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大前研一 名言集 『ロウアーミドルの衝撃』(1)

『ロウアーミドルの衝撃』(1)

「自分のことを中流」と考える日本人が、かつて多く存在しました。私自身もその一人でした。

しかし、いまや上流と下流だけといった二極分化の様相を呈しています。

派遣社員の首切り、正社員の激減、給与、賞与の大幅削減など従業員には逆風が吹き荒れています。

そうした現況を踏まえて、ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。

現実から逃避せず、現実を直視し、少しでも明るい未来像を描けるようになりたいものです。
 
 

今、日本がすぐにでも取り組まなければならないのは、現象ではなく原因を直すこと、病の原因を根本から取り除くことなのである


今、日本がすぐにでも取り組まなければならないのは、現象ではなく原因を直すこと、病の原因を根本から取り除くことなのである

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 1 〈247〉                     



サラリーマンは平均的には四十代あたりが給料のピークで、以降昇進もなければ昇給もないことを覚悟しなくてはならない


「黙っていても昇進と昇格がある」という戦後の日本社会の大前提も、
もろくも崩れてしまった。
サラリーマンは平均的には四十代あたりが給料のピークで、以降昇進もなければ昇給もないことを覚悟しなくてはならない
今、我々が取り組まなければいけないのは、この現実に即した人生設計の構築なのである。

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 2 〈248〉                                
                                  
         







二十一世紀経済の最大の特徴は、国民国家から地域国家への移行である


二十一世紀経済の最大の特徴は、国民国家から地域国家への移行である
すでに自立した地域が世界の各地域とあらゆる経済交流をし、繁栄を築いている。
これは日本の強固な中央集権制への重大な警告である。
官僚を五%減らすとか、政府系金融機関をひとつにするといった「モグラ叩き」ではとうてい解決しない。
日本は今、統治機構そのものを正面から変えていく必要に迫られているのだ。

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 3 〈249〉                                                                     



➳ 編集後記

ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。

🔷 大前研一氏の本を読んで、いつも感じることは、常に時代の先を読んでいることです。

先を読める理由は、大前氏は疑問に思うと、即座に現場へ足を運び、自分の五感を駆使して現実を見極め、そこから自分の考え方を形作ることを繰り返しているからだ、と考えています。

私にとって、大前氏の本は道標であり、軌道修正してくれるナビゲーターでもあります。

大前氏が独創的な考え方を生み出せるのは、先入観を持たず、現実を視て、一見するとバラバラに見える事象から本質を見抜く能力が際立っているからに他なりません。

もちろん、仮説を立て、検証していく能力も優れています。

演繹的思考と帰納的思考を瞬時に使い分け、問題解決に結びつける能力が際立っています。

しかも、単なる堅物ではなく、学生時代に外国人旅行者を相手に、通訳として活躍したり、47都道府県すべてを訪れたり、海外でスキューバダイビングをしたり、オフロードバイクに乗るなど多彩な趣味を持っています。

他人にアドバイスするだけでなく、自ら行動する人でもあるのです。

「有言実行」の人です。

私が大前氏をグールー(思想的指導者)と仰ぐのは、そうした人物であるからです。


大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。






🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-05-10 22:27:27)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。



✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。









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