DNMを自己流で学んでいた時にクレームが来た話

どうもこんにちは。北海道のDNMコンプリーター 竹沢侑也です。


今回の記事はタイトルからして生々しいですね(笑)


体験談になりますので全く論文などは出てきませんが、
DNMコンプリーターの方々、今DNMを学んで少し実践している方の参考になればと思います。

あ、あととても長いですので時間がある時に読んでください。
思い出話程度のものなので(笑)


DNMのPVレッスンを受講する前でしたので、DNMを間違った解釈していた時期に起きた出来事です。

もし介入内容にクレームが来たら見てみてください(そもそもそんなに無い笑)


◆2回目の介入前に「担当を変えて」とクレームが入った


その時に担当していた患者さんは、別のクリニックから来た患者さんでした。

前に行っていたクリニックは院長がご高齢だったこともあり、閉院したため近くにあった私が勤務しているクリニックに来たとのこと。

前に行っていたクリニックではトリガーポイント注射や関節注射、
柔道整復師によるウォーターベッドや低周波、かなり強い刺激のマッサージを何十年も行っていたと言っていました。



理学療法士によるリハビリの経験はない方でした。


当時うちのクリニックではリハビリのオーダーを増やしていた時期で、当然その方にもリハビリオーダーが出されました。

カルテを見ると

「リハビリ開始、物理療法希望」

と記載されていました。

オーダーが出て、介入してみると非常に感じが良い方でした。
お話が好きな方でした。


その時、私のリハビリ介入実績は非常に良く、介入から3回目には痛みが半減している患者が多かった時期でした。(もちろんなかなか変化しない方もいましたが)

ちょうどDNMアプローチ(スキンストレッチなど)を多く活用していた時期でした。

自分の介入内容と理解しているつもりだったDNMに自信を持っており、
今考えると全くクライアント主体ではありませんでした。


その方への介入内容はスキンストレッチや、ポジショナルリラクゼーションがメインでした。

DNMでは数分待つアプローチですので、その患者さんは不満に感じたんでしょう。

「もっと強く揉んで!」

「そんなんじゃ効かないよ」

と言われました。


しかし、

・痛みを出すほど揉まない方がいい

という知識だけでその患者さんの発言を聞き入れずに

「優しい方が効果ありますよ〜」
「強く押すと痛みが強くなるかもしれないですよ〜」

と伝えスキンストレッチなどを継続して行いました。

「痛くないほうがいいの?」と納得していたようでしたが

今思い返すとその日はそれ以降、患者さんはほとんど喋らなくなりました。


その次の週、

来院し診察を終えたようなのでカルテを見ると

「できれば担当変更希望」

「マッサージの希望もあったがリハビリはマッサージではないことを説明」

の文字が書いてありました。


直接、その方のところに行って話を聞くと

「あんな触れてるだけで変わるわけない」

「人によって効く、効かないがあるんだ」

「他の方はマッサージされてるって言ってた。してほしい」

とのこと。


もちろん医師の指示があるのにも関わらず、同僚がマッサージをしていたことはあまり良いこととは思えませんが、雇われている以上経営的な面も考えるとそれは受け入れなければいけません。

とても凹みましたが、
確かに今まで強い刺激を受け続けていたことなど考えると
その患者さんは何も間違ったことは言っていませんでした。

介入内容に不満があれば、それだけでどれだけ良いと言われることをしてもその方の身体が変化を受け入れてくれない可能性があります。

「何をするか」にばかり気を取られ、「その人が何を求めるか」についてはほとんど考えていませんでした。


痛みは相手の個人的で主観的なものです。

ありとあらゆるコンテキスト(前後関係、状況、事情、背景など)が影響してしまいます。

「強い圧を求める患者」と聞けば、わがままだなと思ってしまうかもしれませんが、
「強い圧でなければ効かなくなった」と聞けば患者さんは被害者だということがわかります。

まずはその人のありのままを受け入れる必要があるのです。



dermo neuro modulating開発者のカナダの理学療法士である
Diane Jacobsも以下のように言っています。

もし、より強い圧を求められても必要以上に強くないようにしています。
ですが実際に、もし強い圧を求められたら強い圧をかけるでしょう。
患者が強い圧を本当に望んでいるのであれば全てを患者に委ねてみましょう。

すべては、患者自身のことだからです。

ですが、「良くなるには強い刺激が必要だ」と思い込ませるつもりはありません。
科学的根拠を持って変化を期待している私のようなセラピストは必要ないと、教えます。


強く押すことに賛同はしていませんが、求められればするとダイアンは言っています。

まさか、患者さんに気づかされるとは思いませんでした。


それ以降はまず、この人に好かれることから始めようと考え始めました。


強い刺激を求める方からのクレーム以降、実施したこと


DNMを学ぶ前に自分のアプローチ法として使用していた組織間リリースを2回目から実施。
かなり強い圧で圧迫しましたが、「これが受けられるなら担当は変えなくていいです」と満足して帰っていただきました。

3回目以降は組織間リリースをメインとして、運動もしたいとのことで運動指導をメインで行いました。
元々、症状は軽かったこともありましたがここまで診察やリハビリ実施中の会話で症状が良くなったとはまだ聞いていませんでした。

その間にDNM PVレッスンを受け、
4回目の介入。

いつもの通り、組織間リリースを行うと「なんか膝が突っ張る」との訴えがありました。

感覚を尋ねながらやや強い圧でのスキンストレッチを行いました。

「痛いですか?」と聞くと「全く痛くない」と言う方でしたので、

「気持ちの良い方向はありますか?」と聞くと「最初の方が気持ちいい」と教えてくれました。

実施すると膝の突っ張りが消えたと喜んでくださいました。

やや指圧寄りのスキンストレッチやツイズリングアプローチがお好みのようで、徐々に組織間リリースをフェードアウトさせていただきました。

本人が自分で選んだ方向だからなのか、特に文句も言わずスキンストレッチを受け入れてくれました。

会話では患者さんの言ったことを否定せず、頷いたり肯定したり。
お孫さんを自慢するのが好きみたいなので、その話を掘り下げることも行いました。


その後、というか先週なのですが

「夜に病まなくなったから一旦注射とか受けるのやめようかと思ってる。全く痛くないのに注射打ってもね。リハビリって効果あるんだね〜」

との発言をいただきました。

今でもやや介入時には緊張感がありますが、患者さんが私を受け入れてくれた瞬間でした。

とても嬉しかったです。


◆DNMは説明モデルであることを理解することが大切


DNMは全ての徒手療法の説明モデル


デヌモンがTwitterで何回も言っていますが、いまいちピンときてない方もいるかもしれません。

DNM(dermo neuro modulating)はそのまま訳すと

「皮膚・神経に触れて変化させる」

要は身体に触れるといった、どの徒手療法でもやってることを説明しているのです。

筋膜マニュピレーション・リリース、関節モビライゼーション・ファシリテーションなどのようにDNMも一つのテクニックとして捉えがちですが、

皮膚に触れて変化させることをサイエンスを用いて説明している理論なのです。

大切なのは決まった何をするかではありません。

その人の状態とサイエンスを照らし合わせ、

「どうすればこの人にプラスを多く与えられるだろうか」

といったことです。


TwitterなどではDNMコンプリーターが

「〇〇への介入で変化が!」

といったツイートをすることがあります。私もです。

あくまでそれはDNMを広めるために、「万能ですよ!」といったことを伝えるためであって、かなり簡略化して書いています。
頭の中ではもっと色々なことを考えています。

どうすれば、その人にとって利益を多く与えられるか。


それこそがDNMの本質だと考えます。


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