うるわしき台湾東部を想う
日本ほど多くはないものの、台湾も世界有数の地震大国です。特に東部、今回も起きた花蓮(かれん、現地読みでホワーリエン)は多発地帯。「台湾で地震」というニュースを耳にして、「また花蓮ではないか」と思うと半分以上は当たってるぐらいです。
花蓮に対する私の印象は、「山と岩とワンタンの町」。
台湾島の中央部には、この島の背骨というべき大山脈が走っています。その山脈には富士山以上の高山がいくつもあるのだから、小さな島なのにどれほど自然がダイナミックか、想像がつくと思います。日本人観光客がよく行く西側(台北~台南~高雄)は平地ですが、この深い山々が海岸まで迫っているのが台湾島東部なのです。
町のすぐ近くまで山々がそびえ、その山間には水しぶきをあげる急流が谷を刻みます=その代表が、花蓮にある太魯閣(タロコ)峡谷。
川沿いの遊歩道の左右には荒々しい山々が連なり、台湾が国連加盟の国家なら「世界自然遺産」に絶対に認定されるはずと思うほど雄大なのです。
ただしそれらの山は岩山なので、木々が根を張り巡らせる山とちがって、今回のような地震が起これば崩壊しやすくなります。今回の地震でも犠牲者や足止めになった方が出てしまいました。「太魯閣峡谷は、いつかは立ち入り禁止にするべき」という声が前々からあるのも仕方ありません。それでも安全が確保できるなら、やはり一度は訪れたい名所です。
さて花蓮の名物といえばワンタン。澄んだスープと、薬味代わりの刻みセロリのおかげで、あっさりして後味さわやか。台湾の一般的な町同様、飲食店の多さは日本とは比べ物にならないので、他にもさまざまな料理を楽しめます。
犠牲になった方々のご冥福と、現地の安穏・復興をお祈りします。
そして読者の皆様も、滴るような緑と、真っ青な空と海、原住民の文化が待つ台湾東部を旅してみてください。
よろしければ、台湾原住民について書いた過去記事もご覧ください。