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9・フランスパンをかじる生活

お世話になった親戚に何か送ろうと、母と街へ出た。
最近は 母はバスだと足元が危ないので タクシーを使う。
無事買い物をすませて、お昼にうどんでもと思ったが、
母が、一人前は食べきれないのでパンのほうがいいという。

イートインのあるパン屋さんで、ふつうのサンドイッチと、カスクートというフランスパンのサンドイッチを ふたりで分け合って食べた。
私は紅茶が好きだが、サンドイッチを食べる人にはコーヒーが半額と言われて、迷わずコーヒーに。
砂糖をたっぷり入れたら 母はコーヒーがおいしいと言う.

カスクートがやたらおいしい。
同じようなものを家で作って食べてるが、こっちのほうが断然おいしい。
なぜだろうと、中身を見たら、ハムやレタスがいっぱい入ってるうえに(チーズは一枚だった)、マヨネーズもたっぷり。
パン自体も、細い。
家で作ってるのは、太めのバタールに、レタスもハムもチーズも一枚。この差だ。これからは、細めのフランスパンを買って、かつ中身のハムとレタスとマヨネーズをたっぷりにしてみよう。

94才の母は入れ歯だが、カスクートをおいしそうに食べていた。
母はフランスパンが好きなのだ(固いのに)。

私「お母さんも、90近くになって田舎から出てきて、
娘と東京のデパートでフランスパンかじる生活するなんて
考えてもみなかったでしょ」

母「ふたりで、こんなとこ うろついてね。ハハハ」


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