⭐️お知らせ 今まで「日経ビジネスの特集記事」を3回に分けて投稿してきました。 今回(2023.04.10 号)から1回のみの投稿とします。
その理由は4つあります。 ① 投稿記事の分量が多すぎたため消化不良になりがちであったこと。 ② 日経ビジネスの発行日と投稿日とで約1年のずれが生じていること。 ③ 日経ビジネス電子版をもっと活用し、過去記事や関連記事からポイントとなる個所を紹介したい思いが日に日に募ってきたこと。 ④ スマホで読んでもらうことをもっと意識し、文章を短く、簡潔に書くことに重点を置きたいと考えたこと。
つまり、ダイジェスト版 として投稿したいと考えたのです。
今後は、特集記事を一気読みし、要点を整理し、エッセンスを投稿するという方針に変更します。どこまでできるかは「神のみぞ知る?」。
日経ビジネスの特集記事 91 後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 <このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
CONTENTS PROLOGUE トヨタの社長選びも変化 実績より潜在力・改革力 PART 1 変革もたらすリーダー 社長一存では選べない PART 2 創業者の理念、伝承に難しさ 苦い3度の"失敗" 永守氏が得た教訓 ニデック会長CEO 永守重信氏に聞く 半世紀築いたイズム 体得してこそ後継者 PART 3 よそ者を求め、口は出さない 脱同族で会社を強く 創業家の覚悟問う
今週の特集記事のテーマは 後継者選びはいつの時代にもある経営課題だが、今ほど重視すべき時代はない。テクノロジーの進歩や世界経済の大変動が、企業の対応力を問うている。トヨタ自動車は社長に若き技術のエースを選んだ。ニデック(旧日本電産)では外部人材への継承がつまずき、社内から選ぶ手法に変えた。多くの経営者にとってバトンを渡すのは一度きり。選び方に絶対的な解はない。 (『日経ビジネス』 2023.04.10 号 p. 010)
PROLOGUE トヨタの社長選びも変化 実績より潜在力・改革力 ✴️トヨタの後継者選びの変化 実績より潜在力・改革力
14年ぶりのトップ交代で産業界を 驚かせた トヨタ自動車の豊田章男・ 現会長(右)と 佐藤恒治・新社長 (写真=つのだよしお/アフロ) 2023年1月26日、トヨタ自動車の豊田章男社長(当時、66)が突然、退任を発表し、4月1日付で会長となり、佐藤恒治執行役員(53)が社長に昇格した。創業家以外では最も若い年齢での社長就任。
トヨタの現在と未来 ・クルマの電動化がカギ EVやHV、自動運転 ・ソフトウェアの自社開発 ソフトウェアとハードウェアの両輪で変化に対 応できる体制の確立
ただし、「いずれも実現への道筋はまだ見えない」(ある自動車アナリスト)。道半ばであり、技術者出身でレクサスの電動化を主導してきた佐藤新社長の潜在力に期待したということなのではないか。
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●2023年の主な社長交代 注:肩書は社長交代発表時。 東レとワコールは23年6月就任予定、 その他は4月就任 *単なる若返りではないことに注意が必要。
詳細は次のウェブページで。
PART 1 変革もたらすリーダー 社長一存では選べない 経営環境の変化に対応すべく、多くの企業が変革をけん引する後継者を求めている。現任社長が従来と同じような発想で決めていては、適任者を見いだせない。先行している企業は競うように指名委員会や幹部育成の仕組みに磨きをかける。
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J・フロントリテイリングの 山本良一取締役会議長は 「トップ人事は現任社長らの専権事項 ではない」と強調する (写真=山本良一氏:加藤 康、 大丸ビル: 日刊工業新聞/共同通信イメージズ、 背景:Shutterstock)
かなりレアケース
「もはやトップ人事は、現任社長らの専権事項ではない」。取締役会議長の山本良一氏(元J・フロント社長、72)は、指名委の機能を高めるべくまい進してきた。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 015 トップが最後に決めるべき仕事は「トップ人事=次期経営者の人事」 と言われてきたが、J・フロントリテイリングの山本良一取締役会議長はそうではないと断言する。
それはなぜか? J・フロントリテイリングは会社法に基づく指名委員会等設置会社で、 指名委員会の決定に取締役会は覆すことはできないからだ。
●J・フロントリテイリングの 社長選びの仕組み
指名委員の構成
J・フロントには指名委員が4人おり、全員が業務の執行から完全に独立した社外取締役ら監督サイドのメンバー
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 015 社長の任期も決める
