【アメリカ留学#3】留学の醍醐味は異文化交流
長い長い18時間のトロントピアソン 空港でのトランジットを乗り越え、バンクーバー空港を経由して成田空港へ到着した翌日の朝です。
空港で一夜を明かすのは人生初でしたけど、人も少なくガードマンの人がうろうろしていたお陰で、無事に過ごす事が出来ました。
人生経験としてちょっと面白い体験が出来たのは良かったです。
さて、私が思う留学の醍醐味は、異文化交流です。
留学した当初は英語が身につきやすい環境に置ける事こそ留学の価値だと考えていました。
ですが、それに関しては考え方が変わっていきました。
そもそも、日本にいても海外で問題なくやっていけるだけの英語力は十分に身につける事が出来ます。
英語を伸ばすポイントはどれだけ英語を自分で使えるかであって、海外に出るメリットは英語を練習する機会が多い、というアドバンテージがある点です。
逆を言うと、日本でも工夫と努力次第でいくらでも日常で英語を練習することは出来ます。最近は英語圏の人も留学したり働きに来るケースも増えて、そのような人と友達になって英語を使わせてもらえたら、英語を伸ばす練習が出来ます。
本当の意味で海外の人と円滑にコミュニケーションを取るには、流暢な英語が話せるかどうかよりも、話し手の文化に対する理解を持った上で接する事が何倍も大事だと感じています。
例えば、私のいたテネシーでは仕事と私生活の境界線がかなりはっきりしています。
大学の事務の人は、定時を過ぎればパッと仕事を切り上げて帰宅してしまう為、定時以降にオフィスに行ってもまず会えません。
大学の先生も家族や子どもに何かあった場合は、そちらを優先して授業をキャンセルする事は驚くことではありません。
これらは日本とは大きく異なる部分だと思います。
もし、日本的な感覚を持ったままこのようなテネシー在住のアメリカ人と話したら、いざこざに発展したり会話が噛み合いにくくなってしまいます。
こっちとしては急ぎの仕事を定時を回ってもやって欲しいと思っているけど、向こうからしたらもう定時を過ぎたら仕事はしないというスタンスでいる以上噛み合う事はありません。
この場合は、彼ら彼女らの文化に入り込んでいるこちらが相手に合わせるべきで、「定時を回ったら家族の時間になるから、早めに連絡をしておかないとな」といった具合に合わせる事でイザコザや食い違いを回避する事が出来ます。
アメリカにある日系企業で働いている人の話を聞いた様子からも、日本式のやり方をアメリカに持ち込んでコミュニケーションを取ろうとしている人は大概現地の人と上手く仕事が出来ていないみたいです。
アメリカの南部の生活様式や文化は日本と異なる部分が多く、嫌でも違いが目に付きます。
その違いを日本のやり方で押し切ろうとするのか、相手のやり方に合わせるのか、その違いがその後のコミュニケーションに大きな違いを生みます。
なので、英語だけを学んでも本当の意味で密なコミュニケーションを取るのは難しいと思います。
最低限、相手の文化や考え方を理解した上で接しないとどうしても食い違いが生じてしまいます。
理想は一度相手の文化の中で生活して、相手の文化に更に一歩踏み込んだ理解があれば、より円滑にコミュニケーションを取る事が出来ます。
もう1つ異文化体験をするメリットとしては、客観的に日本を観る事が出来る点です。
アメリカで生活をする事で、日本で生活していた時には気づけなかった事を数多く目にする事が出来ます。
日本のコンビニの食べ物の質が高い事。
治安の良さ故に日本に住みたいって思う人が多い事。
海外の公共交通機関を使うと、日本のバスや電車の便利さを身を以て感じられる事。
いい意味で他者への配慮が高く、公共のルールをきちんと守る人が多い事。
日本にいるとこれらの点は当たり前だったり、悪い側面ばかりハイライトされてしまいがちだったりしますが、海外の文化と比べる事で良さも見えやすくなると思います。
もちろん、その反対に日本の直すべき事も改めてはっきりと浮き彫りになりますが、その点も踏まえて異文化との比較は日本の現在地をより正確に把握する事が出来ます。
日本にいると留学が英語力向上の目的になりやすいですが、更に一歩踏み込んで留学先の文化や生活様式の体験から日本との違いを学んでみて下さい。
今後の日本の国際化が適切な方向へと進むためには欠かせない観点だと思います。
早川琢也 / Takuya "Tak" Hayakawa
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