31・自分の給料、人に管理されてうれしいか?


さて、癌の夫は何とか回復していったが ある日腹痛で病院へ。
再発?と思ったが、ただの腸閉塞だった。
しかし、入院した夫は自営の仕事に困って、タタオに
「仕事をやめて、うちの自営業を手伝ってくれないか」と打診。
タタオ「わかった。仕事の○○も一日で覚えるよ」と頼もしい返事。
ここから、タタオはうちの自営業を手伝い、父親を助けてくれるようになった。
父親からは、自営業のノウハウを学んでいき 仕事の上でも父親を尊敬しているようだった。
 
夫と私は
「今度 家の外壁塗り直すとき、タタオに足場組ませてその分安くしてもらおうか」とか
「タタオは、基礎工事と足場組むのができるんだから、後は大工になってくれりゃ、家くらい立て替えてもらえるんじゃないか?」
などと、自分たちに都合のいいように勝手にタタオの未来に期待してたのだが、思わぬことでタタオはうちの自営業の手伝いをすることになった。
 
うちの仕事場の改装のときなど、肉体労働には使えない大学生のバイトとちがって、タタオは道具渡して説明すれば 難なく改装の仕事をしてくれたそうだ。
夫「タタオは役に立つなあ」
大学生のバイトにも「タタオくん、すごかったですよ」と絶賛された。
ガテン経験者、おそるべし! 
 
タタオ、活動的で友達も多いと言うことは、出費も多いと言うことだ。
週二回休むと給料が減るので、週一しか休めない。
それでも、給料日前になると 他のアルバイトの子と同じく、借用書書いて前借りとなる。
あるとき
タタオ「おやじ、給料一ヶ月分じゃなく、一週間ずつ分けてくれないかな? オレ使っちゃうんだよ」
私も “そーだよ そうすれば給料前借りしなくてすむじゃん”と思ったのだが・・・
 
「お前は、自分の給料 人に管理されてうれしいか?」
 
むむ そう来たか・・・
こうして、他力本願のお金管理作戦も 一瞬にして砕け去ったタタオくん
タタオくんのお金の苦労はまだまだ続くのでした。


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