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人類は生まれながらのギャンブラー?「ギャンブル依存症」と「人類進化・社会発展」の不都合な関係

ギャンブルで身を崩す人の話は枚挙にいとまがない。
私自身はギャンブルにのめり込むタイプではないのだが、先日ラスベガスに行ったとき、カクテルを片手に思ったことがある。

人はなぜギャンブル依存症になるのだろう?

まず考えてみたのは、ギャンブル依存症がなぜ起こるのか、その「生物学的な必然性」である。
人間は負ける可能性が高いと頭で理解しながらも、ギャンブルにハマる愚かな生き物である。なぜそんな不合理な行動に出るのか。そのような不合理な行動の末に、なぜ人類は他の生物を圧倒的にしのぐ地位を得たのか?

それには深い生物学的・社会学的な意味があるのかもしれない。

それを理解するために、身近な例で「イノベーション」を見てみる。
イノベーションは失敗覚悟での挑戦が不可欠で、自分自身に着目して確率論的に考えたら割に合わない。ところが、社会全体あるいは種(人類)としての発展にはイノベーションが不可欠で、実際、資本主義社会では投資という名のギャンブルが経済発展の基礎をなしている。

つまり、人類の発展という観点で見れば、ギャンブラーが一定数発生し死んでいくことは都合がいのである。
実際、ギャンブルをする個人的な理由だけを見てみると、その場のワクワクであったり、好奇心が満たされる感覚、楽して儲かる、、のように、きわめて単純で卑近な「報酬」に踊らされているのは明らかである。結果、人類の発展の生贄となる。。
恐ろしいのは「目的のすり替え」がゲノムに刻み込まれていることだ。。
これが、「人はなぜギャンブル依存症になるのだろう?」への表層的な答えと考える。

人類は霊長類の中でも特にギャンブル好き?

そう考えると、危険が多い地上で生活を始めたホモサピエンスは、勝負に勝って現在の地位を築き上げたのだから、人類の冒険心や挑戦精神(つまりギャンブラー特性)は、一種の種としての特徴と言えるのではないだろうか。

ゲノムに刻まれ、脳の報酬系が発達し、我々をギャンブルへ誘導している。賢い人類は、さらにそれを満たすゲームを作り出した。ラスベガスでやっているゲームやパチンコなどは極めて単純な「作業」であるのに、そこから抜けられなくなる。競馬に至っては馬が走っているのを見守るだけで何ら介入するすべがないものであり、勝とうが負けようが自分に何の貢献もないのである。
この仕組みをうまく使ったのがギャンブルや資本主義社会であり、その結果として生まれた「ギャンブル依存症」は、人類の発展・進化の副作用とも言えるのかもしれない。
あ、頭に流れてきた曲。。↓
BET OR ALIVE featuring CRYSTAL BOY(nobodyknows+)

私たちの現代社会は、「資本主義」という社会システムを通じて、ギャンブルの要素を社会システムの中に取り入れ、そして一部の人々がその犠牲となることで発展してきたということだ。

「ギャンブル依存症」と「人類進化・社会発展」の不都合な関係

これを考えてみると、「ギャンブル依存症」と「人類の発展・進化」は表裏一体であるという考えが浮かび上がってくる。我々が日々生活を営んでいるこの現代社会は、ギャンブル依存症の犠牲者たち、その「屍」の上に築かれているのかもしれない。

いや、我々自身、規模やリスクの大小はあれど、何らかのギャンブルを日々行っているはずだ。
投資信託での資産形成、取引先への見積提示、彼氏へのプレゼント選び、子供の学校選び、などなど些細なことも何らかのリスクを孕んだ行動であり、それは人間以外の動物がとるリスク幅に比べると選択肢の数も圧倒的に多く、得られるリターンも極めて複雑だ。
(人類以外の場合、シンプルに勝てば生き残る、負ければ死ぬ、ってパターンが多い)

恐らく、人類はこの原罪から逃れることはできないだろう。
それでもいいのだとtarakoは思う。
tarako自身、プライベートでは石橋をたたいて渡るタイプではあり、
パチンコも競馬もほとんどやったことがない。
(一度だけ、ばんえい競馬やったことはあったか。。)

しかし、仕事ではある程度リスクを取って決めざるを得ない立場なので、
頑張って取っているが、手痛い失敗の方が多い気がする。
しかし、ほんの少しの報酬("ありがとう"や僅かなサラリー)でさえ、その痛みを癒すのだ。

そう、
実は「ギャンブル依存症」は、絶対的な報酬/リスクによって成り立つのではなく、そのバランスを(個人には不都合、種としては都合よく)最適化することで、じわじわと発症するのではなかろうか?

そうして、気づいたときにはtarakoも、他の人類も、そして社会も、
同じように、永遠に終わらないギャンブルを続けながら、
不都合にまみれて種を、社会を豊かにしていくのだろう。

Good Night★

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