「人財」評価は毎年実施し、その過程でもふるいに掛けられる。驚きなのはトップの任期も、指名委員会で区切っていることだ。無論、業績低迷が長引けば取締役会などで退任を突きつけられるが、現社長の好本氏の任期もある程度決まっている。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 016 つまり、指名委員会に大きな権限を与えているということだ。
もちろん、指名委員会を設置している企業ばかりがあるわけではない。 他のケースも見てみよう。
●モスフードサービスの 「360度評価」 桜田厚会長は自分の目だけが 正しいとは限らないと考え、 意見を聞いた(写真=栗原 克己)
360度評価を自らの目と耳で行った
まず、当時1000人ほどいた社員の声を集めた。 「社員から見た役員」のイメージを固めた。 さらにFC加盟店のオーナーの声を集めた。 桜田氏には多数決のような考え方で次の社長を選ぶ発想はなかった。それでもステークホルダーの声を集めたのは、「自分の目だけが正しいとは限らない」と考えたためだ。360度評価を行うことで、自分が正しい判断をする確率を高めようと考えた。
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ここで海外の社長選びに目を転じてみよう。
海外の実情
海外の社長選びは内部昇格と同時に外部からの招へいも目立つが、企業業績の点においては内部昇格のほうが優位であることがさまざまな研究から明らかになっている。 2つの理由が浮かんだ。 1つ目は内部昇格ならではの調整力だ。 2つ目はステークホルダーの安心感だ。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 020 円滑で合理的に選ぶにはどうしたらよいか?
米サウスカロライナ大学の ドナルド・シェプカー氏らの研究から
早期解任に2つの理由 内部要因と外部要因 研究によると、新任社長が早期に解雇される原因は2つある。 一つは前任の社長が会長に就任する企業の場合、新任の社長は権力を掌握しにくく、会長が社長に返り咲くことも可能なため、新任の社長は解雇されやすくなる。分析の結果、会長が居座ることで新任社長が早期に解雇される確率はそうでないケースと比べて2.42倍高い。 もう一つは社長就任に対して株式市場がネガティブに反応した場合で、取締役のメンバーが市場の声に基づき新任社長を評価しようとする分、解雇されやすい。分析の結果、株式市場がネガティブな反応をすると新任社長が早期に解雇される確率はそうでないケースの1.53倍高まる。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 021 詳細は次のウェブページで。
PART 2 創業者の理念、伝承に難しさ 苦い3度の“失敗” 永守氏が得た教訓
ニデック(旧日本電産)の 永守重信会長CEO (写真=太田 未来子)
5人の後継者候補
ニデック(旧日本電産)の永守重信会長CEO(78、最高経営責任者)は3月13日、自身の後継候補となる副社長に4月1日付で5人が就任する人事を発表した。このうち、1人が1年後の2024年4月に社長へ昇格する。永守会長自身も、会長とCEO職を退任し、代表権も返上する考えを明らかにした。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 pp. 022-023
後継者選びで過去に3度の苦い経験 ニデックは後継社長選びで 3度にわたってつまずいた (左から呉文精氏、吉本浩之氏、 関潤氏) (写真=左・中:共同通信、 右:東洋経済/アフロ) 永守会長の後継者選びは、この10年、3度にわたってつまずいてきた。 まず13年4月にカルソニックカンセイ(現マレリホールディングス)元社長の呉文精氏(66)をスカウトし、6月に副社長としたものの15年9月に退社。 呉氏の2年後に入社した吉本浩之氏(55)は米ゼネラル・エレクトリックのグループ企業などで磨いた業務改善スキルを発揮し、18年6月に社長に引き上げられたが、副社長に降格となった後、21年5月に退社した。 そして、日産自動車ナンバー3の元副COOだった関潤氏(61)を20年1月に招へい。4月に社長COOとし、21年6月にはCEOに昇格させたが、22年4月にCEOを外れ、9月に退社した。
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後継者選びに失敗した要因
永守会長が創業以来培い、何より大事にしてきた経営思想、「永守イズム」に3人が“合わなかった”ことだ。 永守イズムとは、3大精神や3大経営手法、3Q6Sなどに代表される独自の理念、経営ノウハウである。
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ニデックが継承を目指す永守イズム 「任せて任さず」とは?
