

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