テスラとイーロン・マスクに今何が起こっているのか?
テスラとイーロン・マスクに今何が起こっているのか?
Twitter買収劇で物議を醸した、テスラ・モーターズのCEOイーロン・マスク氏。
マスク氏が世界一の大富豪になってから、世間の目は良きにつけ悪しきにつけ、彼の一挙手一投足に注がれています。
直近の記事(PRESIDENT Online 2022/11/26 15:00)によれば、次のような内容が明かされています。もちろん、全てが「真実」とは言えないかもしれませんが、少なくとも厳然たる「事実」は存在します。
その記事のタイトルはかなり衝撃的です。
キャッチーなタイトルにしないと見てもらえないということはありますが、その点を差し引いても読みたくなってしまうタイトルです。
時速198キロのモデルYが高校生らをひき殺す…テスラの「暴走事故」が世界中で批判を集める根本原因
では、早速その記事を読んでみましょう。
死亡事故、リコール、株価の下落がキーワードです。
リコールは2日連続
フリーライター・翻訳者の青葉やまと(あおば・やまと)氏のリポートです。
EVはコンピュータ制御によって駆動するクルマです。
電気自動車ですからエンジンではなく、電気モーターによって動きます。
電気モーターと駆動部分(足回り)のコンピュータ制御とシステム(頭脳、ハードウェアとソフトウェア)と電気系統(血管)が主力部品です。
そのため、コンピュータが何らかの原因で誤作動を起こすと、即人身事故に繋がります。
厄介なのはソフトウェアだけでなく、ハードウェアの誤作動もあることです。
普段私たちが使っているPCが仮に誤作動を起こしても、人命に関わることはありません。クルマは人命に関わります。
この差が極めて大きな点です。
自動運転技術に問題
誤解しないでいただきたいのは、テスラのEV車だからこの事故が起こったということではありません。
自動運転技術に問題があったのであり、ガソリン車でも自動運転システムを導入している場合には、同様な事故を引き起こす可能性はあります。
この事故の模様を「香港のサウスチャイナ・モーニングポスト紙は、街角の監視カメラが捉えた複数の映像を伝えてい」ます。
その動画を観てみましょう!
Twitter で投稿されました。
衝撃的で悲惨な光景が展開されます。
衝撃的映像をご覧になりたくない方は飛ばしてください。
物凄い勢いで急加速していくテスラ車が目に入ってきます。
道路が空いていたので、ドライバーは何とか自力でコントロールしようとしたのでしょうが、無理でした。
そうであれば、テスラ車が誤作動して暴走し、死傷者を出したことになります。ドライバーの責任は回避されそうです。
自動運転システムに不具合が発生しているそうで、こうした事故は過去にも記録されているということです。
メトロ紙は「2016年以降、37件以上の衝突事故と計17人を巻き込む死亡事故を引き起こしてきた疑いがあると報じてい」ます。
テスラ中国は名誉毀損で訴訟を起こし、結果として勝訴しているそうです。
信頼性調査でテスラのブランドが信頼性を失っている
リコールの問題だけではありません。
この記事を読んでいて意外に思ったことがありました。
次の記事をご覧ください。
ハイブリッド車は「ガソリンエンジンと電気モーターを併用するハイブリッド方式に対して高い信頼が寄せられている」という行です。
ハイブリッド車はEVと区別されます。
ハイブリッド車はガソリンも使用しますので、脱炭素という観点から見ると不十分のはずです。
ですが、米国にはシェールオイルがあり、米国は今や世界一の原油産出国です。
米国は世界一の原油産出国
IG証券のウェブサイトを見ると、世界の原油産出国ランキング(2020年)
が出ています。米国が1位であることが分かります。
ということは、米国では今でもガソリン車が主力であり、当分の間、その地位は揺るぎないことになります。
ただし、脱炭素への移行という世界的なうねりがあるため、電気モーターとガソリンを併用するクルマが支持されているということです。
自動車信頼度ランキング
予想していた以上に驚いたのは、テスラは自動車信頼度ランキングで下位にいるということです。
ブランド別信頼度順位を確認しておきましょう!
嬉しいことに、日本車がトヨタの首位の他に上位5位中4ブランドを占めていることです。
さらに、コンシューマー・リポート誌による「電動モデル」における信頼性についてカテゴリーで、どの種類のクルマが信頼性が高いかについても言及しています。
トヨタ車ばかりです。
一方で、テスラはどうでしょうか?
テスラは分が悪いですね。
米CNBCはEVに対してかなり辛辣な評価をしています。
強気姿勢が一変、中国で1割近く値下げする事態に
中国での事故が関わっているかどうかは定かではありませんが、テスラ車は中国で1割近く値下げしたということです。
いつも強気なイーロン・マスク氏としては珍しく弱気です。
スペースX
マスク氏はテスラの他にスペースXという宇宙事業も行っています。
スペースX関連では、「ロケットが自動着陸に失敗する映像が繰り返し報道されていた。一方、そのたびに同社は修正を加え、着々と技術力を高めた」
(PRESIDENT Online 2022/11/26 15:00)という経緯があります。
マスク氏は、「失敗と批判を恐れない姿勢を強みとし、いまでは民間宇宙企業として一定の評価を築き上げている」(PRESIDENT Online 2022/11/26 15:00)という同様な戦略で、テスラを運営することができるかどうかです。
筆者・青葉やまと氏は最後に次のように述べています。
スペースX事業で倒産の危機に見舞われた時、マスク氏は自らの資産を投げ売って従業員に給与を支払うと確約し、それ以来復活を遂げました。
スペースXのロケットがNASAに採用されるまでになりました。
マスク氏は不死鳥のように甦り、テスラをもう一度生き返らせることができると信じています。
最後に、テスラの株価情報をご覧いただきます。
➳ 編集後記
現在、世界で注目されている人物の一人がイーロン・マスク氏です。
もちろん、テスラの経営者として、また世界一の大富豪という側面でも、さらに自ら買収したTwitterでの過激な投稿でも有名です。
今までは大きな実績を残してきましたので、どのような発言も許容範囲として理解されてきましたが、今後は一つ一つの発言に責任を持つことが不可欠になってきます。
私がこんなことを言わなくても、本人は十二分に理解しているはずです。
大言壮語はマスク氏流のパーフォーマンスかもしれません。
そうすることで自分を奮い立たせているのかもしれませんよ。
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