永守会長はしばしば「任せて任さず」が大事とも言う。 これは、上司はある事業や現場を部下に任せても任せきりにせず、絶えず目を配り、問題が起きて当事者では改善できないような場合は、即座に手を貸すといったもの。 常に目を配るから部下に失敗があってもロスを最小限に抑えられるし、計画の遂行力が高まるというわけだ。
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5人の後継者を選んだ基準
今回の後継候補選びでも、永守イズムの体得を重視した。「それこそがニデックの本質的な強み」(永守会長)と考えているからだ。 4月に副社長となった大塚俊之・ニデックインスツルメンツ(旧日本電産サンキョー)社長(57)、西本達也・ニデック機械事業本部長兼ニデックドライブテクノロジー(旧日本電産シンポ)社長(66)、北尾宜久・ニデックグループ会社事業本部長(63)、小関敏彦・ニデックCTO(64、最高技術責任者)、岸田光哉・ニデック車載事業本部長(63)らは、この点での高い評価を受けて選ばれた。
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稲盛和夫氏の「京セラフィロソフィ」
会社をアメーバと呼ぶ独立採算の小集団に分け、全社員が収支を常に意識する仕組みにした独自経営の根幹だ。稲盛氏の経営に対する考え方をまとめた「経営12カ条」や、リーダーの在り方を記した「リーダーの役割10カ条」、人としての心の持ち方を説く「六つの精進」などが、その具体論と言える。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 024
永守重信氏が現在のような大企業に成長する前に、稲盛和夫氏の「盛和塾」で学んだことは有名な話。
永守イズム 永守イズムには、四半期の売上高・利益目標を達成するための「マイルストーン管理」という手法がある。四半期ごとの業績進捗予定ラインを引き、途中でそれが遅れることがあると、即座に予定ラインに戻す対策を徹底して講じるというものだ。
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イズムの継承は容易ではない
イズムの継承は容易なことではない。永守会長は早くも、28年就任予定の社長候補の教育にまで乗り出している。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 025
⭐️4年の任期では短期すぎ、社長業を全うできるのかという疑問がある。永守イズムの継承を金科玉条のように捉えているのであれば、傀儡かいらい (操り人形)でしかない、と考えてしまう。
そうならないことを願う。
日本国内の事業所同様に永守イズムを載せた『挑戦への道』を毎朝輪読し、社内で「1000回言行」と呼ぶ「幹部が繰り返し、改善点を説く活動」も徹底していると話す。 この層が次の次の社長候補になっていくとしても、次なる課題は、経営者として長期的視点をどう身に付けていくかではないか。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 027
詳細は次のウェブページで 。
ニデック会長CEO 永守重信氏に聞く 半世紀築いたイズム 体得してこそ後継者
永守重信[ながもり・しげのぶ]氏 1944年生まれ。67年職業訓練大学校 (現・職業能力開発総合大学校)卒。 73年に日本電産(現ニデック)を 創業して社長に。2014年会長兼務。 18年会長CEO、21年会長専任と なったが22年にCEO復帰。 (写真=太田 未来子)
ここからは永守重信氏のインタビューから記事を掲載
あまり心配しなくても良いかもしれない
今回選んだ副社長のうち3人は、入社して約10~18年になる。あとの2人は約4年と1年だけど、指名委員会の委員長からも「日本電産(ニデック)の文化を習得している」と言われているくらいです。結局、一番大事なのは、この会社が大好きで永守イズムをしっかり理解していて、会社をもっと大きくしたいと強く思っているかどうかです。(永守重信氏 談)
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チームワークでやらせる
今回は責任者(副社長)が5人いて、彼らがどんどん動く。その上で、次期社長は彼らに指示しながら、自らも大事なお客さんのところにいつも行って商談をするなど動いていく。スピードは今よりは多少落ちるかもしれないけど、結局、チームワークでやらせるしかないというふうに考えは変わっていますよ。(永守重信氏 談)
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 029 会社をワンマンだけで動かせるわけがない
僕はグループ全体のサポートをして、その後はだんだんに社業を離れていくつもりですよ。だから、今度経営を渡すときはすっぱりいきますから。大体、ワンマン経営というけど、売上高2兆円で世界45カ国に300以上の事業所があって、従業員が13万人もいる会社をワンマンだけで動かせるわけがないでしょう。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 029
