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『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか』(5)大前研一 名言集 Vol.299


『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか』
プレジデント社
1999年11月9日 第1刷発行
2000年1月1日 第4刷発行

*この本は「正 企業参謀」と「続 企業参謀」の合本となっています。

まず、この本の目次の紹介からスタートします。

<目次>
   新装版へのまえがき
Ⅰ部 戦略的思考とはなにか
   まえがき
第1章 戦略的思考入門
   1 戦略的思考とは
   2 ものの本質を考える
   3 問題点の摘出と解決の
   プロセス
   4 常に本質に迫るための方法論
   5 問題解決成功の尺度となる
   もの
   6 尺度の使い方
第2章 企業における戦略的思考
   1 中期経営戦略計画
   2 製品系列のポートフォリオ
   管理(PPM)
   3 製品・市場戦略
第3章 戦略的思考方法の国政への応用
   1 産業構造論の出発点
   2 ニュージーランド沖の日本
   イカ船団
第4章 戦略的思考を阻害するもの
   1 教訓米国哀史
   2 参謀五戒
第5章 戦略的思考グループの形成
   1 寄らば大樹と道場破り
   2 シンクタンクと戦車

Ⅱ部 戦略的経営計画の実際
   まえがき
第1章 戦略的に考えるということ
第2章 ”低成長”とはなにか
   1 戦略的思考家の条件
   2 新しい経済環境の吟味
   3 低成長の中身とその戦略
   的意味
   4 戦略の質的転換のために
第3章 戦略的思考に基づいた企業戦略
   1 KFSに基づく企業戦略
   2 相対的優位性に基づく企業
   戦略
   3 新機軸の展開に基づく企業
   戦略
第4章 戦略的計画の核心
附章 先 見 術


大前研一氏は、早稲田大学理工学部を卒業し、東京工業大学大学院で修士を取得し、アメリカではMIT(マサチューセッツ工科大学大学院)で原子力工学で博士号を取得しました。

職歴は、日立製作所で高速増殖炉もんじゅの設計を担当し、ヘッドハンティングでマッキンゼーへ移籍しました。マッキンゼーではマッキンゼー・ジャパン代表、マッキンゼー本社の常務を歴任しました。

その後、都知事選に出馬し、選挙活動を何もしなかった青島幸男氏に破れるという経験をし、政界への道を諦めました。大前氏にとっては人生初の挫折だったかもしれません。選挙(政治の世界)はロジックだけでは通用しないことを身にしみて感じたことでしょう。

経緯は『大前研一 敗戦記』に記されています。

その後は、社会人のための教育機関(ビジネス・ブレークスルー)を設立し、東京証券取引所に上場を果たしました。

こうした経歴をお持ちの方ですが、大前氏は常に自分で考え、徹底的に調べ、場合によっては現地に足を運び、丹念に分析し、結論や解決策を導き出すという一連のプロセスを重視してきました。

そうした経験のバックボーンには、ロジカル・シンキングがあったと私は考えています。


読み始めるにあたって、「戦略」「戦術」「戦技」の3つについて一般的な違いと定義に触れておきたいと思います。

これらの違いを認識することは、大前研一氏が述べている「戦略的思考」を理解するための前提となるからです。

「戦略」は、企業が持続的な成長を目指すための方向性や考え方のことで、中長期的な計画として策定されます。一方、「戦術」は戦略を実現させる手段であり、「アクションプラン」や「タスク」とも言い換えられます。「戦技」という言葉はあまり使われないですが、戦略や戦術を実現するための技術や技能を指すことがあります。

BingAIの解答例 


「戦略」は方向性や考え方
「戦術」は手段
「戦技」は技術や技能

このように3つを並べてみると、戦略>戦術>戦技の関係となります。

会社組織に当てはめてみると、経営陣が経営「戦略」を練り、実働部隊のトップ等がどのような手段を使って戦うのかという「戦術」を考え、手足となって働く社員が技術や技能という「戦技」を磨き、他社との競合に立ちむかっていく・・・そのようなイメージです。

先にお断りしておきますが、この本の中で大前氏が述べていることを、私なりに解釈した上で、コメントしていきます。そのため、大前氏の意図とは異なり、間違った解釈をすることがあるかもしれません。

