見出し画像

大前研一 名言集 『即戦力の磨き方』(17)

『即戦力の磨き方』(17)

大前研一氏のような「世界に通用する傑出した人物」は、日本だけでなく、世界でもあまりいません。

私は大前氏の足元にも及ばない、ちっぽけな存在ですが、そんな小さな私でも、少しでも役に立ちたいと熱望しています。

年齢は関係ないと思っています。

やろうとする意志と一歩踏み出す行動力ではないか、と考えます。
その2つに付け加えるとすれば正しい方向性でしょうか。

これはなかなか定めるのが難しい。

自分で正しいと判断しても、必ずしもそれが正しい針路をとっているかどうか確かめることが困難だからです。

メンター(師匠)がそばにいれば、たとえ間違った方向へ進んだとしても、謙虚な気持ちで従うならば修正は可能でしょうが。
私にとってのグル(精神的指導者)は大前研一氏です。
もちろん、大前氏はそんなことを知る由もありませんが。

以前、大前氏の下で働いていた学生の方(今では社会人として働いていることでしょう)からメールを頂いた時、身近で見た大前氏の気さくで、ユーモアあふれる人柄に触れたことを伝えてくれました。

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です
 

考えることをやめてしまったのは、80年代になってからだ

考えることをやめてしまったのは、80年代になってからだ

バブルという見せ掛けの繁栄、そしてその後始末を、大量に国債を発行したり、税金で破綻銀行を救ったりと、国が場当たり的にやったせいで、いつの間にか国民は、危機を危機として意識できなくなってしまったのである。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 1 〈385〉                           






                             

先進国で余っているお金が集まってきている「地域」は、これから必ず発展する

1年間の勉強のテーマを何にするか、参考にするのは、世界規模のお金の流れだ。

先進国で余っているお金が集まってきている「地域」は、これから必ず発展する

そういう地域をいち早く嗅ぎ分け、研究し、紹介することができる人間は、あまりいないだろう。

だからこそ、勉強のテーマにふさわしいのである。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 2 〈386〉                             


ボーダーレス経済では、繁栄するのは国ではなくあくまで地域だし、投資の単位も国家ではなく地域なのである

ボーダーレス経済では、繁栄するのは国ではなくあくまで地域だし、投資の単位も国家ではなく地域なのである

たとえば、中国なら中国全土が投資対象になっているわけではなく、お金が流れ込んでいるのは沿岸部の大連、上海、青島、煙台といった地域国家(リージョン・ステート)だけだ。

インドもバンガロールやハイデラバード、最近ではプネといったIT産業の集積都市に、投資が集中している。

その結果、バンガロールのあるカルナタカ州などは、インドの実質成長率6.9%(04年)に比べ、低く見積もっても15~20%と、ずば抜けた発展をしているのだ。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 3 〈387〉                           


➳ 編集後記

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。


🔷 「危機感」と「緊張感」はとても重要だ、と考えています。

少し大袈裟に言えば、今、どちらもが日本中から欠けているように感じられます。

マンネリ化してしまったのでしょうか?

アベノミクスという言葉だけが踊り、実態が伴っていません。

株価が上昇しただけで、国民は「好景気の恩恵」を受けておらず、疲弊しています。

しかし、国民は「危機感」も「緊張感」も感じていません。

それが「諦観」なのか、それとも良くなるのは「時間の問題」と考えているのでしょうか?

いくら待っても、良くなることはありません。

一部の大企業だけが、「この世の春」を謳歌しているのです。

マスコミは脳天気に、大多数の国民にとってどうでもいい「事件」や「スキャンダル」を毎日のように報道たれながしています。

マスコミがそうした報道をしている間に、深く静かに、しかも確実に「安倍政権の真の目論見」が進行しているような気がしてなりません。

基本的に、マスコミは現政権にとって都合の悪い問題の報道を控えています。

10月に内閣改造を行う予定ですが、国民の為に行うのではありません。

来年に実施される参議院議員選挙に向けて、自民党内の派閥の調整を行う為です。

閣僚級を出していない派閥の不満を解消する為です。ガス抜きですね。

安倍首相が、成長戦略の一環として、「地方の活性化」を声高に叫ぶのは、
地方選挙を意識したものであることは明らかです。

さらに、来年10月1日から消費税を現行の8%から10%へアップするかどうか、年内に閣議決定します。

5%から8%への消費増税によって、消費が減少していることがデータで明らかになりました。

当初は、増税後、数ヶ月で消費は回復すると、国は予測していたようですが、「生活者」(大前氏が提唱)は一向に、「好景気」を実感できていません。

否、不景気感が漂っているという方が、実態を的確に表している、と思いますね。

「危機感」や「緊張感」を喪失してはならない、と思います。

🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。


⭐ 参考になるデータをご確認ください。

ウクライナ戦争で明白になった「経済のボーダレス化」その先に待つ未来は

このウェブサイトを見てみましょう!

「ウクライナ戦争は従来の国民国家の枠組みが崩れて人、モノ、カネ、企業、情報が軽々と国境を飛び越えるボーダレス・ワールドになっていることをプーチン大統領が理解していなかったがゆえに起きたものであり、むしろ、いかに今の世界がボーダレスな『連結経済』になっているかということを改めて明白にした」

🔶 ウクライナ戦争をこのような視点で捉えた人は、寡聞にして大前氏以外にいないのではないかと思っています。

「私自身、2021年正月に本連載で、100年前に『スペイン風邪』が猛威を振るい、その後に欧米でも日本でも物価が高騰して1929年のアメリカ株バブル崩壊に端を発した世界恐慌、そして第二次世界大戦へつながっていったという歴史のアナロジー(類推)を指摘した。その時点では今日のロシアのウクライナ侵攻までは予想できなかったので、パンデミックやインフレ加速、株バブル崩壊などの類似から『いつか来た道』への警鐘を鳴らしたが、まさに現在、世界は100年前と同じ轍を踏みかねない状況になっている」

⭐ 出典元: 大前研一 「ビジネス新大陸」の歩き方 2022年5月25日 15:00 週刊ポスト




大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。






🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-08-17 22:04:45)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。











サポートしていただけると嬉しいです。 サポートしていただいたお金は、投稿のための資料購入代金に充てさせていただきます。