⭐️ニデック(旧日本電産)は永守氏が生み出し、育てたので、会社の行く末が心配でならないと思う。
詳細は次のウェブページで。
PART 3 よそ者を求め、口は出さない 脱同族で会社を強く 創業家の覚悟問う 日本企業の多くが同族経営といわれ、上場企業では5割以上を占めるとされる。求心力の高さが競争力ではあるが、激しい変化が脱同族へと駆り立てる。後継選びを機に会社を成長させる上で、創業家に覚悟が求められている。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 030
同族企業の中にも従来の後継者選びと異なるケースも出てきている
同族企業では、創業家のような会社にゆかりの深いファミリーが、株式の所有や経営そのものに関わっていることが多い。製造、小売り、食品などあらゆる産業に根を張り、一定の支配権を持って求心力を発揮してきた。 だが、後継者に高い資質が求められる中で、従来と同じような後継選びは通用しないと考える同族経営者も出てきている。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 030 ⭐️同族企業での私の経験を話すと、創業者は父親(社長)と志を同じくする人たち(二人の副社長)であったが、創業者一族の息子が2代目となると企業業績が急降下した。
二人の副社長(その後、相談役)がこの世を去ると、2代目に意見を言う人間がいなくなり、業績は右肩下がりを続けた。 創業者一族の人物は5大商社のロンドン支店に勤務していたが、しぶしぶ父親のたっての願いを聞き入れ、2代目となった。日本の最高学府の経済学部出身のエリートだった。
だが、大企業の一部門に勤務することはできても、小さくてもトップともなると、全社の責任を負わなくてはならない立場である。しかし、その責任を全うすることはできなかった。
残念なことに当社はその後、同業他社に吸収合併され、当社役員は全員相談役となった。事実上の解任であった。
この合併によって、経営体制が変わり、犠牲になった社員が何人もいた。
一言で言えば、2代目は経営者に不向きな人であった。取り巻きはイエスマンばかりで、厳しい意見を言える人はいなかった。
メインバンクから転籍してきた人物は、何の実績も残さなかったが、社長に圧力をかけ、数年で役員にしてもらった。社員には文句ばかり言うだけで、自分では何もしない、できない人だった。
建設用クレーン大手のタダノ タダノをグローバルに飛躍させるため 社外に社長人材を求めた 多田野宏一会長 (写真=上田 純)
「求めていたのはよそ者、ばか者だった」
「求めていたのはよそ者、ばか者だった」。多田野宏一会長(68)はこう振り返る。タダノは創業以来、同族が社長の座に就いてきたが「一切こだわるつもりはなかった」。 時代は「複雑、高速、極端」(多田野会長)の様相を帯びていたからだという。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 030
経営改革に力を尽くす丸紅出身の 氏家俊明社長CEO
「タダノの常識は他社の非常識」
「なぜこの仕組みなの?」「このやり方は変えられないかな?」。氏家氏が問いかけることは、タダノの社員にとっては当たり前で、ある意味「ばか者」の発言のように映る。だが、氏家氏からすれば「タダノの常識は他社の非常識」。常識知らずのばか者こそが現状を打破する原動力になる。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 031 「タダノの常識は他社の非常識」 は人口に膾炙した「日本の常識は世界の非常識」 にも通ずる言葉だ。
任せた以上、任せきる 同族企業では、非創業家の人物にトップを任せても、要所で創業家が口出しすることがある。それではトップが萎縮したり忖度(そんたく)したりして思うような経営ができない。創業家側の「任せる」覚悟がいるのだ。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 031
創業家の存否「神のみぞ知る」 YKKのケース
非ファミリーに経営を引き継いだ後、そのまま同族経営に終止符を打ったケースがファスナー世界大手のYKKだ。吉田忠裕相談役(76)は創業者である父、忠雄氏から事業を引き継ぎ、2代目として事業を発展させた。だが、ファミリービジネスであることにこだわりはなかった。 大事なことは透明で公正な後継者選びのため、同社も指名・報酬委員会を設置している点にある。委員会での議論を経て非ファミリー出身の社長が2代続けて誕生した。取締役以上にファミリー出身者が一人もいない。吉田氏は「今後、YKKと吉田家は関係がなくなる」と断言する。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 033
結論としては言えることは、「後任選びの方法に正解はない 」(p. 033)ということ。