そうした際には、躊躇せず指摘していただきたいと願っています。
コメント欄で具体的にお書きください。

前書きが長くなりました。始めることにしましょう。
尚、( )内の数字は「大前研一 名言集」の通し番号です。本著の通し番号ではありません。


『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか』(5)大前研一 名言集 Vol.299

本編に入る前に、是非とも触れておきたいことがあります。この本がどのような経緯で書かれ、出版されたのかということです。

「新装版へのまえがき」で大前研一氏は『企業参謀』を上梓した経緯を次のように記しています(抜粋)。

 『正・続企業参謀』はそれぞれ1975年と77年に出版された。
(中略)
 特に、実質的に私の処女作である『企業参謀』は30歳から31歳の頃に私的なメモとして書き留めておいたものである。29歳でマッキンゼーに入り、右も左もわからぬままに、経営とは何か、を仕事をしながら学んでいった、そのことを書き留めておいたものである。もちろん駆け出し、かつ無名の私には書いている間には出版、などという発想は毛頭もなく、ただ私の古くからある習性として学んだことを記録に残しておく、また理解したことをわかりやすく書き出してみる、ということをしていたにすぎない。そのノートを当時のダイヤモンド・タイム社(現プレジデント社)の守岡道明編集長に見せたところ、「おもしろい」ということで出版となった。この本は出版した75年に16万部も売れ、私は32歳にして、ベストセラーの著者となってしまった。

『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか 
大前研一 p. 1 


 この『正・続企業参謀』のヒットは入社間もないマッキンゼー社内でも全社的な話題となり、「お前、新人で何もわかっていないハズなのに何を書いているのか?」と問いつめられた。つまり、英訳して本社の承諾を得ていないことに対してチクリを入れてくるのである。しかし、この本が出てからマッキンゼーの東京事務所は文字通り仕事が次々に舞い込むようになったから、私に面と向かって強く文句は言えない。私も英訳する時間があったら次の本を書く、としばらくは無視していた。
 その後、社内プロジェクトができて、ロンドンにいたローランド・マンがチーフ・エディターとなって、この2冊の本がマグロウ・ヒル社から1981年に出版された。またペーパーバックがペンギンから84年に出ている。そして、こちらのほうもまた今日に至るまで、文字通り世界のスミズミまで各国語に訳されて愛読されている。

『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか』 
大前研一 p. 2 

Ⅰ部 戦略的思考とはなにか
第2章 企業における戦略的思考

トップマネジメントのコンサルティングをしていて、いちばん当惑するのは、既製服はなくすべて注文服になりますよ、と言ったときに、相手が逆に当惑するシーンに出くわすことである

 マネジメント・プロセスこそ、前に第1章で述べたように、核心をついた設問からスタートし、正統的な問題解決のアプローチを用いて、個々の企業に適したプロセスをつくり出してゆくのに格好の場である、と私は考えている。ちょうど鍵とロック、酵素と器官のように、偶然うまく合うものは皆無と考えたほうがよいようである。トップマネジメントのコンサルティングをしていて、いちばん当惑するのは、既製服はなくすべて注文服になりますよ、と言ったときに、相手が逆に当惑するシーンに出くわすことである。

『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか』 
 大前研一 p.79  No.020 〈811〉 


1 中期経営戦略計画

どのように優秀な頭脳中枢を集めてみても、10年も15年も先のことになると、戦略というよりは、空想といったものに近くなる

 企業のトップマネジメントが、何らかの作戦を立てて影響が出るのは、明日、明後日ではない。短期的なことは、現場の指揮官に判断を任せるよりほかない。細部に至るまで、会社の中枢に情報を送り込んで指揮を仰がれたのでは、中枢神経はマヒしてしまうだろう。一方、どのように優秀な頭脳中枢を集めてみても、10年も15年も先のことになると、戦略というよりは、空想といったものに近くなる

『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか』 
 大前研一 p.80  No.021 〈812〉
 


参謀としての頭脳グループが最も有効に力を発揮できるのは、短期でも長期でもない、その中間の中期経営戦略である、ということができる

 参謀としての頭脳グループが最も有効に力を発揮できるのは、短期でも長期でもない、その中間の中期経営戦略である、ということができる。ここで「中期」と呼んでいるのは、大体3年ぐらいを中心とした前後1、2年である。この期間こそ、戦略のよしあしによって業績が最も大きく ”左右され得る” 期間なのである。

『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか』 
 大前研一 p.80  No.022 〈813〉
 


