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大前研一 名言集 『ロウアーミドルの衝撃』(26)

藤巻隆

『ロウアーミドルの衝撃』(26)

「自分のことを中流」と考える日本人が、かつて多く存在しました。私自身もその一人でした。

しかし、いまや上流と下流だけといった二極分化の様相を呈しています。

派遣社員の首切り、正社員の激減、給与、賞与の大幅削減など従業員には逆風が吹き荒れています。

そうした現況を踏まえて、ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』(発売日 ‏ : ‎ 2006/1/26です。

現実から逃避せず、現実を直視し、少しでも明るい未来像を描けるようになりたいものです。
 
 

資産税と付加価値税の2本立てなら、高齢者の資産リッチ層が税を負担することになり、若い人にも資産を得るチャンスが生まれるから、非常に公平な税制になるはずだ


資産税と付加価値税の2本立てなら、高齢者の資産リッチ層が税を負担することになり、若い人にも資産を得るチャンスが生まれるから、非常に公平な税制になるはずだ

税務署の仕事もほとんどなくなるだろう。

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 1 〈322〉                              



世界から日本にはカネがほとんど流れ込んでいない


世界にはカネが溢れている。

納税者のカネではなく、他国のカネで繁栄を海外から呼び込む大競争時代に突入しているのである。

そんなとき、世界から日本にはカネがほとんど流れ込んでいない

今の仕掛けが国際的に見てまったく魅力がないからだ。

私が1986年に出版した『新・国富論』で第2次廃藩置県が必要だと説いたが、そのアイデアはまさに今の日本に必要なものだ。

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 2 〈323                             
                                  
         







私の言う道州制とはすなわち「地域国家」制であり、日本が「新たなる繁栄」を築くためにもっとも適した国家システムなのである


ヒト、モノ、カネそして情報の流れを、東京経由ではなく、直接自由に出入りさせることができるような政治・経済単位を構築することなのだ。

1985年を境に世界は「新しい経済」の時代に入り、経済のボーダーレス化が進み、それと同時に、国民国家(ネーションステート)という枠組みの力が弱まり始めた。

そして国家に代って「経済発展の単位」として浮上してきたのが、独自性を持つ地域、いわば「地域国家(リージョンステート)」だった。

私の言う道州制とはすなわち「地域国家」制であり、日本が「新たなる繁栄」を築くためにもっとも適した国家システムなのである。 

『ロウアーミドルの衝撃』 大前研一の名言 3 〈324〉                           



➳ 編集後記

ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。


🔷 大前氏は、「グローバル、サイバー、マルティプル」とか「地域国家(リージョンステーツ)」、「ボーダーレス」などのキャッチーな言葉を作り出す名人です。

大前氏が多くの読者から支持されるのは、言葉の上辺をなぞるのではなく、「物事の本質」を掴んでいるからです。

大前氏は、疑問に感じたらすぐに行動に移す人です。

ただ考えるだけでなく、実際に自分の目で見て(視覚)、現場の人たちから聞き(聴覚)、その場の雰囲気を嗅ぎ取り(嗅覚)、現地の食べ物を食し(味覚)、現物を手に取り(触覚)、五感を働かせ、時には第六感からヒントを得て、自分だけのオリジナルな発想を生み出します。

読書しただけでは、絶対に得られない「体感」を大事にしています。

もちろん、マッキンゼー・アンド・カンパニーで、新しい考え方を提示した能力は、並の人ではないことは明白です。

大前氏は、理系の人ですが、頭の硬く融通の効かない人ではありません。

クラリネット奏者という側面もありますし、オフロードバイクで足を骨折しても、懲りずに、乗りこなしていますし、世界中の名所と言われるポイントでスキューバダイビングすることも趣味の一つです。

学生時代は旅行通訳業で稼いでいましたし、旅行そのものが大好きです。

47都道府県のすべて訪れることは、学生の頃に完了しています。

大前氏は、自分で体験し、感じたことを大切にしています。
頭でっかちな人たちとは一線を画しています。


🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。




⭐ 参考になるデータは下記のサイトでご確認ください。


道州制

道州制(どうしゅうせい)とは、国家の地方行政制度のひとつで、行政区画として「道」と「州」を置くもの。「府県制」「市制」「町村制」などにならった用語である。

日本では、現行の都道府県よりも広域な行政区分として「道」と「州」を新たに設ける構想を指す。

⭐出典元: 道州制 Wikipedia


大前氏が考えた道州制とは?

本物の道州制、ニセモノの道州制

2009年とかなり前に大前氏が提言した「道州制」について、本人自ら概要を述べています。

「現業の行政区を一度オールクリアにして、日本の国家運営の体系はどうあるべきか、統治機構をどうするのか、改めて決める。そして都道府県や市町村という現行の区割りを廃して、新しい時代に即した国家構成の単位として『道州制』を取り入れようというのが、かねてからの私の主張である。

私の道州制プランはこうだ。区割りはシンプルに、道州とコミュニティの2通りだけにする。

コミュニティの規模は、人口30万人程度とすると、日本全国で400ほどのコミュニティができて、これが生活基盤の単位になる。

道州は地域国家の概念に照らして一つの経済圏として成り立つ大きさで、500万~1000万人規模で11の“道”に区割りするのが私の案。

道州の役割は産業基盤の整備。世界中から資金、情報、企業、人材を呼び込んで雇用を創出し、経済を活性化する。そのための財源として、企業や個人から付加価値税を徴収する」

*全文を読むためには、President Onlineに無料登録する必要があります。 

⭐出典元: President Online PRESIDENT 2009年6月29日号 





大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。






🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-07-12 22:02:37)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。










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