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【99.9%の真実】

🔷 %の数字に惑わされないでください! 必ず「実数」で確認しましょう!

  タイトルを見て、推理小説のタイトルか、あるいはドラマ『99.9-刑事専門弁護士-』を思い浮かべたかもしれません。

  はい、そのつもりで今回はタイトルを決めました。

99.9%の意味は?

 

起訴率

🔶 %に関する例として起訴率を取り上げました。
直近の起訴率を見ると33%前後で推移しています。

  日本では、起訴されると99.9%が有罪になるそうです。ほとんど100%です。
 でも、ちょっと考えてください。それは<起訴された場合>のことです。不起訴(起訴猶予処分も含む)のケースは当然のことですが、含まれません。

  

起訴されると99.9%が有罪

 🔷 ほとんど100%有罪が確定する事件しか起訴しないということです。だから、起訴されると99.9%が有罪になるという結論が導き出されます。

  🔶 起訴(人)と不起訴(人)の「実数」を確認し、その上で起訴率(%)を見ます。

 具体的な数字で見てみましょう。

 「統計で見る日本」というサイトがあります。このサイトは「e-Statは、日本の統計が閲覧できる政府統計ポータルサイトです」と説明されています。

  このサイトに「検察統計調査 検察統計」という統計名で、「被疑事件の罪名別起訴人員,不起訴人員及び起訴率の累年比較 (1993年~)」が掲載されています。膨大かつ詳細なデータです。


起訴、不起訴、起訴率

 そのため起訴(人)と不起訴(人)、起訴率(%)のデータに絞り込みました。

◎ 起訴(人)・不起訴(人)・起訴率(%) (降順で表示)一部を掲載

2019年  2018年  2017年  2016年   2015年
起訴(人)
282,844  308,721 329,517    352,669   371,459

不起訴(人)
576,677  632,323 671,694  701,719   739,937

起訴率(%)
32.9    32.8    32.9   33.4    33.4


起訴率、起訴された人数、不起訴の人数

🔶 起訴率、起訴(人)、不起訴(人)を見て分かったこと(2003年と2004年のデータは理由がわからないが、欠落している)

(1)2015年から2019年までの5年間の起訴率は33%前後で推移していること。

(2)2013年から2019年までの7年間を見ても起訴率は約33%であること。

(3)2001年以降2012年まで毎年のように起訴率が低下していること
<2001年 52.3% 2005年 44.8% 2007年 39.6% 2009年 37.5% 2012年 34.0%>

(4)起訴(人)が年々減っていること


データで見る実態

🔶 これらの数字から推測できること(刑法犯の分類も含む)

(1)起訴(人)+不起訴(人)=総数(人)は年々減少傾向にあること。

(2)刑事事件が減少していること。

(3)凶悪犯罪(殺人等)が増加しているとは言えないこと。

(4)起訴率を調整している可能性があること。


%と実数

🔷 %の数字が同じあるいは近似値であっても、実数を確認しないと誤った判断をすることがあります。

  今回は起訴率に限定してお話しましたが、株式に関連する情報やメディアが報道する数字のうち「%」を強調している場合は一度疑ってみることが大切です。恣意的に「%」を使っているケースがあるからです。

🌟 統計で見る日本 (参考データ)
被疑事件の罪名別起訴人員,不起訴人員及び起訴率の累年比較 (1993年~) 
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003274052


注意するべきポイント

🔶 数字は嘘をつきません。しかし、人は自分の理論がさも正しいと説明するため、あるいは他人をある方向へ誘導するために数字を扱います。

  特に「%」は、そのベースとなるのは何なのかを確認することを怠ってはいけません。

 常に実数と%を合わせて見るようにしましょう!



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