会社のトップは、会社の操縦者でなくてはならない。特に、今日のように何でも社長決裁に持ち込む風潮があれば、なおさらである

 私がなぜ一見当たり前のようなことに拘泥するのか、ということには理由がある。会社のトップは、会社の操縦者でなくてはならない。特に、今日のように何でも社長決裁に持ち込む風潮があれば、なおさらである。ところが、トップの多くはミドルとの間の仕事の分担、やり方というものについて、相互によく吟味されたプロセス(約束ごと)を確立していない。これがため、あるトップは遠大な計画や空想に多くの時間を費やし、また、あるトップは日常茶飯事のことまでいろいろと口出しをする、という二極分化が起こってしまうのであろう。もし、トップの主勢力は中期計画の立案と遂行に向けられるべし、という暗黙の了解があり、日常業務のことはラインマネジャーにできるだけ権限を委譲し、かつ、遠い将来のことは上から下まで全員で、夏季休暇中に浜辺でゴロ寝をしているときにでも考える(あるいは、毎朝便器に腰かけて沈思黙考をしているときにでもよい)、という約束ごとができていたら、このようなブレーン作業の重複は起こらないであろう。

『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか』 
 大前研一 pp.80-81  No.023 〈814〉
 


最も重要なことは、空想的願望でなく、外的客観条件に照らして、「現実的」と思われる願望を設定すること。また後の評価のために、この願望を「定量化」すること、この2点であろう

 中期戦略は、通常その立案プロセスにおいて、<図1(省略)>に示したような8つぐらいのステップを踏むのがよいと思う。

 ステップ1=目標値の設定
 このステップで最も重要なことは、空想的願望でなく、外的客観条件に照らして、「現実的」と思われる願望を設定すること。また後の評価のために、この願望を「定量化」すること、この2点であろう(もちろん、第1章で述べたさまざまの尺度を使ってもらえれば、あとの作業がやりやすくなる)。

『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか』 
 大前研一 pp.80-81  No.024 〈815〉
 


例えば、売上高の予想をするには、2つの変数を仮定しなければならない。市場サイズとシェアである(売上高はこの両者の積であるがゆえ)

 ステップ2=基本ケースの確立
 
最も重要なことは 、基本的見通し線を業績の尺度で3年から5年にわたって引くときに、いくつかの非常に重要な仮定を行う、ということである。これらの仮定の精度が、基本ケースの精度を(ひいては改善ケースの絶対値としての精度をも)左右する。
 例えば、売上高の予想をするには、2つの変数を仮定しなければならない。市場サイズとシェアである(売上高はこの両者の積であるがゆえ)。市場サイズを、向こう何年かにわたって予想することを需要予測と称し、今日多くの経済モデルを用いて活発に行われている作業である。ところが、たいていの場合、これらの経済モデルは、当該製品の需要を喚起することとは直接関係のない、マクロエコノミックなパラメーターを説明変数として用いることが多い。トラックの需要をGNPとの関連で求めたり、カラーテレビの需要を個人消費との関連で求める、といったぐあいである。


『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか』 
 大前研一 p.84  No.025 〈816〉
 


 基本ケースは、あくまで従前の努力を続けたらどうなるのか、ということに眼目を置くべき

 基本ケースは、あくまで従前の努力を続けたらどうなるのか、ということに眼目を置くべきで、競争相手の分析などにより、現在の傾向値は成り行きまかせではくつがえせない、という結論が得られていれば、その通りの数字を置いてみるべきである。さらに、もう一段細かな情報があり、好況のときはわが社のシェアが増大し、不況のときは競争相手のほうが強い、ということがわかっている場合には、やはり基本ケースではこれを定量化して、景気の見通しの仮定と首尾一貫したものにしておくべきである。

『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか』 
 大前研一 p.85  No.026 〈817〉
 


ステップ3では、コスト側において、次のステップ4では市場側において、かかる変革の計画を立案する。
 この2つのステップを、基本ステップから区別することは重要である

