堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』（28）
『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』（28）
『リーダーシップの本質』（初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社）は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。
略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。
優れたビジネス書を数多く執筆しています。
取って付けたようにクリーンとされる代替エネルギーを挙げるが、それがどんなに急速に発展し、建設計画を進めたところで、本当に代替できるところまで考えなければ、非現実的な主張に終わる
よく問題にされる原子力発電所の反対行動などを見ていて、私がいつも不可解に思うのは、それでは原発を動かさないで、どうやってエネルギーを確保しようと考えているのかということだ。
取って付けたようにクリーンとされる代替エネルギーを挙げるが、それがどんなに急速に発展し、建設計画を進めたところで、本当に代替できるところまで考えなければ、非現実的な主張に終わる。
意思決定に際し、リーダーはトレードオフによって選択肢を誤りなく評価しなければならない
意思決定に際し、リーダーはトレードオフによって選択肢を誤りなく評価しなければならない。表を作り、Ａ候補にはどのようなプラスがあり、どのようなマイナスがあるかをすべて書き出す。プラスはどの程度の大きさのものか、マイナスはどの程度かを表に表す。同じように、Ｂ候補、Ｃ候補についても評価して書き込む。Ａ、Ｂ、Ｃを比較検討した場合、自分はどの組み合わせがいいかを決めていくのである。
リーダーは冷静な視線を隠しながら熱っぽく語れる存在でなければならない
リーダーは冷静な視線を隠しながら熱っぽく語れる存在でなければならない。冷製と情熱は相反する資質のようだが、十分共存し得るものだ。リーダーは強い責任感の持ち主だから、冷静にならなければいけない場面では冷静になろうとし、実際なれるのである。
とくに修羅場では、一時は興奮にとらわれても、すぐに冷静さを取り戻せる。何か事故が起きたような場合、時間の経過とともにいろいろな報告が入り、別の角度からの報告も入ってくる。最初に聞いた話と少し違ってくるようなこともしばしばある。
✔ 出典元
『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』
2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社
✍ 編集後記
🔶 『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。
私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。
勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう！
何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。
「この本は良書だ」と思ったらその１冊の本を何度も読み返すことが重要です。
一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。
🔷 「意思決定に際し、リーダーはトレードオフによって選択肢を誤りなく評価しなければならない」
このような評価をするためには、アリストテレスの三段論法とＭＥＣＥが根底にないといけないと私は考えています。
アリストテレスの三段論法は、欧米では基本となるロジカル・シンキング（論理思考）を考える上で不可欠なものです。
簡単に説明しますと、Ａ＝Ｂ、Ｂ＝ＣならＡ＝Ｃという考え方です。論理的に考えるとは極論すればこのようなことです。
ＭＥＣＥはMutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略で、漏れなくダブりなしということです。大前氏はシンプルに「すべてを合わせて100％になるように考えること」と説明しています。
⭐ 参考になるデータ
⭐ 出典元： 第24回 北大人文学カフェ コンピュータは間違ってもいいの？論理学から人工知能へ
⭐ 出典元： 思考力を鍛える数学 ベン図
✒ 堀 紘一氏の略歴
ドリームインキュベータ代表取締役社長。
1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士（MBA with High Distinction）。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ（BCG）社長を経て、2000年にドリームインキュベータ（DI）創業。
BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。
『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』（PHP研究所）、『人と違うことをやれ！』『どんな「壁」でも突破できる』（三笠書房）、『挑戦！ 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』（プレジデント社）、『できることから始めよう！』（ダイヤモンド社）、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』（朝日出版社）など著書多数。
（『リーダーシップの本質』の著者紹介から）
✒ 堀 紘一氏の略歴補足
2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。
近況は下記をご覧ください。
「セカンドライフ」を謳歌しているようです。
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