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シルバー維新 輝け!銀の卵たち2014.04.14 Vol.67 1/2 2014-05-25 18:35:17

日経ビジネスの特集記事 Vol.67

シルバー維新 輝け!銀の卵たち2014.04.14 Vol.67 1/2 2014-05-25 18:35:17

<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>


最初に、「近未来ストーリー」をお届けしましょう。

こうなるかな、と思う反面、このストーリーよりもっと悲惨なことになっているかもしれないな、と考えさせられました。

「近未来ストーリー」へようこそ―――
(オリジナルの趣旨を損なわない範囲で、書き直しました)

[ストーリー 1]
2035年の春、イチゴ農園の作業を終えたAさん(65歳)は、つややかに実るイチゴを見つめ、満足そうにつぶやいた。

「今年の出来も良さそうだ」

イチゴ農園を始めたのは10年前。食感が評判を呼び、昨年の年商は5000万円を超えた。

月収100万円近いAさんにとって、年金支給開始年齢が70歳に延びたことは関係ない話だ。

大手化学メーカーに入社後、技術者として活躍した。
48歳になり勤務先の「セカンドキャリアサポート」を利用し、農業研修を受講した。

地方自治体の「移住者優遇制度」を利用し、農地や住居を安い価格で手に入れた。(p.026)



[ストーリー 2]
大手飲料メーカーで働くBさん(65歳)は、30歳下の課長から怒鳴られる日々だ。

肩書は「業務調整課の担当課長補佐」。

肩書は営業全般のサポートだが、実際には営業車の洗車ぐらいしか仕事がない。

政府が定年を70歳まで延長した当初は、働けることを喜んだが、社長は定年を前倒しで実施した。

その結果、45歳で役職を外され、給与は大幅にカットされた。定年まで勤めても老後に得られる年金は月額10万円。

人手不足から転職市場は若手を中心に活況を呈するが、シニアは蚊帳の外だ。(p.028)


[ストーリー 1]と[ストーリー 2]は対極にあるものですが、大多数の人が[ストーリー 2]のBさんのような後半生を送ることになりそうだ、と想像してしまいました。

ここからは、日経ビジネスが提示するデータに基づき、もう少し詳しく、見ていくことにしましょう。

日本のシルバー世代の未来は暗い?

労働生産人口の減少

2035年の総人口は1億1212万人と、2020年に比べて約12%減る見通し。労働者確保に移民を当てにしても、中国をはじめとするアジアの国々も高齢化問題を抱えるようになる。日本を目指す外国人が今のようにいるのかは疑問だ。

シルバー維新 輝け!銀の卵たち 2014.04.14
p.029


20年後にはシニアが突出
2010年と2035年の人口ピラミッド
シルバー維新 輝け!銀の卵たち 2014.04.14


働き手は減少の一途
労働力人口の推移
シルバー維新 輝け!銀の卵たち 2014.04.14


このような見通しがあるならば、60代以降の人たちを雇っていかざるを得なくなります。

現実問題として、企業はこの熟年年代の人たちを生かしていけるのか、ということです。

やりがいを持たせることや戦力として生かす

求められるのは、彼らがやりがいを感じ、戦力として活躍できる社会の実現だ。

2035年をAさんが暮らすような明るい未来にするには、企業や社会が今から対応する必要がある。

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p.029


次からは、すでに対応している企業をご紹介しましょう。

PART1 シニアはこう生かす

CASE1 東京トヨペット
ベテランの“技”を引き出す

トヨタ自動車系ディーラーの東京トヨペットで働く
鈴木敬一さん(57歳)の場合

鈴木敬一さんは、同社で長らく営業を担当。11年間で4店舗の店長を経験した。

その後、一定の年齢に達したら管理職を外れて専門職などに移行する「役職定年」を55歳で迎える。

現在は、企業向けの営業を担当する法人開拓室に所属。「シニアマスター」という肩書で、4つの店舗の若手社員16人を対象に、法人顧客開拓をサポートしている。

シルバー維新 輝け!銀の卵たち 2014.04.14
p.030


営業技術(ノウハウ)という財産の継承は、企業にとって極めて重要なことです。

今でも高い能力を持っているシニアに生きがいを与え、若手をOJT(On the Job Training =現場での実践教育)で訓練する「教官」として雇うことは、企業にプラスをもたらす可能性が高い、と考えられます。

その背景には、「若手営業担当者がなかなか外回りをしたがらない」(p.031)という傾向があるからです。

「必要なのは成功体験。相手の気持ちをくみ取れば、必ず結果はついてくる」。

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p.031



CASE2 三菱商事
「社内転職」を後押し

三菱商事の尾崎秀人さん(61歳)の場合

尾崎秀人さんは、入社以来、エネルギー部門でほぼ一貫して営業の仕事に携わってきた。

だが53歳の時に受けた研修をきっかけに、自ら希望して人事の仕事に就く。

「あの研修を受けるまで、自身の将来の働き方などはほとんど考えたことがなかった」(尾崎さん)