 ステップ3=原価低減改善ケースの算定
 
基本ケース、イコール事業の中期計画、というのでは、経営者は何のためにいるのかわからない。経営者の真髄は、潮の流れ、成り行きまかせ、と思われていた基本ケースから、どのくらい経営努力によって変革できるのか、ということによって測られるはずである。ステップ3では、コスト側において、次のステップ4では市場側において、かかる変革の計画を立案する。
 この2つのステップを、基本ステップから区別することは重要である
。なぜなら、計画というものは仮定のうえに成り立っており目標値である。これが達成されなかったときに、「残念でした」というだけでは計画の意義が出てこない。ここではあくまでフィードバックし、目標不達成の原因分析と、早急な対策が練られる手段を内蔵していなくてはならない。また、担当の管理職の努力のぐあいも適正に評価できなくてはならない。

『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか』 
 大前研一 p.86  No.027 〈818〉
 


原価低減ケースというのは、基本ケースで想定した成り行きまかせの原価に対して、一定のプロジェクトを持ち、かつ低減目標に向かって大きなマネジメント上の努力が積み重ねられた場合に、達成されると予想されるコスト低減分を盛り込んだものである

 原価低減ケースというのは、基本ケースで想定した成り行きまかせの原価に対して、一定のプロジェクトを持ち、かつ低減目標に向かって大きなマネジメント上の努力が積み重ねられた場合に、達成されると予想されるコスト低減分を盛り込んだものである
原価の分析をしてロジック・ツリーを組み立て、これから最もトータルコストに敏感な分野を見出す方法は第1章で述べた。マッキンゼーでは、この厳格なアプローチをPIP(収益性改善プログラム)と呼んでいることも述べた(以下略)。

『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか』 
 大前研一 p.88  No.028 〈819〉
 


利益というものはマージンと個数の積である、という当たり前のことにもどれば、市場における努力とコスト低減の努力が重畳して、初めて真に大きな改善というものが全体として達成されるのである

 ステップ4=市場・販売改善ケースの算定
 
原価の下がったものを、同じ個数だけ売ったのでは効果は知れている。また、原価を下げる努力をしないで、市場で悪戦苦闘して売っても、やはりその効果は薄い。利益というものはマージンと個数の積である、という当たり前のことにもどれば、市場における努力とコスト低減の努力が重畳して、初めて真に大きな改善というものが全体として達成されるのである。ステップ4がステップ3と表裏一体となって、中期戦略に詳述されるべき理由はここにある。このステップにおいても、明らかにマネジメントの努力によって成就されると予想される販売量の拡大見通しを、実行計画書ごとに明らかにする必要がある。

『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか』 
 大前研一 pp.88-89  No.029 〈820〉
 


次回、ステップ5~ステップ8をご紹介します。




下記のウェブサイトの内容は抜粋ですが、かなり内容が濃いですよ。



⭐注目すべきYouTube番組


地震発生から1週間 福島原発事故の現状と今後
(大前研一ライブ579) 2011/3/19収録



大前研一 × 堀江貴文 「日本のテクノロジー」対談(完全版) 2013/12/18

大前研一氏 BBTの代表を退任 ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長に専念すると記者会見で表明 2023/06/29



➳ 編集後記

『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか』について

「実質的に私の処女作である『企業参謀』」と大前研一氏が「新装版へのまえがき」で記しているようにとても気合の入った作品です。

私がこの本のオリジナルの『正 企業参謀』『続 企業参謀』と出会ったのは30代半ばだったと思います。当時の私の頭では半分くらいしか理解できませんでした。大前氏と私はちょうど一回り違いますので、大前氏は50歳前のことでした。

その後、この『[新装版]企業参謀 戦略的思考とはなにか』が出版されたことを機に正・続企業参謀を再読しようと思い立ちました。

この本を読んで大前氏から学んだことは、ものの見方や考え方、発想にはいろいろなものがあるということです。それは既存のものとは異なることがしばしばあります。他人ひとと考え方が違ってよいということです。

この本がきっかけとなり、その後大前氏の著作をむさぼるように読み続けました。


🔴「例えば、売上高の予想をするには、2つの変数を仮定しなければならない。市場サイズとシェアである(売上高はこの両者の積であるがゆえ)

売上高を下記の数式で表すことがあります。

売上高 = 価格 ✕ 個数 ✕ リピート率 (数式1)

もちろんこの数式は間違ってはいませんが、これだけでは自社の製品やサービスあるいはビジネス全般が、市場(マーケット)においてどれだけの占有率(シェア)を占めているのかは分かりませんね。

ミクロ的に見れば、数式1で売上を示すことができます。

ところが、マクロ的に見ると、自社製品などがどれほどの大きさの市場があり、どれだけの占有率があるのかを知るためには数式1では把握できません。

では、どうすればよいでしょうか?