経営環境が変化すればトップに求められる資質も変わる 一つ言えるのは、経営環境が変化すればトップに求められる資質も変わるということだ。時代を先読みしながら、新しい経営者像を常に組み立てていく構えが求められている。 会社を永続させていくために、経営者の胆力が欠かせないということも言える。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 033
日経ビジネスの結論は次の通り。
覚悟を決めて後継候補に重要な意思決定をさせる 次代の経営者像を描きながら、覚悟を決めて後継候補に重要な意思決定をさせる。これが永続企業の条件ではないだろうか。
後継者選びの流儀 生き永らえる会社の覚悟 2023.04.10 p. 033
詳細は次のウェブページで。
今特集の全体を知るには次のホームページから。
次回は、
崖っぷち大学 再生へ立ち上がる経済人 2023.04.17
を取り上げます。
🔷 編集後記 今号はキーワードは「後継者選び 」でした。
現経営トップが頭を悩ます問題は、後継者選びです。これは企業改革と経営方針と並んで重要な事項です。
不適格な人物を選ぶと、会社が傾くことさえあります。その一方で、任せたら口出ししないということも重要なことです。
企業業績は、そこで働く社員だけではなく、その家族、取引先、株主、社会などのステークホルダー(利害関係者)に深く影響を及ぼします。
上場企業であれ、非上場企業であれ、その点では同じです。
企業は「ゴーイング・コンサーン(企業の継続性)」 が前提ですから、当然と言えば当然のことです。
次のホームページも参考になるかもしれません。
この中から、一部をご紹介します。 私が普段利用している「業スー(業務スーパー)」創業者のインタビュー記事から。
業務スーパー創業者「M&Aで戦力化、買収先の会社をまず安心させる」2024.4.22
沼田昭二(ぬまた・しょうじ) 1954年兵庫県生まれ、 兵庫県立高砂高校卒業後、 三越に入社。81年食品スーパー創業。 フランチャイズ方式で 「業務スーパー」を 全国展開し、外食事業や全国に 20を超える食品工場も運営。 2012年、長男博和氏に 社長職を引き継ぎ、 CEOとして博和氏とダブルトップで 経営を行う。 16年、日本が抱える問題である 食料自給率アップ、 エネルギー自給率アップを 大義名分とした 町おこしエネルギー (兵庫県加古川市)を設立。 23年12月に共著『業務スーパーが 牛乳パックでようかんを売る 合理的な理由』(日経BP) を刊行した(写真:松田弘)
3つのポイント
経営破綻した国内企業を買収し、業務スーパーの事業を拡大
買収直後は買収先に出向き、安心感を持ってもらった
データを示しながら根気強く改善、再建を進めることが大切
黒字達成までは神戸物産から名目上の経営者を送ることはありますが、立て直すのはその会社の人たちです。赤字で会社を潰してしまった社長は、何十年も血へどの出るような努力をして、それでも駄目になってしまった悔しさがある。一度地獄を味わった人は覚悟が違うからこそ、「再建にあなたが必要なのだ」と伝えます。従業員を辞めさせることもしません。
例えば、共著で取り上げた豊田乳業(愛知県豊田市)も13年の買収時は日持ちしない牛乳を作っていました。まずはヨーグルトを作ってもらい、それが業務スーパーで売れるのを実感してもらう。次に牛乳パックに何を入れられるかを考え、ようかんのようなスイーツに転換していったのです。
詳細は次のウェブページで。
日経ビジネスはビジネス週刊誌です。 日経ビジネスを発行しているのは日経BP社です。日本経済新聞社の子会社です。
日経ビジネスは、日経BP社の記者が独自の取材を敢行し、記事にしています。親会社の日本経済新聞ではしがらみがあり、そこまで書けない事実でも取り上げることがしばしばあります。
私論ですが、日経ビジネスは日本経済新聞をライバル視しているのではないかとさえ思っています。
もちろん、雑誌と新聞とでは、同一のテーマでも取り扱い方が異なるという点はあるかもしれません。
新聞と比べ、雑誌では一つのテーマを深掘りし、ページを割くことが出来るという点で優位性があると考えています。
🔴情報源はできるだけ多く持つ 海外情報を入手しようとすると、英語力が必須であったり、膨大な情報がクラウドサービスを利用すれば手に入りますが、それでも非公開情報はいくらでもあります。まず信頼性の高い文献に当たってみることが必要になります。
日本の国立国会図書館のウェブサイト や米国の議会図書館のウェブサイト に当たってみるのも良いかもしれません。
もちろん、ロイター やブルームバーグ などの報道機関の日本版(PCやアプリ)がありますから、これらを利活用すればある程度の情報を収集することは可能です。これらのLINEアプリもありますので、情報を収集することはできます。
あるいは『日経ビジネス』 や『東洋経済』 、『ダイヤモンド』 、『プレジデント』 などの雑誌やウェブ版から情報収集することもできます。これらの雑誌やウェブ版の購読をお勧めします。
あとは自分で、関心のあることに絞って検索したり、ChatGPT やBard に質問してみて、知見を広めるのが良いでしょう。
ロイター ブルームバーグ moomoo
(10,281文字)
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