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p.033


三菱商事は高齢社員の活性化策を用意しているそうです。
それは、「自身のキャリアを棚卸しする研修」です。

研修の具体的な内容は、次のようになっています。

2日間にわたって行われ、個人がそれまでの職歴を振り返ったり、グループによる議論を通して周囲から自分の評価を聞いたりする。そうして自身の強みや弱みを把握し、今後の働き方につなげる。

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SWOT分析

SWOT分析は、企業や組織に対して行なうことですが、個人にも当てはめてみる価値があります。

Strengths(強み)

Weaknesses(弱み)

Opportunities(機会)

Threats(脅威)


自分の強みや弱みを把握し、他の分野へ移る機会はあるのか否か、逆に自分の分野にライバルが進出してくる脅威はあるのか否か、を徹底的に分析します。

その分析をもとに対策を講じます。



CASE3 サトーホールディングス
年功主義を吹っ飛ばせ

サトーの環境事業子会社、サトーグリーンエンジニアリングの担当部長・山室博巳さん(65歳)の場合

65歳。本来は退職する年だが、昨年10月、シニアの中でも特定の分野に精通した人材を対象とした「プラチナ社員」に選ばれ、今も勤務している。

シルバー維新 輝け!銀の卵たち 2014.04.14
p.036


プラチナ社員制度が始まったのは2011年4月ということです。この制度ができた理由は、次のような疑念が生じたからです。

必要とされる人材で、まだまだ活躍できる人材がいるならば、一律に年齢で制限するという固定概念は本当に正しい判断なのか。

シルバー維新 輝け!銀の卵たち 2014.04.14
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その結論は、このようなものでした。

年齢という枠組みを取っ払って働き続けてもらう。当然、退職までの給与が必要になり、人件費負担は、重くのしかかる。

それでもサトーは優秀な人材の雇用は継続する構えだ。

シルバー維新 輝け!銀の卵たち 2014.04.14
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ここまで、シニアの活用例を紹介してきました。
今まで触れてきませんでしたが、シニアを雇用し続ければ、若手の活躍できる機会が狭められる恐れがあります。

その逆もしかりです。

サトーは、その課題を解決する制度を実施しています。

2003年に執行役員は55歳、取締役は62歳で役員定年とする制度を導入。

「経営の意思決定をする人材は(リスクが取れて決断力がある点で)若く保つため」(サトーホールディングスの金沢春康・人財開発部長)との考えからだ。

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サトーが素晴らしい会社だと思えることは、これだけではありません。

というのは、実力主義の下で、「輝ける人」ばかりではないからです。

そのような人たちでも働ける仕組みを作っているのです。

サトーが2012年に取り入れたシニア活用のもう一つの柱が、「サトーアドバンス」だ。

2012年7月に設立した子会社で、一部を除いてほとんどシニアだけで運営する企業だ。

そのミッション(使命)は、サトー本体とぶつからない事業の開発。

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そんなサトーアドバンスは、きちんと成果を出しています。

サトーアドバンスが取り組んだ事業の一つは、スーパーなどで従業員が商品に値札を貼り付けるのに使う「ハンドラベラー」という製品の再生。

2つ目は、福祉や介護市場で新たなラベルの市場を作るというもの。レンタル品にラベルを貼り、コードを読み取って自動でデータ化するシステムを構築し、丸ごと売り込む。

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こうした取り組みが、サトー全体の業績を押し上げています。

サトーホールディングスの連結売上高は、2004年3月期の588億6200万円から2014年3月期の予想は960億円と、この10年で1.6倍になった。

松山一雄社長は、「ラベルというニッチ市場から世界に打って出て勝つには、個を生かし切る以外にない」と言う。

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シルバー維新 輝け!銀の卵たち 2014.04.14



シニア社員の活用例

士気を高める制度を模索
●シニア社員活用企業の代表例
シルバー維新 輝け!銀の卵たち 2014.04.14



次回は、

「PART2 “壮年”よ、大志を抱け」


他をお伝えします。


🔷編集後記

この特集記事(元記事)が公開されたのは、9年前のことで、アメブロでも9年前(2014-05-25 18:35:17)のものです。加筆修正してあります。

団塊の世代(戦後の「第1次ベビーブーム=団塊の世代」(1947~49年ごろに生まれた人々)と呼ばれる人々 東洋経済ONLINE 2022/01/29 13:00)が約10年前に定年を迎え、退職したり、再雇用されました。

その人たちは70代半ばにさしかかりましたが、元気で働く意欲のある人たちがいます。こうした熟年世代の経験を生かした雇用をすることも必要でしょう。

今回は、シニア世代を社内でどう生かしていくべきなのか、を中心にお伝えしました。


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藤巻 隆
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