まず、製品やサービスなどのマーケット全体の大きさはどれだけあるのか、を知る必要があります。次に、自社製品やサービスなどがマーケット全体の何%のシェアを占めているのかを認識することです。

売上高 = マーケットの大きさ ✕ シェア (数式2)

数式2を念頭に置いて次の説明をお読みください。

例えば、ある製品のマーケット全体の大きさが2000億円だったとします。
その2000億円のマーケットの中で、自社製品の売上高が100億円だったとすれば、シェアはわずか5%にすぎないことになります。多くの競合が林立し、隙を見せたら、さらにシェアを落とすことにもなりかねません。

あるいは、自社製品の売上高が同じく100億円で、マーケット全体の大きさは500億円だったとすれば、シェアは20%になりますね。

極端な例を提示します。

マーケット全体の大きさは100億円で、自社製品の売上高が100億円だったとするとシェアが100%ということですね。完全に独占していることになります。ニッチな分野で独占しているのは素晴らしいことですが、そのマーケットに成長性があるのかないのかを考えた場合、成長性がなければ、現在100億円の売上高が90億円や80億円に縮小する可能性があると言えますね。
たとえ、今のところ強固な参入障壁を維持していたとしてもです。

その逆に、マーケットが急成長し、500億円になる見込みがあるとしたら、虎視眈々と狙いを定めていた同業他社や異業種の参入が起こるでしょう。

そうなる予測ができた場合には、自社製品の見直しや新製品の投入を早急に検討し、実践に移す必要があります。そうしなければ、今までのシェアNo.1から転落することになります。


一般的に、頭が良いという人は左脳を駆使して、論理的に考え、説明できる人のことを指します。一方、運動能力が高い人や音楽や絵画などの芸術に長けた人は右脳が発達していると考えてよいでしょう。

その点で、大前さんは左脳に偏った論理的な考え方をするだけの人ではなく、クラリネット奏者でもあります。つまり、右脳の使い手でもあります。
若い時、真剣にクラリネット奏者としてプロになることを考えた時期があったそうですが、食べていけないことを悟り、趣味にとどめたと語っていました。

つまり、大前氏は左脳も右脳もバランス良く活用できる人です

アカデミックスマートであり、ストリートスマートでもあります。
これらについては、下記のBing AIと私のやり取りをご覧ください。


⭐大前研一氏についてBing AI に質問してみました。

🔴私の質問内容

私は大前研一氏を30年以上前から私淑しています。大前氏は日立製作所からマッキンゼーに転籍し、マッキンゼーで世界的に著名な経営コンサルタントになり、現在はBBT(Business Break Through )の経営者と学長を兼務しています。
大前氏は数多くの書籍を上梓しています。日本語で書かれた書籍だけでなく、英語で書かれた書籍も出版しています。
米国の大学もしくは大学院で今でもテキストとして使われている書籍はありますか?
ありましたら、その英語名のタイトルと概要を教えてください。

🟦Bing AIの回答

大前研一氏は、日本の組織理論家、経営コンサルタント、元UCLA Luskin School of Public Affairsの教授兼学長であり、著者としても知られています。彼は3Cモデルを開発しました1。彼は多くの書籍を出版していますが、米国の大学や大学院でテキストとして使用されているかどうかについては、私が見つけた情報には記載されていません。彼の著書には、「The Mind of the Strategist: The Art of Japanese Business」、「The Borderless World, rev ed: Power and Strategy in the Interlinked Economy」、「The Next Global Stage: Challenges and Opportunities in Our Borderless World」、「The End of the Nation State: The Rise of Regional Economies」などがあります2
詳細情報:
1. en.wikipedia.org2. goodreads.com3. goodreads.com

