見出し画像

大前研一 名言集 『即戦力の磨き方』(8)

『即戦力の磨き方』(8)

大前研一氏のような「世界に通用する傑出した人物」は、日本だけでなく、世界でもあまりいません。

私は大前氏の足元にも及ばない、ちっぽけな存在ですが、そんな小さな私でも、少しでも役に立ちたいと熱望しています。

年齢は関係ないと思っています。

やろうとする意志と一歩踏み出す行動力ではないか、と考えます。
その2つに付け加えるとすれば正しい方向性でしょうか。

これはなかなか定めるのが難しい。

自分で正しいと判断しても、必ずしもそれが正しい針路をとっているかどうか確かめることが困難だからです。

メンター(師匠)がそばにいれば、たとえ間違った方向へ進んだとしても、謙虚な気持ちで従うならば修正は可能でしょうが。
私にとってのグル(精神的指導者)は大前研一氏です。
もちろん、大前氏はそんなことを知る由もありませんが。

以前、大前氏の下で働いていた学生の方(今では社会人として働いていることでしょう)からメールを頂いた時、身近で見た大前氏の気さくで、ユーモアあふれる人柄に触れたことを伝えてくれました。

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です
 

英語が話せて技術が確かな医師は、海外でも引く手あまただから、英米の病院にもインド出身者の医者が増えている


さらに近年では、医療分野への躍進もめざましい。

手術費用はアメリカの10分の1で済むし、英語も通じる。

もちろん「心臓のバイパス手術成功率は99.7%」などと病院ごとに公表して競っているくらい、技術力も高い。

それでインドではいま、アメリカからのメディカル・ツーリズムなるご一行様が、引きもきらない状態にあるのだ。

また、英語が話せて技術が確かな医師は、海外でも引く手あまただから、英米の病院にもインド出身者の医者が増えている

アメリカに行っても、病院の医師の30%はインド人だという。だから、本国に行くことに対しても、あまり抵抗感がないのだ。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 1 〈358〉                           






                             

とくに情報化時代に「情報暗黒大陸」となってしまった現状に対しては、政府や財界はもっと危機感を持つべきだ


とくに情報化時代に「情報暗黒大陸」となってしまった現状に対しては、政府や財界はもっと危機感を持つべきだ

日本関係のニュースが依然として、マルコポーロの“東方見聞録”的なエキゾチック趣味なのも、旅行者が書く記事が中心だからである。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 2 〈359〉                             


何度もいうが、21世紀の経済は「ボーダーレス」である


日本人が英語が苦手なのは、国内で勤勉に働き、いいモノをつくって輸出していれば、それなりにカネが入ってくるという従来の発想から、いまだに抜け出られていないのが最大の原因だ。

何度もいうが、21世紀の経済は「ボーダーレス」である

製造業なら世界を見渡して、もっともコストが安いところでつくり、売りやすいところでモノを売ることができる時代だ。

それなのに、製造拠点を国内に限定したり、日本語を理解する消費者だけをターゲットにした販売戦略をとっていたら、そんな企業はあっという間に淘汰されてしまうだろう。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 3 〈360〉                           


➳ 編集後記

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。


🔷 2020年東京オリンピック開催が決定し、旅行業、ホテル業、旅館業、飲食業、交通機関などは、年間2000万人以上の外国人旅行者を受け入れる体制を整えつつあります。

外国人旅行者は年3000万人に達するという予測もあります。

ただ、円安が続き、自動車など一部の輸出業者は潤っていますが、日本は食材や燃料などの原材料のほとんどを輸入していて、これらの価格が高騰しています。

そのため、直近の貿易収支は7兆円の赤字になった、と報道されました。

この流れは、当分の間、変化しないでしょう。

企業は1円でも安いところから原材料を仕入れようとしています。

先頃、マクドナルドは「チキンナゲット」の原材料の鶏肉が、賞味期限切れであることを発表しました。

マックは原材料が全世界で最も安いところを見つけ出すシステムを開発し、鶏肉は中国から仕入れていましたが、それが賞味期限切れだったのです。

今後も、このような事態は起こる、と私は考えています。
企業が利益優先の方針をこのまま押し進めていけば、こうした事態は避けられません。

その一方で、国内の製造業は海外へ進出せざるを得ない状況にあります。国内で製造するとコスト(人件費や輸入する部品代)が高くなり、競争力がないからです。

製造原価が高くなり、売れなくなるのです。
ということになれば、産業の空洞化は減るどころか、増加すると考えたほうが正しいでしょう。

今後、中小企業メーカーは廃業や倒産するところが増加する可能性が高い、と思われます。


🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。




⭐ 参考になるデータをご確認ください。

早過ぎた警告の書『ボーダレス・ワールド』が今、眼前に

『ボーダーレス・ワールド』は大前研一氏の本です。

『PRESIDENT Online』で関連記事が掲載されています。

次のような話が書かれています。30年以上前に

「エストニアでは観光ビザで会社が設立できる。非居住者用のIDを持っていれば、エストニアで興して登録した会社を海外から経営できる。契約書のサインも税金の納付もオンラインで可能。しかも資本金ゼロで会社が興せるし、最初の5年は税金がかからない。従って世界中からエストニアに会社を興しにやってくるようにしたい、と言う。「これが21世紀の人口増加策だ」とオフィサーは胸を張った」

「19世紀的な国民国家の枠組みが崩れていくことを、私は『ボーダレス・ワールド(国境なき世界)』(1990年刊)という本の中で「物理的必然」と論じた。国家は国境という地理的ボーダーで規定されている。しかし交通網が発達し、金融が発達し、通信が発達していくと人、モノ、カネ、情報が軽々と国境を飛び越えるようになる。従って企業は国境を越えてオペレーションできるようにしておかないと、狭い国家の枠の中にとどまっていたら死に絶えるしかない――。というのが私のボーダレス・ワールドの基本概念だ」

「今日起きている経済現象をケインズ経済学では説明しきれない。なぜならケインズ経済学は国境によって閉ざされた一国の経済を前提にしているからだ。ボーダレス・ワールドの中では、それが逆さまになることも珍しくない。私はこのことをここ20年以上説き続けているが、多くのエコノミストはこのボーダレス経済論の骨格が理解できない」

「ボーダレス経済、サイバー経済、マルチプル経済という新しい経済世界が広がっていくほどに、実体経済のボーダーである国境の持つ意味がなくなってくるのだ」

「ボーダレス・ワールドにおいては、国家と企業の関係も変容する。国境を自在に飛び越えて経済活動をしている多国籍企業は、どこの国でモノを作ればコストが安いか、どこの国でビジネスをすれば税金が安く済むか、といったマネジメントを当然のように行っている」

「国境というボーダーの中で、国家が税金を取って行政サービスを提供するという仕組みが、アメリカでは成り立たなくなっている。予算が足りないから、手下の日本やオーストラリアに国防の出前を押し付けるのである」

PRESIDENT Onlineに出稿されたのは2014/12/08 10:00のことです。

⭐ 出典元: PRESIDENT 2014年12月15日号


大前氏の指摘は、30年以上前のことです。
世界中を飛び回り、現場で何か起こっているのかをつぶさに見てきた大前氏だからこそ指摘できることです。

3現主義(現場・現物・現実)を貫いているのです。

頭がずば抜けて良いだけでなく、行動力が半端ではないことが分かるでしょう。   





大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。






🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-08-05 21:25:03)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。











サポートしていただけると嬉しいです。 サポートしていただいたお金は、投稿のための資料購入代金に充てさせていただきます。