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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(35)

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(35)

 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。
 優れたビジネス書を数多く執筆しています。


ピンチに追い込まれるほどリーダーはプリテンド、装うこと、ふりをすることをしなければならない

 ピンチに追い込まれるほどリーダーはプリテンド、装うこと、ふりをすることをしなければならない
 人間には表情筋というものがある。人は脳の命令によって作り笑いをするが、本当に笑っているときの表情筋の動きとははっきり違うために見抜かれやすい。ある医師の話によれば、表情筋とはもともと内蔵(腸)が進化したものでむずかしいということらしい。
 しかしリーダーはどんな状況にあっても「大丈夫だ」という顔を見せなくてはならないのだ。したがって、作り笑いが簡単に見破られるのなら、リーダーは窮状にあるときほど人に顔を見せないほうがいいということになる。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <103>                  


これは私の長年の経験による実感でもあるが、ピンチのときはリーダーは会社にいない時間も作るべきだ
もう一ついえば、ピンチにあるときは、そこからどう脱出するかという一点だけ考えて、自分の責任のことも考えないほうがいい

 これは私の長年の経験による実感でもあるが、ピンチのときはリーダーは会社にいない時間も作るべきだ。仕事と関係ないところに紛れ込むか、一人になるかどちらかである。
 もう一ついえば、ピンチにあるときは、そこからどう脱出するかという一点だけ考えて、自分の責任のことも考えないほうがいい。リーダーは最悪のときに至っても可能性が残っている限りピンチを乗り切ることを考えなければいけないのである。責任の話は駄目が確定してから考え出しても遅くない。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <104>                  


一番大切にしなければならないのは自分自身である。いつまで続くかわからない企業の力を当てにするより、組織を離れてもきちんと仕事ができ、お金を稼げるような自分の実力をつくることこそ大事である

 本来大学生は、将来を見て先を考える存在でなくてはいけないはずだが、つねに実態より遅れた世間の、マスコミにつくられたイメージに踊らされてきたのである。それも、今見えている現実が、あたかもそのままの状態で推移してでもいくように錯覚してきた。
 しかしこの世界に永遠に続くものはない。強大で不滅のように思われたローマ帝国でさえ滅び、栄華を極めて終わりがないように見えた唐王朝も終焉を迎え、万全の防御体制を布いた徳川幕府もいとも簡単に倒されてしまった。このような強大な権力でさえ衰亡するのである。まして民間企業など、いつまでも大きいまま存在し続けられるはずはない。
 だとすれば、一番大切にしなければならないのは自分自身である。いつまで続くかわからない企業の力を当てにするより、組織を離れてもきちんと仕事ができ、お金を稼げるような自分の実力をつくることこそ大事である

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <105>                  


✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』
2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社


✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。
一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷 「一番大切にしなければならないのは自分自身である」

この言葉は一見するとリーダーに似つかわしくないと感じられるかもしれません。
しかし、リーダーと言えども全責任を負わなければならないのは、トップだけであり、その他多くのリーダーは全責任を負う必要はないし、負わされてはなりません。

時には、トップが責任逃れをして、部下に責任転嫁することがあります。その時になって、トップは器の小さな人物であったことが明らかになります。

仮にそのような企業のリーダーであった場合、責任を取らされる羽目になったら、潔く退社したほうがいいです。

思い描いていた企業像と乖離したものと分かれば、左遷や降格処分されても、いつか復活できると考え居残る必要はありません。敗者復活を期待するよりきっぱりと諦め、他社へ移ることを検討すべきです。そのような企業にしがみつくことはやめましょう。

そのエネルギーを他社で存分に燃焼させたほうが成果に結びつく可能性は高いと考えます。




✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。
1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。
BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。
『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。
(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)


✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。
近況は下記をご覧ください。
「セカンドライフ」を謳歌しているようです。




⭐ 出典元: 『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』


⭐ 私のマガジン (2022.08.04現在)





















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