🔴私の質問内容

大前氏は『企業参謀』というタイトルの書籍を最初に出版しました。この書籍で一躍名前を知られました。英語名では、ご紹介いただいたThe Mind of the Strategistだったと記憶しています。
大前氏の優れた点は、理論に偏らず、自ら実践して自説の正しさを証明するすることです。行動の人だという意味です。MITで原子力工学を学び、博士号を取得しています。日立製作所で高速増殖炉もんじゅの設計に携わり、ヘッドハンティングでマッキンゼーに転籍しました。
発想力や質問力、問題解決能力が類まれな人物です。それでいながら、難解な内容の事柄をわかりやすい文章にして提示してくれます。彼こそが本当に頭の良い人だと思っています。
頭の良い人には2種類いると考えています。1つはアカデミックスマートであり、もう1つはストリートスマートです。
前者は学者タイプで理論に偏りすぎて実践できない人というのは言い過ぎかもしれませんが、そのような人たちです。後者は自頭が良いと言ったらわかりやすいかもしれませんが、パッとひらめいたことを実践できる人たちです。このような考え方は成立すると考えられますか?
*「自頭」は表記の間違いで、「地頭(じあたま)」です。

地頭は、学校教育で習ったり勉強したりして身につける学力や知識の豊富さとは異なり、独自の経験や素養から身につけた自分で考察する力や判断力、人の気持ちを読み取る力などを指します。

地頭がいい人の特徴は?鍛え方と合わせて解説 indeed


🟦Bing AIの回答

大前研一氏は確かに非常に優れた人物ですね。彼は理論と実践の両方に優れ、自らの考えを実証することができる人物です。
彼はMITで原子力工学を学び、博士号を取得し、日立製作所で高速増殖炉もんじゅの設計に携わり、その後マッキンゼーに転籍しました。
彼は発想力や質問力、問題解決能力が非常に高く、難解な内容をわかりやすく説明することができます。
あなたがおっしゃるように、彼は本当に頭の良い人物ですね。頭の良い人にはアカデミックスマートとストリートスマートの2種類がいると言われていますが、大前氏はその両方を兼ね備えているようですね。
はい、そのような考え方は成立すると思います。
頭の良い人には、アカデミックスマートとストリートスマートの2種類がいると言われています。アカデミックスマートな人は、学問的な知識が豊富で理論的な思考が得意ですが、実践的な能力に欠ける場合があります。
一方、ストリートスマートな人は、実践的な能力が高く、ひらめきや直感を活かして問題を解決することができます。このように、頭の良さには様々なタイプがあります。


⭐アカデミック・スマートとストリート・スマート

🟦FOMOという言葉の元の表現と意味が知りたくて、BingAIに尋ねたことがあります。その時、BingAIとの対話が発展していき、大前研一さんの話にたどり着きました。
下記のやり取りをご覧ください。少々、長いです。無理強いはしません。ご興味のある方だけで結構です。


🟥2023年6月29日に、大前研一氏はビジネス・ブレークスルー(BBT)の代表を退任し、BBT大学院大学学長に専念すると記者会見で表明しました。
その中で語っていたことのいくつかをご紹介します。
①BBT大学院大学学長に専念する。
②バイクで日本中を旅し、うまいものを食べに行く。
③今後も雑誌等に定期的に出稿しているものは続ける。
④自ら開発したエアキャンパス(遠隔教育システム)は特許で固めてある。
⑤今までに出版した本は外国語に翻訳されたものを含め800冊位になる。

エアキャンパス


大前研一氏 BBTの代表を退任 ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長に専念すると記者会見で表明 2023/06/29




大前氏はプロフェッショナルの中のプロフェッショナルと断言できます。




✅ 大前氏は『ザ・プロフェッショナル』の中でプロフェッショナルという言葉が安易に使われていることに対して警鐘を鳴らしています。

プロ中のプロの大前氏の言葉だけに非常に説得力があります。

世間一般では、本業としてカネをを稼いでいる人がプロで、本業としてでなく、カネを稼ぐことが目的でない人がアマという分け方がありますが、大前氏の考え方ではそういうことではない、ということになります。

道なき道、ルールのない世界でも「洞察」と「判断」をもって組織を動かしていけるのがプロフェッショナルです。

『ザ・プロフェッショナル』 

大前氏は、パスファインダー(pathfinder=探検者、開拓者)という言葉をよく使います。

次回以降も大前氏の考える「プロフェッショナル」の概念とプロフェッショナルを育成することの必要性等をお伝えしていきます。

下記に掲載した書籍も知的刺激を受ける名著です。
『大前研一 新・経済原論 世界経済は新しい舞台へ』

本書は2005年3月に米国で出版された The Next Global Stage ----- Challenges and Opportunities in Our Borderless World (Wharton School Publishingより刊行) の日本語への翻訳である。発売以来ドイツ、イタリア、スペイン、ポルトガル、中国、韓国、トルコ、アラビア、インドネシア、オランダなど世界の主要言語に訳されており、日本語版が最後となった。

