語られるNPOの本質論――村井雅清『災害ボランティアの心構え』(ソフトバンク新書、2011年)評
本書は、3.11以後、私たちの日常の一部と化したかに見える災害ボランティアという存在について、被災地NGO協働センター(災害ボランティア・NPOの中間支援NPO)代表を務める著者が、豊富な実践事例に基づいて、その意義や可能性を論じたものである。とりわけ、私たち自身が当事者ともなった東日本大震災の事例が身につまされる。
本書によれば、著者たちは、私たちが停電の暗闇の中で何もできずにうろたえていたのとちょうど同じ頃に被災地へ先遣隊を送り、また電気復旧後、私たちが生活物資を少しで