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【回想録 由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い 第44回】

🔷 「入院前」の中の「由美子に四年前から『がん』の疑いがあったことを知る」を掲載します。🔷

 『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』
(ハードカバー 四六版 モノクロ264ページ)
2016年1月25日 発行
著者   藤巻 隆
発行所  ブイツーソリューション

 ✍『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』(第44回)✍

「入院前」の中の「由美子に四年前から『がん』の疑いがあったことを知る」を掲載します。

入院前

由美子に四年前から『がん』の疑いがあったことを知る

 「四年前に右胸にしこりがあることに気づいていました」

 その言葉が由美子の口から発せられた瞬間、私はこれまでに経験したことのない、大きな衝撃を受け、身体がこわばりました。自分の耳が信じられませんでした。

 いつも由美子のそばにいた私が、由美子の重病に気づかなかったことに、二重のショックを受けました。脱力感が全身に広がり、身体が重くなるのが感じられました。しばらく椅子から立ち上がることができませんでした。

 山田先生は、「戸塚共立第2病院に連絡するので、X線写真と手紙を持って、すぐに行ってください」と落ち着いた声で言いました。

 受付の女性の方にタクシーを呼んでもらい、私たちは戸塚共立第2病院へ向かいました。タクシーの中で、私は由美子の左手を右手で固く握りしめていました。

(PP.102-103)



➳ 編集後記

第44回は「入院前」の中の「由美子に四年前から『がん』の疑いがあったことを知る」を書きました。

腹水が溜まっている場合、重病だということは調べて知っていました。

由美子の口から「4年前からがんの疑いがある」と発せられた瞬間を今でもよく覚えています。そこに至るまでは由美子は相当悩み苦しんだと思います。
由美子が亡くなった後で、由美子のスマホを見たら、「がん」を検索していたことが分かりました。



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