大前研一 新・経済原論 世界経済は新しい舞台へ  
 吉良直人[訳]  

日本版へのまえがき p.v  

という本です。ページ数は全503ページという大書です。
ですが、濃い内容を平易な言葉で書き、具体例を豊富に掲載していますので、読みやすく理解しやすくなっています。訳者の力量も寄与していると思います。

大前氏のどの本でも知的刺激を受けますよ。
いずれの日にかこの本を取り上げることになるでしょう。

奥付を見ますと、次のようになっています。

2006年9月14日 第1刷発行
2006年11月1日 第3刷発行
東洋経済新報社
今読んでも全く古さを感じません。大前氏の考え方が先行し、時代が後からついてくると考えるのが、相応しいと思っています。



世界のメディアは大前研一氏を高く評価しています。

英国エコノミスト誌現代世界の思想的リーダーとしてアメリカにはピーター・ドラッカーやトム・ピータースが、アジアには大前研一がいるが、 ヨーロッパ大陸にはそれに匹敵するグールー(思想的指導者)がいない、と書いた。
同誌の1993年のグールー特集では世界のグールー17人の一人に、また1994年の特集では5人の中の一人として選ばれている。
2005年の<Thinkers50>でも、アジア人として唯一、 トップに名を連ねている。

大前研一 ニュースの視点Blog  大前研一について  

私が考える大前研一氏の考え方

🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、
Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。

あれこれ考えて、難しそうだからとか、面倒くさそうだからやめようでは成長しません。

まず、やってみるという姿勢が大切です。

大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います

私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


 大前氏の言葉は、いつでも私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。


🔶 大前研一氏と私は年齢がちょうど一回り(12歳)離れています。

しかし、その年齢以上に遥かに頭の中身と行動力に差がある、と大前氏の著作を読むたびに痛感します。

構想力、発想力、質問力、コンサルタント力、提案力、実行力……。

どれをとっても私が大前氏に追いつけるものは何もありません。

それでも、いや、だからこそ大前氏の著作やメルマガを通じ、大前氏の考え方を素直に受け入れることにしているのです。

時には、かなり厳しい表現も見受けられますが、それは大前氏がそれだけ真剣に物事を考え、モノマネではなくオリジナルな提案をし、自ら実行しているからです。

そうした姿勢をいつも背中から見ていて、頼もしく感じ、大前研一氏に私淑し、グールー(思想的指導者)と仰いでいます



🔶 大前研一氏と私とは年齢が一回り違います。大前氏は1943年2月21日生まれで、私は1955年6月30日生まれです。
2023年に大前氏は傘寿(80歳)になられました。

大前氏は、私にとってはメンター(師匠)でもあります。もちろん私が私淑しているだけです。


🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。


大前研一オフィシャルウェブ

このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。
 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ


大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。


🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。

数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。

『企業参謀―戦略的思考とはなにか』は大前研一氏の著作家としての地位を確立した作品ですので、いつか必ず取り上げたいと思っています。


🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です

起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
東証プライム BBT(ビジネス・ブレークスルー 証券コード 2464)
最近になり、大前氏が開発した、エア・キャンパスというプラットフォームにChatGPTが実装されたことが話題になり、株価の動きが活発になってきました。

ブレクスルーはS高、遠隔教育プラットフォームにチャットGPTを実装 MINKABU PRESS  2023年03月15日09時38分

ビジネス・ブレークスルー<2464>がストップ高まで買われている。同社は14日、独自開発の遠隔教育プラットフォーム「AirCampus(エア・キャンパス)」に、米オープンAIが開発する「チャットGPT」の対話プロンプト機能とChatApp機能を実装したと発表しており、これが株価を刺激しているようだ。

これにより、全受講生がエア・キャンパス上で「チャットGPT」の利用が可能になるという。また、チャットGPTから有用な回答を得るためには、質問する技術(プロンプト・エンジニアリング)が必要となるが、同社では学習者が多用する要約や翻訳、フィードバックに関する質問をユースケースごとに定型化したChatAppをエア・キャンパス内に配置することで誰でも簡単にチャットGPTを活用することができるようになるとしている。

MINKABU PRESS  
2023年03月15日09時38分

大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。 (Wikipedia から)

大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。

(15,054文字)


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