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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(25)

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(25)

 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。
 優れたビジネス書を数多く執筆しています。


要するに、何事においても、正確な情報を得、事態を把握することが何よりも大事なのである
とくに重大な事態にあっては、そうした情報に対する対処には、命令系統を一元化しなければならない

  
 要するに、何事においても、正確な情報を得、事態を把握することが何よりも大事なのである。
 とくに重大な事態にあっては、そうした情報に対する対処には、命令系統を一元化しなければならない。
報告書が課長であれば、その上には部長、本部長がいて副社長も心配している、それぞれが自分で解決策を出そうとするかもしれない。違う命令が三種類も出てくることは決して珍しくないのだ。
 そうなったら、社長が直々に出ていって、「私が一切責任をとる。すべては私の言う通りにしろ」と言って、命令系統を一元化し、解決を図らなければいけない。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <73>                  


どのように複雑難解な物事に対する意思決定であっても、物事の本質を捉え、最も重要なことは何か、総合的に見たとき何を優先させなければならないか、結果として何が一番いいことなのかを量らなければならない

 
 リーダーは最も正しい意思決定を可及的速やかに下さなければならない。時に意思決定は50.5%の正解と49.5%の正解を比較するむずかしい選択を伴い、しかもそこには複雑な要素が絡み合っているために、見かけは逆であったりもする。しかしどのように複雑難解な物事に対する意思決定であっても、物事の本質を捉え、最も重要なことは何か、総合的に見たとき何を優先させなければならないか、結果として何が一番いいことなのかを量らなければならない

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <74>                  


意思決定は組織行動のすべてを規定する。そして意思決定は、その後の組織行動の創造性を高めるものであるべきだ

 
 意思決定は組織行動のすべてを規定する。そして意思決定は、その後の組織行動の創造性を高めるものであるべきだ。場合によってはそれが誤りとなる場合もあるが、たとえ一時的に打撃を受けたとしても、リーダーは新たな状況判断に立った意思決定によって挽回を図ればよいのだ。何もしないまま事態が悪化するのを手を拱いて見ているよりははるかにいいのである。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <75>                  


✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』
2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社


✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。
一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷 「意思決定は組織行動のすべてを規定する。そして意思決定は、その後の組織行動の創造性を高めるものであるべきだ」

最終的に意思決定を行うのはリーダーです。

ですが、刻々と変化する状況において、組織のメンバーは自分で意思決定しなければならない場面に必ず遭遇します。決断を迫られるのです。

その際に的確に状況判断し、速やかに意思決定しなければなりません。
覚悟が必要です。

私も過去、決断を迫られ意思決定しましたが、上手く行かず責任を取らされました。その結果に後悔はしていません。
今だからこそ言えることですが…。


⭐ 参考になるウェブサイトをご紹介します。

大前研一「驚きの名案は、疑り深い人間から生まれる」


大前研一氏は、次のように述べています(抜粋)。

「私のコンサルティングの基本は『自分が社長だったらどうするか』である。現場に足しげく通って綿密なフィールドインタビューを繰り返し、経営トップが知りえないような情報をかき集めて、問題点の背景にある原因のさらにまたその原因や課題を炙り出していく。そして自分が経営トップならどう対処するかを客観的に判断して、具体的でわかりやすい提言を1つにまとめていく」

「そうやって経営者にアドバイスすれば、私も経営者もお互い“悔い”が残らない。結果として、そのアドバイスが間違っていたとしても、『あなたは本当に私のために、私に代わっていろいろ考えてくれた。私もそれに基づいて決断した』と相手側も納得してくれるからだ。極端に言えば、『私が社長の立場なら、今すぐ辞めますね』とアドバイスすることもある。逆にそこまで言えるのは、常に相手の立場で考えているからだ」


余談になりますが、堀氏は大前氏からマッキンゼー・アンド・カンパニージャパンへ勧誘されたことがあったそうです。
しかし、断ったそうです。その理由は、「大前氏がNo.1で自分はNo.2となることが分かっていたからだそうです」。

そのため、堀氏はボストンコンサルティンググループを選択し、トップになったのです。これも一つの意思決定ですね。


✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。
1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。
BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。
『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。
(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)


✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。
近況は下記をご覧ください。
「セカンドライフ」を謳歌しているようです。


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