たまには音楽の話でも

 筆者は何でも極める癖があるので、音楽を聴くのもプロ……言わば聴き専プロである。筆者が聞く音楽はラップからトランスまで、ありとあらゆるものを網羅している。

 よく邦楽、洋楽という分け方をする人がいるがこれは全く以って間違っている。例えばジャズ、これは洋楽に分類されるのだろう。しかし日本人でもジャズをやっている連中がいる。これはどちらに分類されるのか。

 同じようにその昔、ハイスタンダードという日本のパンクバンドが外国で売れていた時期がある。彼等の歌詞は全部英語である。これは邦楽にカテゴライズされるのであろうか。

 筆者から言わせてもらえばこんな分け方がそもそも間違いで、根本となる分け方はビートの打ち方、そして曲の節の構成の仕方である。例えばラップはファンクがベースになっている。16ビートである。トランスはハウス、厳密にはシカゴハウスと呼ばれた四つ打ちから派生している。

 ビートで分けると面白いものが見えてくる。例えばコミックバンドとして有名な氣志団のワンナイトカーニバルは四つ打ちで、4つの節を繰り返す楽曲構成をしている。使っている楽器こそロックであるが、実はあれはトランスの一種である。実際ヴォーカルの人を調べたら元々DJであった。

 筆者が中学生の頃、アメリカ西海岸の音楽シーンの影響を受けた若者が大勢いた。彼等はアメリカの黒人ギャングの服装を真似し、ローライダーを乗り回していた。筆者もその影響を受けて、なんとなくアメリカのラッパーのCDを買っていた。最初に買ったCDはNASであった。

 最初は何が良いのかさっぱりわからなかったが、筆者は兄がドラムをやっていたのでラッパー達の音楽を真似してエアドラムっていた。すると彼等の歌が見事にビートを捉えている事を発見した。筆者の音楽の根本はラップである。

 尚筆者のイチ押しの歌手は以下の通りである。
・Wu-tang clan (言わずと知れたピュアラッパー集団)
・Dogg pound (スヌープ脱退後から再結成前まで)
・Mase (やる気ない系ラップでは一番うまい)
・Warren G (楽曲がとても丁寧、ラップ無しでも素晴らしい)
・DMX (最近死んでしまった)

 その後、普通のラップに飽きた筆者は英語ではない曲を聴きまくった。そこで出てきたのがスペインのフラメンコとラップを融合させたフラメンコミクスチャーである。これの少し前にアメリカでRage against the machineというバンドが流行っていたが、それのルンバフラメンコ版である。

 とりわけこのフラメンコミクスチャーで成功を収めていたのはOjos de Brujoというバンドだったが、このバンドは自分達でレーベルを作り、大物達が連合を組んで楽曲を作っていた。しかし2枚目のCDでメインヴォーカルのMacacoが脱退し、衰退してしまった。

 この頃筆者は普通のビートに最早飽きていて、太鼓の裏打ちがないとノレなくなっていた。筆者はワールドミュージックを漁りまくった。ユッスー・ウンドゥールやヌスラト・アリ・ファーンなどが好みであった。

 ※余談だがスペイン語のラップであるレゲトンがメジャーシーンに出てくるのは2004のダディ―ヤンキーの登場を待たなければならない。


 2002年頃、ひょんなことで名古屋でサイケゴアのDJをしている織田という奴と友達になり、彼は筆者にどうにかしてサイケゴアの良さを伝えようと色んな曲を送ってきた。最初は歌がない音楽にどうしてもなじめなかった筆者であったが、そんな筆者にモロにヒットしたのがHilight Tribeであった。

 確か最初に「これいいな」と思った曲はIndian tranceという曲である。

 ここからサイケの世界にのめり込むのに時間は掛からなかった。とりわけ筆者は普通のサイケよりも、裏打ちが入っているSirius Isnessなどが好きであった。Hilight Tribe と Sirius Isnessが両方ともフランスなのは偶然ではあるまい。フランスは実は脳筋ミュージックの下地があって、一拍にこれでもかとビートを打ちこんでくる楽曲を作る人が多い。

 そんな訳で筆者はサイケをメインとして聴きながら、サブでワールドミュージックを漁りまくり、時々メジャー音楽も漁るなんて事をやっていたわけだが、これは面白いぞ!しかも世界ではマイナーだ!というジャンルが二つある。

 一つはインドネシアのアンボン音楽である。このアンボン音楽は16世紀あたりに当時の香辛料戦争最前線であるインドネシアのアンボンで産まれた。アンボン音楽の特徴はクラシックとなるエレクトーンのメロディーがあり、これに個々のミュージシャンが勝手にビートを裏付けするシステムになっている。クラシックとして完成されたメロディーは妙な中毒性があり、なかなか面白い。

 例えば上記の二つは全く同じメロディーを使っている。モルッカ諸島は当時世界最先端であり、ポルトガル、オランダ、イギリスが香辛料諸島を巡って戦争を繰り広げていた。バウバウの要塞など行ってみるとデカくてびっくりする。ヨーロッパのどんな城壁よりもデカい。

 これは公にはされていないが、彼等は戦国時代を終えて職にあぶれたサムライ達を傭兵として雇い、原住民をぶっ殺していた。またアフリカから黒人奴隷を連れて来て使っていたようである。この辺の人らの顔は明らかにオーストラロイドとは違う。(オランダは現地のオーストラロイド系だと言い張っている)

 つまり、16世紀にすでにヨーロッパ、アジア、アフリカが入り乱れた人種混合の都市が出来上がっていたのだ。そんな中で生まれたのがこのアンボン音楽である。音はレゲエに似通っているが、レゲエが生まれたのは1960年代後半である。とっくの昔に時代を先取りしていたのがこのアンボン音楽である。


 続いて筆者がワールドミュージックを漁っていた中で気になったのはエチオピア音楽である。これは言語の名を取ってハベシャ音楽と呼ばれる。こちらも音使いはレゲトンに似ているがレゲトンがスペインのジプシー音楽の裏打ち手拍子を根底のルーツとして持つのに対して、こちらは思いっきりアフリカの表打ち太鼓である。ダンスもダイナミック。

 エチオピアは実は歴史的にブラックアフリカというよりは地中海世界の端に組み込まれており、オマーン海洋帝国の一端を担っていた事もある。インド南部ケーララやアラビア半島との交流もあったせいだろう。音楽はかなり独特の発展を遂げている。

 ポップスのほうは演歌っぽい歌が多いが全く暗くない。上がりっぱなしで終わりである。

 筆者のお気に入りだったAddisDJは何故かアカウントごと消滅している。


以上音楽終わり

最後にこのジャンルの名前がわからんからこれ上げとく。サイケでフルオンだとは思うが、ビートが遅い。

 誰か知ってたら宜しく。

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