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大前研一 名言集 『ロウアーミドルの衝撃』(5)

『ロウアーミドルの衝撃』(5)

「自分のことを中流」と考える日本人が、かつて多く存在しました。私自身もその一人でした。

しかし、いまや上流と下流だけといった二極分化の様相を呈しています。

派遣社員の首切り、正社員の激減、給与、賞与の大幅削減など従業員には逆風が吹き荒れています。

そうした現況を踏まえて、ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。

現実から逃避せず、現実を直視し、少しでも明るい未来像を描けるようになりたいものです。
 
 

日本以外には中位数年齢が50歳を超える国はない
とりわけアメリカは40歳にも満たない


日本以外には中位数年齢が50歳を超える国はない。
とりわけアメリカは40歳にも満たない

過疎化の進んだ地方の町や村に行くと、若者の姿をほとんど見かけず、
高齢者にしか出会わないような場所があるが、イメージとしては日本全体がそうした活気のない、どんよりした国になってしまうということだ。

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 1 〈259〉                     



2025年には、少子化によって生産年齢人口が7200万人に減少
一方高齢者人口は1000万人増えて3500万人になり、勤労世代2人で1人の高齢者を支えなければならないことになる


2004年における日本の生産年齢人口(15~64歳)は8500万人、
これに対して65歳以上の高齢者人口は2500万人だから、生産年齢人口3.4人で1人の高齢者を支えている計算である。
それが2025年には、少子化によって生産年齢人口が7200万人に減少
一方高齢者人口は1000万人増えて3500万人になり、勤労世代2人で1人の高齢者を支えなければならないことになる

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 2 〈260〉                             
                                  
         







日本が長期衰退から抜け出すには、サラリーマンにのみ負担増を求めるという旧来の発想を根本から改め、新しい世界、新しい日本の構造変化にマッチした徴税システムを創り出さなければならないのである


私は税金の問題を一発で解決する案を持っている。
それはけっして奇策ではなく、日本の新しい社会構造、質的変化に対応したものだ。
日本が長期衰退から抜け出すには、サラリーマンにのみ負担増を求めるという旧来の発想を根本から改め、新しい世界、新しい日本の構造変化にマッチした徴税システムを創り出さなければならないのである

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 3 〈261〉                                                                     



➳ 編集後記

ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。

🔷 2014年4月1日から消費増税が施行されました。
予想通り、3月と比べて消費は大幅に減少しました。

しばらくは消費の低迷は続くでしょうが、いずれ回復基調に戻ります。

生活のために不可欠なものまで減らすには、限界があるからです。

日本の徴税システムで不可解なことは、サラリーマンから絞る取るシステムが存在し続けていることです。

それは、徴収しやすいからです。
サラリーマンの収入はガラス張りになっているからです。
さらに、経費がほとんど認められないからでもあります。

宗教法人や議員、開業医、農業従事者、風俗業者などへの課税は、サラリーマンとは雲泥の差があります。

優遇税制がまかり通っているのです。
しかしながら、国は一向にメスを入れません。

領収書を発行せずにお金の受け渡しをしていれば、お金の流れを捕捉できません。

見て見ぬ振りをしている面も否めません。
もっとも、何の力もない私が言っても、犬の遠吠えにもなりませんが……。


⭐ 参考になるデータは下記のサイトでご確認ください。

グラフで見る日本の生産年齢人口の割合は高い? 低い?





大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。






🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-05-22 20:00:33)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。



✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。









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