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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(9)

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(9)


 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。

 優れたビジネス書を数多く執筆しています。


リーダーの権力が強大になるもう1つの理由がある。それは、リーダーには組織内の重要な情報のすべてが集まることだ

 
 リーダーの権力が強大になるもう1つの理由がある。それは、リーダーには組織内の重要な情報のすべてが集まることだ。ところが、どのリーダーも時宜を得た良質な情報を持っているとは必ずしも言えない。速やかに必要な情報をリーダーに伝えることを妨げる力が働くからである。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <25>



悪い話を伝わりにくくしているのは2つの理由からだ。
1つは、知られることによってその社員やチームが不利になるという理由である。
もう1つは、この程度のことは上に上げずに自分で解決しなければならないという本来的には前向きの理由である

 
 組織のメンバー、社員には、リーダーに知られたくない話も少なくない。知られたくないのは主に悪い話である。悪い話を伝わりにくくしているのは2つの理由からだ。
 1つは、知られることによってその社員やチームが不利になるという理由である。罰せられたり、評価が下がることを恐れて、ミスを名乗り出ず、隠してしまおうとするものだ。
 もう1つは、この程度のことは上に上げずに自分で解決しなければならないという本来的には前向きの理由である。取り組み方は前向きだが、結局自分だけは解決できないまま問題を大きくし、解決をさらにむずかしくすることが多いのでとても困る。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <26>



会社に何かまずいことがあったとき、社長に責任がないということはあり得ないのである

 
 会社に何かまずいことがあったとき、社長に責任がないということはあり得ないのである
 「カンパニー制をしいて、そのプレジデントに全権を移譲している。細かい話は社長に報告するような社内ルールになっていない」。仮にそうだとしても、先の反社会的な行為など、企業活動が法を超えた場合には、責任を免れることはできない。また、明らかに失敗と判断できる状況で強行し、傷口を広げるようなことをしている場合も、リーダーの責任は重い。
 リーダーは人事の決定権限も持つが、どれほど公平公明に適材適所の任に人材を配置しても、問題は起こり得るものである。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <27>



✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。

一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷 今回は、リーダーの権限と責任について話しています。
堀氏は、ドリームインキュベータ(DI)の創業者で、社長、会長を歴任しました。

まさに、リーダーだったのです。ですから、実体験があり、リーダーシップの本質について説得力のある話ができるわけです。

少し古いデータですが、KENJA GLOBALというサイトに堀氏が取り上げられていました。

その中に、若い人に向けたメッセージがありました。
その部分を抜粋してお伝えします。

日本を背負う若者へのメッセージ
リーダーというのは大変な事で、一番の基本は「素直さ」と「謙虚さ」だと思います。素直さと言うのは良いモノに触れたときに良いなと思い、悪いものに触れたら「ダメだな」と思う事です。もう一つ大事なのは謙虚さです。どんな人が話してもじっくり聞く事。何でも自分は知っているとか分かっているという態度を取らない事です。必ず何か学ぶ所はあります、私が69歳でも分からない事だらけなのに、30歳40歳の人にそんな色んな事が分かる訳がない。私は少なくとも分かっていなかった、周りの人も分かっていなかった、その歳で分かった顔をする人がいる、それではダメです。そんな人はリーダーにはなれません。リーダーを目指すなら「素直さ」と「謙虚さ」を徹底的に学んで欲しいと思います。

株式会社 ドリームインキュベータ 堀 紘一 KENJA GLOBAL 
        

出典元:KENJA GLOBAL


✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』

2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社



✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。

1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。

BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。

『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。

(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)


✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。

近況は下記をご覧ください。

「セカンドライフ」を謳歌しているようです。



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